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第二章 異世界交流と地球人たちと邪神討伐

#39 ハクと新兵器と黒竜

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そのドラゴンは白い鱗で覆われていた。
赤く輝く目に大きな2本の角、鋭そうな牙に爪。
今までに見たドラゴンとは違い、馬の様なたてがみと、髭も生えている。
翼からは今まで飛んでいたからか魔力が輝いて舞っている。
慧眼鏡で見ると古竜(白)と出ている、今までのドラゴンとは違うな。
そしてその後ろには数十の色とりどりなドラゴンたちががこちらを遠目に見ている。

「タッチャン?」
「何でしょう?テルミーナさん」
「このドラゴン古竜だよ、別名エンシェントドラゴン、相当手強いよ」
「・・・でも話通じそうだよね、駄目なら逃げよっか?」

《小さき者たちよ、此処に何用か?》

「喋った!やっと喋るドラゴンが出てきたぞ、えっと俺らの用件だっけ?ドラゴンたちがドワーフ王国への道を塞いでいるって聞いたからドラゴン退治に来たんだけど、ドラゴン居ないからどうなってるのか聞きに来たんだよ」

《そういうことか、まず我らの同胞は自分から人は襲わない、数千年前からそれは守っている、人から挑まれれば話は別だが》

「ん?そうなのか?確か人の被害が出てるって聞いたんだけど」

《それは恐らく別の群れがやったのだろう、数百年前から人里近くに住み着いた者共が居るはずだ》

「別の群れがいるのか、それは退治してもいいのか?」

《構わぬ、何なら居場所も教えよう》

「・・・ありがたいんだけど、何故そこまでしてくれるんだ?」

《・・・大昔の話だが私には人族の友人がいたのだ、共に旅をし人族にも色々いる事は知っている、そしてその強さもな》

「そうなのか、あんたも相当強そうだけどな?」

《わざわざ危険を犯して人を喰らう必要はあるまい、何より友との約束だからな》

「友達との約束か、あんたいい奴だしその友達もいい奴だな・・・お礼に何か欲しいものあるか?」

《欲しいものか・・・珍しい食べ物や飲み物などあれば欲しいが》

「珍しいものか・・・」

《この地より出ることも無いので些か獲物が単調でな》

この辺に居ない魔物か食べ物か・・・果物とか食べるかな?後は海鮮系かな?

そう思いマジックバッグから魚介類、蟹、後は料理用に買っておいた酒に果物を大量に出す。
俺はまた仕入れればいいし、仲間もかなりいるから全て出した。

「これぐらいあれば足りるか?」

《・・・十分だ!旅をしていた頃を思い出したぞ、少し待ってくれ》

そういうと白いドラゴンが光り出し、その光が縮んでいく。
光が治まると白い小型犬サイズのドラゴンがパタパタ飛んでいた。
そして後ろのドラゴンたちの所へ飛んでいき、数分してからこちらに戻ってきた。

《待たせたな、それでは案内しよう》

「竜って縮むのかよ!つーか着いてくんの?」

《竜族固有の魔法があるのだ、それにあれは貰いすぎだからな、私もドラゴン退治を手伝おうと思う》

「まさかの手伝いまで!同じドラゴンだろ、いいのか?」

《人も同族同士で戦うだろう、珍しい事でも無いと思うが》

「言われてみればそうだな、じゃあ頼むわ、俺はタツキだ」
「私はテルミーナ、宜しくね」

《友人にはハクと呼ばれていた、そう呼んでくれ、それはそうとテルミーナと言ったか?まさか『蒼炎の魔導神テルミーナ』なのか?》

「テル????」
「多分それ私・・・改めて聴くと凄い恥ずかしい」
「テルミーナさん、そんな二つ名をお持ちでしたか」
「止めてタッチャン引かないで!ずっと昔の話だし、そもそも何でドラゴンが知ってるのよ!」

《邪神討伐の際に聞いたのだ、私も友人の騎竜として参戦したからな、確かハイ・エルフでありながら炎の魔術に長け、更には放つ火炎魔法があまりの高温で青く見える事からその名がついたと聞いたな》

「・・・そう言えばテルの火魔法って青い色してたな」
「そんなこと言ったらタッチャンだって、最後は青い炎になってたじゃない!」
「だってテルが教えてくれたんじゃん、それはしょうがないだろ」
「ん~~、もうこの話は終わり!今の私はただのテルミーナ!そしてタッチャンのお嫁さん!わかったハク?」

