男、虎となりて人里へ流れお賃金をもらう

【あらすじ】
海と山にはさまれたのどかなある田舎町に、ひとりの男が流れついた。

男は、なんの因果かある日虎へと姿を変じてしまった元人間であった。

虎へと変わった直後は嘆き、苦しみ、山のいただきにて涙を流すこともあったが、冷静になってみると二足歩行できるししゃべれるし住民も受けいれてくれるしでなんやかんやそこに住むことになった。快適。

その町の小さな書店で働いてお賃金をありがたくいただきながら過ごす日々であったが、ある日悲鳴が聞こえてある女性を助けると、

「その声は、トラくん!? もしかしてぼくの友だち、ペンネーム『✝月下の美しき美獣✝』のトラくんかい!?」

と昔のペンネームを叫ばれ、虎は思い出したくない黒歴史におそわれ情緒がぐっちゃぐちゃになるのであった。


【表紙】
アボット・ハンダーソン・セイヤー『トラ』1874年頃
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