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居間のソファには年配の男性が座っていた。
こちらも全く大賀には似ていない小柄な男性だった。
大賀の両親と大賀の共通点は髪と瞳が黒いことくらいだ。
大賀のお義父さんも俺を見て驚いた表情を浮かべた。
初対面でこんな風に見られるのには慣れているから、俺は黙って頭を下げた。
「成澤唯希と申します、本日は突然お邪魔して申し訳ございません。これ良かったら召し上がってください」
持参したケーキやクッキーを渡すと、お義母さんの顔が輝いた。
「まあ、美味しそう。あとでお茶と一緒にだすわね」
「お口にあうといいのですが」
はにかんで目を合わせると、お義母さんの頬が赤く染まった。
「成澤さんってちょっとびっくりするくらい綺麗な方ねえ。剛士がこんな綺麗な方とお付き合いしているなんて信じられない」
「いえ、そんな」
お世辞だろうが恥ずかしくなった俺は小さく手を振った。
「でも、貴方もアルファなんだろ?」
お義父さんの言葉からは俺を歓迎している雰囲気はなかった。
「はい。私はアルファですが」
困惑しながらも答えると、大賀がはっと笑う。
「だから何?バース性がどうだとか関係ないだろ」
「関係ないとは思わんがな」
お義父さんは渋い顔をしている。
何となくその場に重苦しい雰囲気が流れた。
突然お義母さんがぱんと手を叩く。
「成澤さん。お昼、お寿司の出前にしたんだけどよかったかしら?洋食の方がお好きなら、他の物にするけど」
「お気遣いいただいてありがとうございます。私はこんな見た目ですが、純粋な日本人なので、お寿司は大好物です」
「なら、良かったわ」
お義母さんの言葉に俺もようやくぎこちないながら笑みを浮かべることができた。
その時視線を感じ、振り返ると先ほどの女の子がこちらをじっと見ていた。
「こら、茜。ちゃんと挨拶なさい」
お義母さんの言葉に茜はびくりと肩を揺らすと、こちらに歩いてきた。
こちらも全く大賀には似ていない小柄な男性だった。
大賀の両親と大賀の共通点は髪と瞳が黒いことくらいだ。
大賀のお義父さんも俺を見て驚いた表情を浮かべた。
初対面でこんな風に見られるのには慣れているから、俺は黙って頭を下げた。
「成澤唯希と申します、本日は突然お邪魔して申し訳ございません。これ良かったら召し上がってください」
持参したケーキやクッキーを渡すと、お義母さんの顔が輝いた。
「まあ、美味しそう。あとでお茶と一緒にだすわね」
「お口にあうといいのですが」
はにかんで目を合わせると、お義母さんの頬が赤く染まった。
「成澤さんってちょっとびっくりするくらい綺麗な方ねえ。剛士がこんな綺麗な方とお付き合いしているなんて信じられない」
「いえ、そんな」
お世辞だろうが恥ずかしくなった俺は小さく手を振った。
「でも、貴方もアルファなんだろ?」
お義父さんの言葉からは俺を歓迎している雰囲気はなかった。
「はい。私はアルファですが」
困惑しながらも答えると、大賀がはっと笑う。
「だから何?バース性がどうだとか関係ないだろ」
「関係ないとは思わんがな」
お義父さんは渋い顔をしている。
何となくその場に重苦しい雰囲気が流れた。
突然お義母さんがぱんと手を叩く。
「成澤さん。お昼、お寿司の出前にしたんだけどよかったかしら?洋食の方がお好きなら、他の物にするけど」
「お気遣いいただいてありがとうございます。私はこんな見た目ですが、純粋な日本人なので、お寿司は大好物です」
「なら、良かったわ」
お義母さんの言葉に俺もようやくぎこちないながら笑みを浮かべることができた。
その時視線を感じ、振り返ると先ほどの女の子がこちらをじっと見ていた。
「こら、茜。ちゃんと挨拶なさい」
お義母さんの言葉に茜はびくりと肩を揺らすと、こちらに歩いてきた。
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