《分かった、もう言わない》

「よし、じゃあ行くぞ、エンシェントドラゴン、ハク!そして蒼炎の魔導神テルミーナ!」
「タッチャンお願いだから止めて!」

《・・・・・》

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

来た道を浮遊バイクで戻り遠目に目的地が見えてきた。
最初に気配を感じた鉱山跡地のような場所だ。

「ここにいるのか?昨日も来たけど誰も出てこなかったぞ」

《恐らくお主らの魔力を感知して引っ込んでいたのでは無いか?奴らは中々ずる賢いからな》

「そうなのか、じゃあテルもちょっと魔力隠してくれ、それでもう一度行ってみよう」
「うん、分かった」

魔力を抑えて、歩いて鉱山跡地に行くと、ぞろぞろとドラゴンやワイバーン、地竜などが現れた。
純粋なドラゴン10匹、ワイバーンと地竜が20匹ずつ位だな。
それ以外にも竜種ではない魔物も無数にいる。
ちなみにハクは俺の背中に隠している。

「こいつらが悪さするドラゴンたちか?」

《そうだ、しかし群れのボスがいたはずなのだがどうしたのだろう?》

話しているうちに奴等が、こちらに向かって攻撃してきた。

「テルは飛んでる奴等を頼むわ、俺は新武器試すわ!それとなるべく素材は痛めないように出来るか?」
「任せといて!」

《私も手伝おうか?》

「一応訓練も兼ねてるから危なくなったらで頼むわ」

《分かった、下がっていよう》

テルの方を見ると、既に全周囲型の防御結界を展開して、上空の敵に向けて大きな魔方陣を複数出して攻撃し始めている。

・・・久々にテルが戦う姿見たけどやっぱり凄いな(汗)
こっちもやるか!

「『どらぐのふ』出ろ!」

俺が取り出したのはライフルのような形をした大砲っぽいものだ。
砲身の長さは80cmだが、内部は空間魔法で5倍に延長してある。
そして爆発させる薬室も、砲身側面に複数ありさらに弾速を上げた。
俗に言う『多薬室砲』にしてある。
その為、強度の問題で砲身だけで直径5cm、口径は3cm、銃弾も普通の物では大気との摩擦熱でやられるので、特殊な合金を使っている。
総弾数は20発、弾がデカイのでマガジンも空間拡張した結果だ。
見た目は砲身のかなり太いライフルのようにしたので、こんな名前にしてみた。

さて初実験だ、念のため身体強化魔法を使い膝立ちの体勢だ。
左手で下から支えて、狙いを付け、引き金を引く!

『ズドンッ!!』『パンッ!』

「うぉっ!」

狙いを付けた地竜に風穴が空いた・・・。
つーか口径よりもデカイ穴が空いてるな、衝撃波とかか?
そして反動が凄いな、俺の体が少しずり下がった(汗)
次はドラゴンだな。

『ズドンッ!』『パンッ!』

・・・十分だな(汗)
成竜(紫)にも同じように風穴が空いた。
これ以上は素材が勿体ない。

次は普通に戦いながら改造した魔銃の実験をしよう。
魔銃も砲身の延長と多薬室砲へ変えてある。
『どらぐのふ』とは違い、口径は変えてないし、サイズもそのままだ。
威力はこれから試すとしようか!

「『あーる』『桜』出ろ!俺はこのまま突っ込む、テル宜しく!」
「うん、巻き込まないようにするね」

魔銃の射程に入った成竜にまずは撃ち込む。

『ドガンッ!ドガンッ!ドガンッ!』
『グギャァァァァァ、ドォォォン!』

「おぉ、貫通した!流石に頭は即死か、後は普通に戦うか」

「二連閃!」

『ドガンッ!スパン!ズパン、ズパン!ドガンドガン!』

・・・・・・・・・数分後、

『ズパン!チンッ』

最後の地竜に止めを刺して桜をしまう。

途中俺の威圧で逃げ出した奴もかなりいたが、後でハクが何とかするらしい。
つーか逃げ出す奴を後ろから撃つのは何か嫌だしな。
それにこれだけやれば人間を警戒するようになるだろう。

「こんなもんか、テル終わったか?」
「こっちはとっくに終わってるよ!」
「流石だなぁ!そう言えばハクがボスが見当たらないって言ってたよな」

《・・・今の世にはそんな武器がはびこってるのか?》

「それは無いよ、これは俺のオリジナル、むしろ世の中の武器は昔よりも退化してるんじゃないか?」

《そうなのか?》

「あぁ、それより群れのボスはどんな奴なんだ?」

《あぁ奴は黒竜だ、この中には居ないな》

「多分そっちの坑道の先にいると思うよ、大きな反応がかなり奥にあるから」
「そんじゃあ行くか」

素材を回収し坑道へと向かう。

坑道自体はそこかしこに巨大な爪痕が残りかなり広かった。
人用の罠などは無いだろうが、崩落しそうな場所もあるため、魔法で補強しながら慎重に進む。

そして最奥に着くと巨大な黒竜が待ち構えていた。
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