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第八章 やるべきこと
第14話 神へと至る道のり
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「ちょっと待って!」
「ソルトさん、今更ですが既に人の理から外れているのは自覚しているかと思いますが?」
「うっ……いや、確かにそうだけど……でも、俺が神になるってのはちょっと違うかと思うんだけど」
「ソルトさん、そうは言いますが既に準備段階に入っていますよ」
「え? ちょっと待って。……ってことは既に予定調和なの?」
「……すみません。私の権限では今以上のことは分かりませんし、話すことも出来ません。申し訳ありません」
「いや、でも……」
「ええ、今までの発言はシーナさんの体内にいることで多少制限が揺らいでいることも関係しているかと思います。ですが、もうそろそろシーナさんの身体をお借りするタイムリミットも近付きつつあります。なので大事なことだけ言わせてもらいます」
「え、怖いんだけど……」
ルーからはソルトが神様になればオールオッケ―みたいに言われ戸惑うソルトだが、言われてみればと思うところが全く無いわけでもない。
そしてルーが言うようにソルトの種族は『人族?』となっている。
時間がないからとルーが大事なことだけとソルトの手を握りながら「全ての因子を手に入れて従属して下さい」と告げると、ソルトの中にいたシーナと入れ替わる。
『只今戻りました! あぁ~楽しかった!』
「おかえり、ルー」
『はい、ただいまです!』
「うん、やっぱりルーがいると落ち着くなぁ~」
『ふふふ、ありがとうございます。でも、やっぱり感触が……ソルトさんのぬくもりが欲しいです。シーナさんの身体を借りての感触でしたが、嬉しかったです。ソルトさん、私って欲張りでしょうか……こうやってソルトさんの中に居られるだけでも嬉しいのですが、やはり私はソルトさんに撫でて欲しい、触って欲しいと考えてしまいます。こんな私はワガママでしょうか』
「ルー」
『はい……』
「そんなことはワガママの範疇には入らないと俺は思う。だから、日本への帰り方もそうだけど、ルーの身体もちゃんと作ろう」
『はい! 頑張ってソルトさんとの赤ちゃんが作れるように頑張ります!』
「え?」
ソルトの頭の中に戻って来たルーがソルトに無事に戻って来たことを伝えるが、自分の願いは単なるワガママだろうかとソルトに言えば、そんなことはないと言われ嬉しくなり、ソルトがルーに合う身体を作ろうと言ってくれたので更に嬉しくなり頑張って赤ちゃんを作れるようになると言えば、ソルトが固まってしまう。
そんなソルトの様子に思うところがあったのか、レイやリリスが気付き話しかける。
「ソルト、ルーから何か言われたの?」
「私は怒りませんよ。でも、正直に言ってもらえれば嬉しいです」
「私、分かりました!」
レイはソルトの中に戻ったルーから報告以外の何かを言われたのだろうと察し、リリスもそれを感じたのか、ソルトさえ正直に話してくれたら特に思うことはないと言う。
だが、シーナがここで爆弾発言をしてソルトを慌てさせる。
「し、シーナ。ちょっと落ち着こうか。もう、シーナの身体とルーはリンクが途切れているのだから分からないんじゃないのかな?」
「そうですね、確かにリンクは途切れていますが、残留思念の様なもので微かな繋がりが出来ています。それにこの部屋の中であれば距離的な問題もありませんし頑張ればどうにか出来ますよ?」
「え……それってどゆことなの?」
シーナはルーとの接続は距離が離れていなければそんなに難しいことではないと言う。
そして、その接続状況からさっきソルトとルーが交わした内容を朧気ながらも感じ取ったのか、「分かった」と宣言しソルトを慌てさせる。
「ふふふ、奇しくも私とルーさんの願いは同じと言うことです」
「同じ?」
「ええ、私もルーさんもソルトさんとの子供が欲しいんです。キャッ!」
「……」
「ソルト、どういうことなの!」
「ソルトさん!」
「落ち着きなよ、小娘達」
