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ただ、こちらとしては結果として結婚早々の妊娠が発覚したということ。
その点では、侯爵夫人の見立ては正しかった、ということにもなります。
けれど、第二夫人の懐妊はめでたいことではありますが、未だ無事な出産が叶ったわけでもないのです。
もちろん侯爵家をあげて手厚いバックアップをする心積もりの侯爵でしたが……
(第一夫人に子が出来るまでもう少し様子を見てもいいのではないか……)
周囲を振り返ることをしてみても、一年と少しで見限るというのはやや時期尚早と言えないこともない、と。
侯爵としてはそのような考えを持っていました。
侯爵は、義娘となった第一夫人の印象を思い出そうとしましたが……
ほとんど顔を合わせていないこともあり、ぼんやりとした印象しか浮かばないでいました。
それなりに見た目はよく、金払いのいい生家から来た……言ってみれば、それぐらいの事です。
子爵家が擁する事業の業績が悪化したとあっては、特段強く引き留めることをするべきでもないけれど、だからと言って今すぐに手放してしまうことも何処となく惜しいような感触を得ていました。
(しかし、子爵家がこのまま没落するようであれば抱えておくのは確かにリスクも大きいか……)
そう考えてみると、やはり今回も侯爵夫人の見立てが正しいようにも思われてきます。
「……返事を書く。それから、先のスケジュールの確認を……」
「かしこまりました」
ちょうど紅茶を用意し終えた使用人に、次には手紙の準備をさせて……
(これは近いうちに侯爵家へ一度戻ることも考えねば……)
その点では、侯爵夫人の見立ては正しかった、ということにもなります。
けれど、第二夫人の懐妊はめでたいことではありますが、未だ無事な出産が叶ったわけでもないのです。
もちろん侯爵家をあげて手厚いバックアップをする心積もりの侯爵でしたが……
(第一夫人に子が出来るまでもう少し様子を見てもいいのではないか……)
周囲を振り返ることをしてみても、一年と少しで見限るというのはやや時期尚早と言えないこともない、と。
侯爵としてはそのような考えを持っていました。
侯爵は、義娘となった第一夫人の印象を思い出そうとしましたが……
ほとんど顔を合わせていないこともあり、ぼんやりとした印象しか浮かばないでいました。
それなりに見た目はよく、金払いのいい生家から来た……言ってみれば、それぐらいの事です。
子爵家が擁する事業の業績が悪化したとあっては、特段強く引き留めることをするべきでもないけれど、だからと言って今すぐに手放してしまうことも何処となく惜しいような感触を得ていました。
(しかし、子爵家がこのまま没落するようであれば抱えておくのは確かにリスクも大きいか……)
そう考えてみると、やはり今回も侯爵夫人の見立てが正しいようにも思われてきます。
「……返事を書く。それから、先のスケジュールの確認を……」
「かしこまりました」
ちょうど紅茶を用意し終えた使用人に、次には手紙の準備をさせて……
(これは近いうちに侯爵家へ一度戻ることも考えねば……)
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