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第13章 懐かしい旅路
第10話 何がテヘペロだぁ
第10話 何がテヘペロだぁ
メイは真剣な表情で構えと、小石を的に向かって投げた。小石は的の真ん中に当たった。メイはすでに横に走り出し、走りながら的に小石を投げる。そして飛び上がると一回転して着地すると小石を投げた。小石は的の真ん中から少し外れて当たった。
「へへっ、外しちゃった」
メイはエアル達のそばに戻ってきた。本人は失敗したと照れくさそうに言ったが、集まった村人たちは拍手を送っていた。
「その歳であれほどできれば素晴らしいのじゃ!」
「そうね、私もそう思うわ!」
エアルと土地神様はメイのことを褒めた。メイは頬を赤くしながら笑顔を見せエアルに尋ねた。
「エアルちゃんもできる?」
「投擲はダメじゃな。魔術なら得意なんじゃが……」
エアルは申し訳なさそうに答えた。しかし、メイは魔術と聞いて目を輝かせる。
「魔術なの! メイは魔術を見たことがないの!」
「ふむ、それでは少しだけ見せようかのぉ」
エアルはそう話すと的の前に移動する。集まった村人たちは何が始めるのか注目していた。
エアルは火と水のボール系の初級魔法を、五個ずつ展開すると交互に的に向かって放った。ファイアボールとウォーターボールが交互に的の真ん中に当たった。
メイの時のような拍手はなく、練習場はシンと静まり返った。
エアルは初級魔法ぐらいではさすがに驚かなかったのかと思い、照れくさそうに微笑んだ。
「「「おおおお!」」」
遅れて練習場は歓声に包まれた。それなりに魔法が使える魔術師は貴族のお抱えや国に召し抱えられるのである。開拓村などの辺境の村で魔術師などいないし、来ないのである
村人のほとんどは実際に魔法を見るのは初めてで、それを連続で放ったエアルに驚きすぎて反応が遅れていたのであった。
「エアルちゃん、すごいのぉ~!」
メイは尊敬するような眼差しでエアルを見て褒めた。
「うむ、こ、これでも的を壊さないように手加減したのじゃがな……」
エアルは顔を真っ赤にして答えた。
「もっと、もっと見てみたいのぉ~!」
メイはエアルに抱き着いておねだりをした。村人たちも期待したような雰囲気で、メイ達のやり取りに注目していた。
「う~ん、それなら伝説の秘技を見せようかのぉ」
エアルは仕方ないといった感じで話したが、顔は得意満面であった。
そして勇者物語で英雄エクスが使ったとされるマッスル弾を披露しようと考えたのである。
「伝説の秘技! すごいのぉ~!」
エアルの話にメイは大きな声で喜んだ。それを聞いていた村人たちも騒がすぎないように、息を飲んで喜んでいた。
エアルは内心では舞い上がっていた。最近は誰も自分のことを褒めてくれないので、エアルは嬉しくて仕方がなかったのだ。
エアルは胸を張って的の前に歩み出ると、練習場はエアルに注目して静かになる。
エアルは大きく息を吸って気合を入れる。そして大きな声を出して秘技を繰り出した。
「マッスルゥーーー、ヒャッ!」
ドゴォーーーン!
