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十一話
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――あれから数年が経った。
卒業式以来、沙織とは会っていない。連絡先を交換していたはずなのに、それすら使わなかった。でも、別に淋しくはなかった。だって私はもう一人じゃないから……。
「杏奈~~!久しぶりー!」
そう言って私に抱きついてきたのは春香だった。彼女はあの日から私と一緒にいてくれる女子だ。流石にずっとではないけど、学校にいる間は常に一緒にいると言っても過言ではないと思う。
春香はいつも笑顔で明るい性格をしている。そしてとても可愛らしい容姿をしていて、男女問わず人気がある。まぁ……春香は彼氏持ちだからマスコット的な感じだけどね。そして今日は同窓会である。
卒業してから早六年……みんな大人になったんだなぁって実感する。……本当は出席するつもりなかったんだけど、この日は本当に暇だったから来ちゃったんだよねぇ……後、親が行きなさいってうるさかったから仕方なく来たっていう理由もある。
「………春香。久しぶりね」
三年生の頃は春香とクラスが同じだったけど、それ以降は違うクラスになってしまった。だから会う機会もなかったわけだし、こうして会話するのは何年ぶりになるだろうか? そんなことを考えながら、私は春香に微笑みかける。すると春香は満面の笑みを浮かべてこう言った。
「本当にね~~」
「春香ー!」
人気者の春香はたくさんの人が話しかけてくる。それは、見慣れた光景でもあった。昔は少しだけ羨ましく思っていたけども……今は感じない。寧ろ、大変そうだなって思うくらいには成長した気がする。
「(………春香と再会できたし帰ってもいいな……)」
私は基本的にこういう集まりとか好きじゃないし……それに春香以外に会いたい人なんて――。
「………杏奈」
声が聞こえた。その声を聞いた瞬間、私の心臓は大きく跳ね上がる。この声を久しぶりに、聞いた。否、忘れたフリをしていただけだ。だって……この人は……ゆっくりと振り返る。そこには、予想通りの人物が立っていた。
「沙織……」
そこには、予想通りの人物が立っていた。
卒業式以来、沙織とは会っていない。連絡先を交換していたはずなのに、それすら使わなかった。でも、別に淋しくはなかった。だって私はもう一人じゃないから……。
「杏奈~~!久しぶりー!」
そう言って私に抱きついてきたのは春香だった。彼女はあの日から私と一緒にいてくれる女子だ。流石にずっとではないけど、学校にいる間は常に一緒にいると言っても過言ではないと思う。
春香はいつも笑顔で明るい性格をしている。そしてとても可愛らしい容姿をしていて、男女問わず人気がある。まぁ……春香は彼氏持ちだからマスコット的な感じだけどね。そして今日は同窓会である。
卒業してから早六年……みんな大人になったんだなぁって実感する。……本当は出席するつもりなかったんだけど、この日は本当に暇だったから来ちゃったんだよねぇ……後、親が行きなさいってうるさかったから仕方なく来たっていう理由もある。
「………春香。久しぶりね」
三年生の頃は春香とクラスが同じだったけど、それ以降は違うクラスになってしまった。だから会う機会もなかったわけだし、こうして会話するのは何年ぶりになるだろうか? そんなことを考えながら、私は春香に微笑みかける。すると春香は満面の笑みを浮かべてこう言った。
「本当にね~~」
「春香ー!」
人気者の春香はたくさんの人が話しかけてくる。それは、見慣れた光景でもあった。昔は少しだけ羨ましく思っていたけども……今は感じない。寧ろ、大変そうだなって思うくらいには成長した気がする。
「(………春香と再会できたし帰ってもいいな……)」
私は基本的にこういう集まりとか好きじゃないし……それに春香以外に会いたい人なんて――。
「………杏奈」
声が聞こえた。その声を聞いた瞬間、私の心臓は大きく跳ね上がる。この声を久しぶりに、聞いた。否、忘れたフリをしていただけだ。だって……この人は……ゆっくりと振り返る。そこには、予想通りの人物が立っていた。
「沙織……」
そこには、予想通りの人物が立っていた。
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