「おば「おば?」……ブランカには関係ないでしょ!」
「そうです! ブランカにはシルヴァさんがいるんだから関係ないでしょ」
「そうでもないわよ。だって、娘のノアのお婿さんのことだもの。ね、ノア」
「お母さん……もう……」
シーナがルーの気持ちも同じだからと代弁すればレイとリリスがソルトにどういうことなのかと詰め寄ればブランカがそれを窘める。
レイはそんなブランカには関係ないと言うが、ブランカからしてみれば娘婿となるソルトのことなら関係なくはないと強引に話の輪に入り込む。
「それで、シーナ。ソルトと子を成したいって言っていたけど、今のままじゃダメなの?」
「はい。私も知識としては分かっていますが、私達の身体にはそういう機能は追加されていません。それもあり子を宿すことは出来ません」
「そうなのね。でも、ルーの身体を作る時にそういった機能を設けるのなら自分も欲しいと言うのね」
「はい、その通りです」
ブランカがシーナの言いたいことを補足しなんだかんだと面白くなさそうなレイとリリスに向かって話しかける。
「だそうよレイ、リリス。まさか、シーナ達はダメって言わないわよね?」
「……でも」
「ふふふ、今からヤキモチなんかやいていたら嫉妬と気苦労で倒れるわよ」
「ブランカ、それは言い過ぎだろ」
「あら、そうかしら?」
「く……」
そしてレイ達にシーナとルーを仲間外れにしないわよねと釘を刺すのと同時に暗にソルトがこれだけで終わると思わない方がいいと言えば、ソルトもそれには反論しなかった。
「ソルト、なんで反論しないの?」
「ウソですよね?」
「いい加減にしなさい。さっきルーが言ったでしょ。ソルトが神へと至るには必要なことなのよ」
「でも、何が必要かは言ってないわよ」
「あら、そう言えばそうね。ソルト、何か聞いてないの?」
「……聞いた」
「そう、ならそれを発表して欲しいんだけど……ふふふ、今更ソルトのハーレムについて何か言おうなんて思ってないわよ。ただ、ノアの母としては疎かにしないと約束してもらえればそれで十分よ。ね、ノア」
「お母さん、もう!」
ソルトはルーから「言い忘れていました」と頭の中で告げられたソルト自身が神へと至る手段を皆に話す。
「ソルトさん、今更ですが既に人の理から外れているのは自覚しているかと思いますが?」
「うっ……いや、確かにそうだけど……でも、俺が神になるってのはちょっと違うかと思うんだけど」
「ソルトさん、そうは言いますが既に準備段階に入っていますよ」
「え? ちょっと待って。……ってことは既に予定調和なの?」
「……すみません。私の権限では今以上のことは分かりませんし、話すことも出来ません。申し訳ありません」
「いや、でも……」
「ええ、今までの発言はシーナさんの体内にいることで多少制限が揺らいでいることも関係しているかと思います。ですが、もうそろそろシーナさんの身体をお借りするタイムリミットも近付きつつあります。なので大事なことだけ言わせてもらいます」
「え、怖いんだけど……」
ルーからはソルトが神様になればオールオッケ―みたいに言われ戸惑うソルトだが、言われてみればと思うところが全く無いわけでもない。
そしてルーが言うようにソルトの種族は『人族?』となっている。
時間がないからとルーが大事なことだけとソルトの手を握りながら「全ての因子を手に入れて従属して下さい」と告げると、ソルトの中にいたシーナと入れ替わる。
『只今戻りました! あぁ~楽しかった!』
「おかえり、ルー」
『はい、ただいまです!』
「うん、やっぱりルーがいると落ち着くなぁ~」
『ふふふ、ありがとうございます。でも、やっぱり感触が……ソルトさんのぬくもりが欲しいです。シーナさんの身体を借りての感触でしたが、嬉しかったです。ソルトさん、私って欲張りでしょうか……こうやってソルトさんの中に居られるだけでも嬉しいのですが、やはり私はソルトさんに撫でて欲しい、触って欲しいと考えてしまいます。こんな私はワガママでしょうか』
「ルー」
『はい……』
「そんなことはワガママの範疇には入らないと俺は思う。だから、日本への帰り方もそうだけど、ルーの身体もちゃんと作ろう」