気合を入れすぎて掛け声を噛んでしまったが、マッスル弾は無事に繰り出された。
ただ気合が入り過ぎて魔力を込めすぎ、投擲の的は吹き飛び、村の囲いも突き破ってマッスル弾は森まで破壊したのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
光の魔道具の設置やトイレに魔道具の設置を終え、最後に台所にも魔道具を設置して、女性達に魔道具の使い方を説明していた。
「こんな感じで使えるはずだよ。分からないことがあれば俺のいる間に聞いてください!」
台所はランガが面倒を見ている冒険者の家族も共同で使っているようだ。みんな嬉しそうに魔道具を見つめていた。
俺はワイワイと女性たちが魔道具を試して嬉しそうにしてくれるので、笑顔でその様子を眺めていた。すると地響きのような振動と共に、爆発音のようなものが聞こえてきた。
「「「キャアー!」」」
女性達が悲鳴を上げた。
俺は嫌な予感がして、すぐに台所を出て外へ向かった。家の外に出るとフライで飛び上がり、上空から村の中を確認する。
「あそこは投擲の練習場か!」
投擲の練習場には村人が集まっていた。そこから森の中まで破壊されたような跡に気付いた。
俺は急いで練習場まで飛んで、メイやエアルを見つけると近くに飛び降りた。
「みんな無事か!」
俺が声をかけるとエアルがバツの悪そうな表情を見せていた。メイは驚いていたようだが、俺が声をかけると嬉しそうに抱きついてきた。
「エアルちゃんすごいのぉ~!」
メイを抱き止めながら、俺は何が起きたのか何となく気付いた。
「エアル、何をしたのかなぁ~?」
「テ、テンマ、ち、違うのじゃ!」
エアルに尋ねると、エアルは目を泳がせて言った。
「何が違うのかなぁ~?」
さらに追及するとエアルは困った顔をしたが、すぐに開き直って答えた。
「やっちゃった! テヘペロッ」
何がテヘペロだぁーーー!
殴りたい衝動に駆られるが、見た目可愛らしい幼女のエアルを殴ることもできず、グッと我慢する。
「何事だぁーーー!」
あっ、ランガの声だ!
ランガの声に気付いて振り返ると、必死の表情でこっちに走ってくるランガがいた。後ろからは十人ほどの冒険者もついてきていた。
声をかけようとしたら、ランガが叫んだ。
「この悪党! メイを放せぇーーー!」
いやいや、俺のことを忘れたのかよ!
驚いたが、ランガは身体強化も使って走っていたので感心した。
ランガは勢いのまま俺の顔に向けて槍を突き出した。
おいおい、近づいても気付いていないのかよぉ~。
俺は軽く避けて、槍を掴むとランガごと放り投げた。
「「「うおおおお!」」」
ランガと一緒に走ってきた冒険者達が一斉に俺に襲い掛かってきた。
ドコッ、バキッ!
俺は次々に蹴りやパンチを腹に入れて冒険者達を倒す。
最後に残ったのは一人だけだった。
「あっ、テンマ君!」
遅れてズラタンが走ってきた。すぐに俺に気付いて声をかけてきた。倒さないで残っていた冒険者はジートだった。彼も俺に気付いて襲ってこなかったので倒さなかったのだ。
「よ、よお、テンマ、久しぶり!」
ジートは倒されて呻いている冒険者達に目を向けながら挨拶をしてきた。
「うん、久しぶりだね」
「お兄ちゃんはやっぱり強いのぉ~!」
ジートに挨拶すると、抱きかかえたままであったメイが嬉しそうに声を上げた。
「テ、テンマ、どういうことか説明してもらおうか!」
ランガが槍を杖代わりにして立ち上がって、怒りの籠った声で尋ねてきた。
そんなの俺も知らんがなぁ~!
◇ ◇ ◇ ◇
俺はエアルの破壊した村の囲いを石造りの壁にして修復をする。投擲の的も石で造ると硬化や自動修復を付与して造り直していた。
ランガ達は村の近くまで戻ってきたところで、爆発音を聞いて慌てて村に戻ってきたらしい。
エアルはメイと一緒に少し離れた所で村人たちに囲まれている。シルにまたがったエアルに村人たちは拝む人まで出始めていた。
「これをやったのは伝説の英雄エクス様の娘という、あの子だと言うんだな?」
ランガが修復を続ける俺に尋ねてきた。
「そうだよ!」
まあ、簡単に信じられないと思うけどね。
しかし、ランガは納得したような顔をしていた。村人がエアルを尊敬するような雰囲気で囲んでいるから信じたのだろう。
「それで、あのふよふよと浮かんでいるのは、あれは……?」
「うん、土地神様だよ!」
ランガも気付いているようだから、ハッキリと断言してあげた。
「「「おおっ!」」」
一緒にいる冒険者達も土地神様と聞いて喜びの声を上げた。
「ふぅ~、久しぶりに顔を出したというのに、お前は本当に非常識だなぁ……」
ちょっと待てぇー! 俺は何もしていないだろうがぁ!
