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第一章 誕生日おめでとう
第11話 助けてくれてありがとう
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独白を終え、ふるふると震えながら泣き声をだすレアール
ルヴナンが寄り添って、優しく声をかけ続ける
ピヨも傍によって、恐怖が収まるまで一緒にいてあげることにした
様子を見ながらピヨは先ほど影に沈んでいく卵の話を思い起こした
思い起こせば思い起こすほど、身が震えるような話だ
ピヨはそんな生き物がこの世界にいるということを知らなかった
影に飲まれるという感覚はどんなのだろう
卵が次第に消えていくということだろうか
それとも――
ピヨはこれ以上考えるのをやめた
ピヨ自体が震えて声が出なくなりそうだったからだ
震えが収まり、レアールの不安が収まったようだった
いこう。と、ルヴナンが旅を急ぐ声をピヨに掛けた
うん。とピヨも返す
「待って――!」
レアールの元を去ろうとする二つの卵に、声がかかった
「あ……、ありがとう。助けてくれて」
レアールは恥ずかしそうに、ルヴナンにお礼を言った
ピヨは自慢げにレアールの前に出て、小躍りした
咄嗟に母鳥を呼び、危機を伝えたのは自分だからだ
「――え? 君何かしたっけ」
ピヨは一瞬固まった。そして憤慨した。あんなにも必死に助けを呼んだのに
ぷんぷん怒って、卵を揺らし、不満を伝える
襲われてしまえばよかったのに!とまでは言えなかった
でも、一人だけ感謝の言葉を伝えられないなんて!
死を意識した分、ピヨは相手の態度に腹が立って、腹が立って――!
ぷんぷん、ぷぷぷん!!
その様子を見て、レアールはあははっ!と根明に笑っていた
ルヴナンもくすくすと釣られて笑っていた
ルヴナンが寄り添って、優しく声をかけ続ける
ピヨも傍によって、恐怖が収まるまで一緒にいてあげることにした
様子を見ながらピヨは先ほど影に沈んでいく卵の話を思い起こした
思い起こせば思い起こすほど、身が震えるような話だ
ピヨはそんな生き物がこの世界にいるということを知らなかった
影に飲まれるという感覚はどんなのだろう
卵が次第に消えていくということだろうか
それとも――
ピヨはこれ以上考えるのをやめた
ピヨ自体が震えて声が出なくなりそうだったからだ
震えが収まり、レアールの不安が収まったようだった
いこう。と、ルヴナンが旅を急ぐ声をピヨに掛けた
うん。とピヨも返す
「待って――!」
レアールの元を去ろうとする二つの卵に、声がかかった
「あ……、ありがとう。助けてくれて」
レアールは恥ずかしそうに、ルヴナンにお礼を言った
ピヨは自慢げにレアールの前に出て、小躍りした
咄嗟に母鳥を呼び、危機を伝えたのは自分だからだ
「――え? 君何かしたっけ」
ピヨは一瞬固まった。そして憤慨した。あんなにも必死に助けを呼んだのに
ぷんぷん怒って、卵を揺らし、不満を伝える
襲われてしまえばよかったのに!とまでは言えなかった
でも、一人だけ感謝の言葉を伝えられないなんて!
死を意識した分、ピヨは相手の態度に腹が立って、腹が立って――!
ぷんぷん、ぷぷぷん!!
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