『はい! 頑張ってソルトさんとの赤ちゃんが作れるように頑張ります!』
「え?」
ソルトの頭の中に戻って来たルーがソルトに無事に戻って来たことを伝えるが、自分の願いは単なるワガママだろうかとソルトに言えば、そんなことはないと言われ嬉しくなり、ソルトがルーに合う身体を作ろうと言ってくれたので更に嬉しくなり頑張って赤ちゃんを作れるようになると言えば、ソルトが固まってしまう。
そんなソルトの様子に思うところがあったのか、レイやリリスが気付き話しかける。
「ソルト、ルーから何か言われたの?」
「私は怒りませんよ。でも、正直に言ってもらえれば嬉しいです」
「私、分かりました!」
レイはソルトの中に戻ったルーから報告以外の何かを言われたのだろうと察し、リリスもそれを感じたのか、ソルトさえ正直に話してくれたら特に思うことはないと言う。
だが、シーナがここで爆弾発言をしてソルトを慌てさせる。
「し、シーナ。ちょっと落ち着こうか。もう、シーナの身体とルーはリンクが途切れているのだから分からないんじゃないのかな?」
「そうですね、確かにリンクは途切れていますが、残留思念の様なもので微かな繋がりが出来ています。それにこの部屋の中であれば距離的な問題もありませんし頑張ればどうにか出来ますよ?」
「え……それってどゆことなの?」
シーナはルーとの接続は距離が離れていなければそんなに難しいことではないと言う。
そして、その接続状況からさっきソルトとルーが交わした内容を朧気ながらも感じ取ったのか、「分かった」と宣言しソルトを慌てさせる。
「ふふふ、奇しくも私とルーさんの願いは同じと言うことです」
「同じ?」
「ええ、私もルーさんもソルトさんとの子供が欲しいんです。キャッ!」
「……」
「ソルト、どういうことなの!」
「ソルトさん!」
「落ち着きなよ、小娘達」
「おば「おば?」……ブランカには関係ないでしょ!」
「そうです! ブランカにはシルヴァさんがいるんだから関係ないでしょ」
「そうでもないわよ。だって、娘のノアのお婿さんのことだもの。ね、ノア」
「お母さん……もう……」
シーナがルーの気持ちも同じだからと代弁すればレイとリリスがソルトにどういうことなのかと詰め寄ればブランカがそれを窘める。
レイはそんなブランカには関係ないと言うが、ブランカからしてみれば娘婿となるソルトのことなら関係なくはないと強引に話の輪に入り込む。
「それで、シーナ。ソルトと子を成したいって言っていたけど、今のままじゃダメなの?」
「はい。私も知識としては分かっていますが、私達の身体にはそういう機能は追加されていません。それもあり子を宿すことは出来ません」
「そうなのね。でも、ルーの身体を作る時にそういった機能を設けるのなら自分も欲しいと言うのね」
「はい、その通りです」
ブランカがシーナの言いたいことを補足しなんだかんだと面白くなさそうなレイとリリスに向かって話しかける。
「だそうよレイ、リリス。まさか、シーナ達はダメって言わないわよね?」
「……でも」
「ふふふ、今からヤキモチなんかやいていたら嫉妬と気苦労で倒れるわよ」
「ブランカ、それは言い過ぎだろ」
「あら、そうかしら?」
「く……」
そしてレイ達にシーナとルーを仲間外れにしないわよねと釘を刺すのと同時に暗にソルトがこれだけで終わると思わない方がいいと言えば、ソルトもそれには反論しなかった。
「ソルト、なんで反論しないの?」
「ウソですよね?」
「いい加減にしなさい。さっきルーが言ったでしょ。ソルトが神へと至るには必要なことなのよ」
「でも、何が必要かは言ってないわよ」
「あら、そう言えばそうね。ソルト、何か聞いてないの?」
「……聞いた」
「そう、ならそれを発表して欲しいんだけど……ふふふ、今更ソルトのハーレムについて何か言おうなんて思ってないわよ。ただ、ノアの母としては疎かにしないと約束してもらえればそれで十分よ。ね、ノア」
「お母さん、もう!」
ソルトはルーから「言い忘れていました」と頭の中で告げられたソルト自身が神へと至る手段を皆に話す。
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