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幼き日の誓い

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 二人が出会ったのは、辺境地から二つ離れた町、ウィンダリア

 その名の通りウィンダリアの木が生息している町

 その町の小高い丘に大きなウィンダリアの木があった。

 そこに視察に来ていたウィリアムは木の上から町を眺めていた。

 そこへ小さな女の子が大きな籠を持ってやって来た。

 「おい、何してるんだ」

 「えっ、どこ、どこにいるの?」

 「上だよ」

 幼いレイティアは上を見て驚いた。

 自分より少し年上の男の子が大きな木に登っている。

 「危ないから、落ちちゃうよ」

 「平気だ」

 そう言いながら降りてくる

 地上まで後少しと言うところで滑り落ちた。

 慌ててレイティアが駆け寄ろうとしたが持っていた籠に躓いてウィリアムに覆い被さる様に倒れ込んだ。

 むちゅっ

 なんだか生暖かい感触がしたと思ったら、ウィリアムが真っ赤な顔をしていた。

 「君の唇が当たった」

 そう言われてレイティアも真っ赤になる。

 二人で赤いトマトの様になりながら笑いあった。

 「なあ、君の名前は」

 「私はレイティアよ。あなたは」

 「ぼくはウィリアム」

 「ねえ、この木の下で口付けをしたら結婚しないといけないのよ。知ってる」

 「ああ、約束の木だ。知ってるよ」

 「じゃあ、大きくなったらお嫁さんにしてくれる」

 「いいよ。君は可愛いからね。約束だ」

 「約束よ」

 二人は手を取り合って幼い約束を交わした。

 その後、ウィリアムはレイティアが辺境伯爵家の令嬢だと知り、彼女を妻に望んだが、国王からオフィーリアとの婚約を言い渡された。

 しかも、レイティアにはマテウスを婚約者に宛がった。

 それからウィリアムはこの婚約を解消する為に計画を練った。

 全てはレイティアと結ばれる為とこの国の行く末の為の行動

 レイティアも婚約者であるマテウスがオフィーリアと浮気している事を黙認していた。

 二人が親しくなるようセッティングもして

 この破局は、ウィリアムとレイティアが仕組んだ事だが、オフィーリアとマテウス達は知らない

 今から始まる地獄の報復を


 「さて、レイティア。私達の城に行こうか」

 「もう、仕方ないですね」

 レイティアの額や頬に口付けを落としながら、お姫様抱っこで馬車に乗り、ウィンダリアに向かった。

 



 

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