此れ以上、甘やかさないで!

abang

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初めての合コン?2

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そのまま天音の手を引いて、エレベーターに乗ると一番上の階のボタンを押した。


ーーチン

そこは一つしか入り口しかないフロアで、愛慈がカードキーを差しこんで顔認証するとロックが解けてそのまま手を引かれ部屋に入る。



ーースタスタスタスタ


「ちょっと、ここ何?愛慈、いい加減にっ…!」


服のままガラス張りの大きなバスルームに服を着たまま入れられそのままシャワーの水が降ってきた。



「やっ、何するのよ!愛慈、やめて!」


「あんなに触らせて、キレイにしないと。」


「なんで、愛慈には関係なっ…あ!!」



愛慈が首元に顔を埋めたのがくすぐったくて甘い声がでる。


愛慈は子供の頃から世話係なので、昔はお風呂も一緒に入っていたし今日は服を着ているがそれでもなんだか今日は違った感じがした。


恥ずかしそうに、ギュッと目をつぶって耐える天音の鎖骨の辺りまで唇を滑らせ、胸元まで来るかと天音が身体を緊張させると…


ピタリとシャワーも愛慈も止まってその張りついたシャツを鬱陶しそうに脱ぎながら、髪をかきあげて天音に背を向けたままバスルームから出ながら言った。



「ゆっくり酔いを覚ましてから出てきて下さい。自分で洗えますね?」


「へっ?」


「それとも俺が洗いますか?」



改めて彼女の下着を見ると下着のラインが見えないようにと、愛慈の趣味で(お嬢はしらないけど)Tバックなので下着こそうつってはいないが、張り付いて身体のラインが出ているのを見て顔を真っ赤にして怒る。



「じ、自分で入る!!!愛慈のばか!!!」



振り向く事なく、出て行く愛慈を真っ赤な顔で睨みつける視線を感じながら、チラリと自身を見下ろし、自分の理性が勝てた事にホッとしていた。



(あー危ねぇ…はさすがにバレるって…)




その後、心を落ち着かせてから、きちんと自分でお風呂に入り直して置いてあったバスタオルを巻いて洗面室へ出ると、いつものように、下着と着替えが用意してあった。


洗面所にはいつも使ってるブランドのスキンケア用品が用意されており、不思議に思いながらも、ドアを開けると愛慈がちょうど別の部屋から顔を覗かせた。


「お嬢、早かったですね。風邪引くので髪を乾かしましょう。」


「あの…ここは?」


「ああ。俺の家です。」


「なんだ、良かった。」



(んー思ってた反応とは、違うけどいっか。)


手招きすると、当たり前のように愛慈の脚の間に座って、髪を乾かしてもらう天音に、愛慈は安心した。



ーーほら、大丈夫。

俺のお嬢だ。絶対に俺から離れられない。

少しカッとなったがきっと明日からは元通り。


お嬢をドロドロに甘やかして、俺が居ないと生きてけなくしてやる。


絶対に、俺から離れられないように。


ウトウトと眠たそうにする天音のうなじにそっとキスをして、満足そうに愛慈は笑ったが、その余裕はずっとは続かなかった。






が、愛慈、愛慈と寝言を言いながら眠る天音に幸せを感じなが、我慢で眠れない夜を過ごしたのだった。



「ん…あいじ…。」

「可愛いお嬢」チュ




「あーこれ日付け変わっても帰れねーわ。」



くそ、我慢できなくなりそう。こっちの気持ちなんぞ知らずに気持ちよさそうにしがみついて寝てくれちゃって、、



なんもできねーのに、一丁前に大人になってんだよなぁ、




朝まで耐えてくれ、頼む俺。



我慢の代わりに愛慈から降り注がれるキスの嵐に気づくことなく天音は熟睡していて朝まで起きることは無かった。




(まだ、もうちょっと。お嬢の気持ちが育つまで…我慢)













キャーーーーーーーー!!!!!!


「お嬢!?どうした…………え"!」


いつの間にか、そのまま抱きしめて眠ってしまったようで、お嬢の叫び声で目が覚めた愛慈は事態を見て、顔を真っ青にした。


(嘘だろ。いつも起こしてもなかなか起きねーのに…)


珍しく先に起きた天音は、パンツだけで天音を抱きしめて眠る愛慈に驚いて、離れると、大きく主張した愛慈のソレが目に入り思わず叫んでしまったようだった。


「あっあい…あぃ、あいじ、ソレっ…なんでっ…」



(やっべー、かなり怖がらせてんじゃねーのこれ)

「っ!朝の生理現象、みんなこうなるの!勘違いしないで下さいねお嬢、変なこと考えてなんて…」


「へ、えっ、ソレって変な事考えたらそうなるの?」

真っ赤な顔で驚いたように目を大きくした天音を見てしまったと愛慈は手で目元を隠してため息をついた。


「お嬢、じゃあなんでそんなビビってるんですか?」

「なんか、分かんないけどソコって男性の大切な部分でしょう?パンツ一枚だし、おっきくなってて怖くって…っ」

早くしまってよっ と顔を両手で隠したお嬢に急いで昨日脱ぎ捨てたズボンを履いて、宥めるのに少し手こずったのだった。


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