ランガの発言は納得できないが、気持ちは分かる気がするぅ~。
それに勢いのまま襲い掛かってきたランガは、昔とあまり変わっていないと思って、内心では嬉しかったのである。
メイは真剣な表情で構えと、小石を的に向かって投げた。小石は的の真ん中に当たった。メイはすでに横に走り出し、走りながら的に小石を投げる。そして飛び上がると一回転して着地すると小石を投げた。小石は的の真ん中から少し外れて当たった。
「へへっ、外しちゃった」
メイはエアル達のそばに戻ってきた。本人は失敗したと照れくさそうに言ったが、集まった村人たちは拍手を送っていた。
「その歳であれほどできれば素晴らしいのじゃ!」
「そうね、私もそう思うわ!」
エアルと土地神様はメイのことを褒めた。メイは頬を赤くしながら笑顔を見せエアルに尋ねた。
「エアルちゃんもできる?」
「投擲はダメじゃな。魔術なら得意なんじゃが……」
エアルは申し訳なさそうに答えた。しかし、メイは魔術と聞いて目を輝かせる。
「魔術なの! メイは魔術を見たことがないの!」
「ふむ、それでは少しだけ見せようかのぉ」
エアルはそう話すと的の前に移動する。集まった村人たちは何が始めるのか注目していた。
エアルは火と水のボール系の初級魔法を、五個ずつ展開すると交互に的に向かって放った。ファイアボールとウォーターボールが交互に的の真ん中に当たった。
メイの時のような拍手はなく、練習場はシンと静まり返った。
エアルは初級魔法ぐらいではさすがに驚かなかったのかと思い、照れくさそうに微笑んだ。
「「「おおおお!」」」
遅れて練習場は歓声に包まれた。それなりに魔法が使える魔術師は貴族のお抱えや国に召し抱えられるのである。開拓村などの辺境の村で魔術師などいないし、来ないのである
村人のほとんどは実際に魔法を見るのは初めてで、それを連続で放ったエアルに驚きすぎて反応が遅れていたのであった。
「エアルちゃん、すごいのぉ~!」
メイは尊敬するような眼差しでエアルを見て褒めた。
「うむ、こ、これでも的を壊さないように手加減したのじゃがな……」
エアルは顔を真っ赤にして答えた。
「もっと、もっと見てみたいのぉ~!」
メイはエアルに抱き着いておねだりをした。村人たちも期待したような雰囲気で、メイ達のやり取りに注目していた。
「う~ん、それなら伝説の秘技を見せようかのぉ」
エアルは仕方ないといった感じで話したが、顔は得意満面であった。
そして勇者物語で英雄エクスが使ったとされるマッスル弾を披露しようと考えたのである。
「伝説の秘技! すごいのぉ~!」
エアルの話にメイは大きな声で喜んだ。それを聞いていた村人たちも騒がすぎないように、息を飲んで喜んでいた。
エアルは内心では舞い上がっていた。最近は誰も自分のことを褒めてくれないので、エアルは嬉しくて仕方がなかったのだ。
エアルは胸を張って的の前に歩み出ると、練習場はエアルに注目して静かになる。
エアルは大きく息を吸って気合を入れる。そして大きな声を出して秘技を繰り出した。
「マッスルゥーーー、ヒャッ!」
ドゴォーーーン!
気合を入れすぎて掛け声を噛んでしまったが、マッスル弾は無事に繰り出された。
ただ気合が入り過ぎて魔力を込めすぎ、投擲の的は吹き飛び、村の囲いも突き破ってマッスル弾は森まで破壊したのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
光の魔道具の設置やトイレに魔道具の設置を終え、最後に台所にも魔道具を設置して、女性達に魔道具の使い方を説明していた。
「こんな感じで使えるはずだよ。分からないことがあれば俺のいる間に聞いてください!」
台所はランガが面倒を見ている冒険者の家族も共同で使っているようだ。みんな嬉しそうに魔道具を見つめていた。
俺はワイワイと女性たちが魔道具を試して嬉しそうにしてくれるので、笑顔でその様子を眺めていた。すると地響きのような振動と共に、爆発音のようなものが聞こえてきた。
「「「キャアー!」」」
女性達が悲鳴を上げた。
俺は嫌な予感がして、すぐに台所を出て外へ向かった。家の外に出るとフライで飛び上がり、上空から村の中を確認する。
「あそこは投擲の練習場か!」
投擲の練習場には村人が集まっていた。そこから森の中まで破壊されたような跡に気付いた。
俺は急いで練習場まで飛んで、メイやエアルを見つけると近くに飛び降りた。
「みんな無事か!」
俺が声をかけるとエアルがバツの悪そうな表情を見せていた。メイは驚いていたようだが、俺が声をかけると嬉しそうに抱きついてきた。
「エアルちゃんすごいのぉ~!」
メイを抱き止めながら、俺は何が起きたのか何となく気付いた。
「エアル、何をしたのかなぁ~?」
「テ、テンマ、ち、違うのじゃ!」
エアルに尋ねると、エアルは目を泳がせて言った。
「何が違うのかなぁ~?」
さらに追及するとエアルは困った顔をしたが、すぐに開き直って答えた。
「やっちゃった! テヘペロッ」
何がテヘペロだぁーーー!
