変装令嬢は偽りの愛に溺れる

零落した伯爵家を守るため、キャロラインは変装して身分だけでなく年齢や姿を偽り、侯爵家のハウスメイドになることに。当主のカーティスはその厳めしい姿と同様に粗野な性格だという噂が絶えなかったが、どこよりも高いお給金が魅力だった。順調に働いていたあるとき、弟のウォルターに目をつけられてしまう。助けてくれたのが、カーティスだった。それがきっかけで、キャロラインはカーティス付きのメイドになることに。実はカーティスは真面目一辺倒な男だった。世間の噂も弟を庇ってのことだったらしい。本当のカーティスを知るにつれて、キャロラインは彼に惹かれていく自分に気づく。しかしカーティスと侯爵令嬢デライラの縁談がまとまろうとしていた。女王陛下の姪に当たるデライラの伴侶として、カーティスが抜擢されていたのだ。たとえ本当の自分に戻っても持参金のひとつも用意できない自分ではカーティスに相応しくないと、キャロラインは芽生えた恋心を閉ざそうとする。そんなキャロラインの変化に、カーティスも自分は彼女が好きなのだと自覚していく。告白し合ったふたりは、身体も繋げてしまい……カーティスは使用人でも構わない、爵位を捨ててでも一緒になりたいと言ってくれる。真実を告げたいキャロラインだったが、彼が嘘吐きがいちばん嫌いだと言っていたから白状できなくて――?
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