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13、sideアイシャざまぁ5
しおりを挟むアイシャ視点
話は少し遡る
(ふ、ふん、私の優秀さをアイツらは忘れているんだ、好成績をおさめれば手のひら返しをするさ……)
「ではアイシャさん、この魔法の詠唱は何と言いますか?」
「はい、ー原初の火よ、我此処にーーー………あ、あれ、我ここに……」
……魔法学院グランフィリア、その中でも優秀なものが集められるSクラス、そこで勉強しているアイシャは不意に詠唱学のグレゴリー先生に当てられる………席を立ち、いつもの感覚で、得意げに答えようとするが、詠唱を完璧に答えられない、自分自身いつも通り答えられないのか分からない彼女………その理由はもちろんイツキの式神の強化が入っていないからだ、記憶力もイツキの式神によって強化されていたので、容量が減ってしまったので自然忘れてしまう彼女。
「おや………アイシャさんが答えられないとは珍しいですね………まぁ良いです、では次の人……」
「私、わかります!!!答えられます先生!!」
「?………別に分からない事は恥ではないわアイシャさん、そこまで気にしなくてもよろしいですよ」
「い、いえ!!、そんな事はありません!!!、わかります!!」
詠唱が出来ず、返答に詰まっているアイシャを見て、グレゴリー先生は意外そうな顔をして、すぐ次の人に回答権を移そうとするが、アイシャは答えられると大声を張るが、どう見ても答えられない様子なのに嘘をつく彼女に疑問符を浮かべるグレゴリー先生。
「そうですか、あくまでわかると言い張るつもりですか………………では十秒以内に答えてください」
「え~ー、えっと、えっと………」
「時間切れ、業火の槍の正しい詠唱はーー原初の火よ、我此処に望むは業火の槍、です、みなさん、ちゃんと暗記しておきましょう…………アイシャさん、分からない時は分からないと言う素直さは時に成否以上の価値を持つ、遠い国には良い諺があります、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥……とね、肝に命じておきなさい」
「ーーーッッッッ………すみませんでした」
(………クソ、偉そうに説教しやがって………今日はちょっと調子が悪いってだけなのに!!!クソババァが!!)
執拗に意地を張る彼女に焦れたグレゴリー先生は十秒以内に答えろと告げる、しかし、さっき答えられなかったのに、今答えられるわけがなく、十秒は一瞬で過ぎてしまう、グレゴリー先生は生徒達にちゃんと聞こえるよう丁寧に詠唱を発音する、その後、出来ない事をできると言い張ったアイシャに注意を促す………口では謝りながらも、心の中では口汚く罵倒するアイシャ。
ーーーーーー
「ほら、誰か相手してくれない ?」
「お、お前行けよ」
「や、やだよ」
剣の模擬戦演習、誰もがアイシャを避ける、それはそうだ、彼女の剣を恐れぬものなどこのクラスに誰一人としていない、Sクラスの生徒達ですら彼女には敵わない…………もちろんイツキのサポートがあっての話だが。
「ちょーーー、押さないでよ!!!」
「……貴方が私の獲物ね?」
「ーーーヒッッ」
(ああ~授業で雑魚を蹴散らすのは私の成績は上がるし……さっき座学で何故か問題が解けなかったストレスを発散できるし、一石二鳥だわ~)
「ーーー死ねッッッ!!」
「うわッッッ!!??」
男子生徒に斬りかかるアイシャ、一応演習場には結界が張ってあるので死ぬような怪我を負ったとしても大丈夫、思いっきり振った剣を男子生徒は何とか避ける。
「よく避けたわね…次はないわッッッ」
「わ、わわッッッ??!!」
斬撃を撒き散らすアイシャ、しかし当たらない、間一髪のところで避け続ける男子生徒。
(………な、何で当たらないの……いつもだったらもう二、三回は首を落としてるのに……)
(あ、あれ……彼女の剣、意外と大したことなくないか?)
「ど、どうせやられるならーーヤッッ!!!」
(……ふん……アンタみたいな三流の剣なんか当たるわけーーーーッッッ??!!)
「ーーーガハッッッ??!!」
「あ、あれ……当たっちゃった………」
(な、何で、何で躱せないの?、いつもだったら目を瞑ってても当たらないのに)
「わ、私に傷をつけてタダで済むと…」
「うりゃッッーー!!」
「ーーーグフッッッ??!!」
男子生徒はここぞとばかりにアイシャに攻撃する、躱そうとするも当たってしまう彼女、一応木剣だが当たれば相応に痛い。
「ど、どういうことだよ……」
「きょ、今日のアイシャ変じゃないか?」
「あ、ああ……詠唱学でもいつもならどんな問題が出てもすまし顔で答えるのによ……」
ボコボコにされていくアイシャに唖然とする周りの生徒。
「くっそ!!!、何で私があんな雑魚にやられなきゃいけないのよ!!!!おかしいわ!!!!!」
(………そういえば家から追い出したあの女が私の力はあの女がサポートしてたからとか言ってたけど………ーーいや!!、デタラメに決まってる!!、私は天才!!、優秀なんだから!!!)
部屋に帰った後、散々喚き立てるアイシャ。
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