殴りたい衝動に駆られるが、見た目可愛らしい幼女のエアルを殴ることもできず、グッと我慢する。
「何事だぁーーー!」
あっ、ランガの声だ!
ランガの声に気付いて振り返ると、必死の表情でこっちに走ってくるランガがいた。後ろからは十人ほどの冒険者もついてきていた。
声をかけようとしたら、ランガが叫んだ。
「この悪党! メイを放せぇーーー!」
いやいや、俺のことを忘れたのかよ!
驚いたが、ランガは身体強化も使って走っていたので感心した。
ランガは勢いのまま俺の顔に向けて槍を突き出した。
おいおい、近づいても気付いていないのかよぉ~。
俺は軽く避けて、槍を掴むとランガごと放り投げた。
「「「うおおおお!」」」
ランガと一緒に走ってきた冒険者達が一斉に俺に襲い掛かってきた。
ドコッ、バキッ!
俺は次々に蹴りやパンチを腹に入れて冒険者達を倒す。
最後に残ったのは一人だけだった。
「あっ、テンマ君!」
遅れてズラタンが走ってきた。すぐに俺に気付いて声をかけてきた。倒さないで残っていた冒険者はジートだった。彼も俺に気付いて襲ってこなかったので倒さなかったのだ。
「よ、よお、テンマ、久しぶり!」
ジートは倒されて呻いている冒険者達に目を向けながら挨拶をしてきた。
「うん、久しぶりだね」
「お兄ちゃんはやっぱり強いのぉ~!」
ジートに挨拶すると、抱きかかえたままであったメイが嬉しそうに声を上げた。
「テ、テンマ、どういうことか説明してもらおうか!」
ランガが槍を杖代わりにして立ち上がって、怒りの籠った声で尋ねてきた。
そんなの俺も知らんがなぁ~!
◇ ◇ ◇ ◇
俺はエアルの破壊した村の囲いを石造りの壁にして修復をする。投擲の的も石で造ると硬化や自動修復を付与して造り直していた。
ランガ達は村の近くまで戻ってきたところで、爆発音を聞いて慌てて村に戻ってきたらしい。
エアルはメイと一緒に少し離れた所で村人たちに囲まれている。シルにまたがったエアルに村人たちは拝む人まで出始めていた。
「これをやったのは伝説の英雄エクス様の娘という、あの子だと言うんだな?」
ランガが修復を続ける俺に尋ねてきた。
「そうだよ!」
まあ、簡単に信じられないと思うけどね。
しかし、ランガは納得したような顔をしていた。村人がエアルを尊敬するような雰囲気で囲んでいるから信じたのだろう。
「それで、あのふよふよと浮かんでいるのは、あれは……?」
「うん、土地神様だよ!」
ランガも気付いているようだから、ハッキリと断言してあげた。
「「「おおっ!」」」
一緒にいる冒険者達も土地神様と聞いて喜びの声を上げた。
「ふぅ~、久しぶりに顔を出したというのに、お前は本当に非常識だなぁ……」
ちょっと待てぇー! 俺は何もしていないだろうがぁ!
ランガの発言は納得できないが、気持ちは分かる気がするぅ~。
それに勢いのまま襲い掛かってきたランガは、昔とあまり変わっていないと思って、内心では嬉しかったのである。
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