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が、カテリィナは顔へとすぐに笑顔を貼り付けてザウダへ向き直ります。
そしてよく聞こえるように……何かを、誰かへと言い聞かせるように繰り返しました。

「はぁい。正真正銘、誓ってザウダ様のお子様ですよぉ」

(…………私に言っているのかしら?それとも……)

「そ……そうか」

ザウダは何かを噛み締めるように何度か大きくウンウンと頷いています。そして、何かを考え込むようにまた黙ってしまいました。

「ああ本当に、めでたいことね。首都にいるお父様にも早く伝えなくてはいけないわ!」

「わぁ、光栄ですぅ。お義父様も、さぞかしお世継ぎの誕生を心待ちにしていたでしょうからぁ」

婚姻を結んでから数か月での懐妊です。おそらく、発覚したのもここ数日のことなのでしょう。
まだまだ目立つとは言えない腹部を撫でながら、カテリィナは顔に笑みを張り付けていました。

話を聞いているだけなら、ただめでたいとしか考えられないようなことなのですが……

(何だか、腑に落ちない言動が多いような……)

そうこうしている内に、食後のお茶が準備され始めました。
テーブルの上のティーカップに、使用人たちが薫り高い紅茶を注いでいきます。

……ただし、ルナリーの前のティーカップへは、この屋敷の格からして、幾分かお粗末なお茶が用意されていました。

おそらく、いつものように姑が指示をしているのですが……

(だけど今日は、そんなことはどうでもいいわ)

考えを巡らせようとしたルナリーですが、それより先に動いた人間がいました。

ザウダが、急に、思い立ったように立ち上がったのです。
そして何故か、懐妊の報告をしたカテリィナではなく……ビシッとルナリーを指さしました。

「つ、つまり!い、い、今まで僕達に子供が出来なかったのは……ルナリー!やっぱり君のせいだったんだ!」
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