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第一章:二人の出会い
episode-15
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転移魔法より速く私は皇宮につきました。いつぶりからか訪れていなかった皇宮は混乱のためかいつもより人が多く横行し、人と人がぶつかりあいながら走っていました。
「ハミィ、、ハミィなの!?」
聞きなれた声が私を呼びました。振り返ると、
「お母様!!」
「あぁ、ハミィ。良かったわ、貴女だけでも無事で。」
「生きていたのか、、娘よ。」
そう言ってふたりが抱きしめてくれましたが、私はそこにいない弟の存在と、母の言葉が気になりました。
「お母様、お父様。マルクは、、マルクは何処なのですか?」
すると母は泣き崩れました。
「ごめんなさい、ハミィ!ごめんなさい。」
それしか言わない母の代わりに、父が口を開きました。
「マルクが攫われた。黒い塊に飲み込まれたんだ。」
その一言で全てがわかった気がしました。おそらく黒い塊とはこの災害の核の事でしょう。
「一体なぜ、、」
「ごめんなさい、ハミィ!」
「大丈夫ですわ、私が何とかいたします。」
「一体どうやって、、」
「それはいえませんがお父様、昔から私は魔力が高かったでしょう?そしてマルクも魔力が高かった。核は自分の依り代を探しているのだと思います。」
「そんな、、」
途方に暮れる両親を元気づけるべく、私は空元気で言いました。
「お父様、将軍としての仕事がまだあるはずですわ。お母様は私が安全な所へ連れていきますから、行ってくださいませ。」
「すまない、任せた。」
そう言って泣き崩れている母を私に任せ、部下とともに人混みの中へと消えて行きました。
「お母様、私と家に帰りましょう。」
「マルク、、マルク。」
弟の名前を呼び続ける母は、精神が崩壊していました。私はそんな母を魔法で眠らせ、浮遊魔法で家へと向かいます。
「ハミィ、エデルギウスガチカイ。」
「え、」
母を運んでくれている精霊たちの一人に突然そう言われ、あたりを見回すと黒い髪が見えました。
「エド!」
「ハミィ!どうしてここにいる!?」
「実は…」
私は全てを話しました。
「だめだ、今からでも帰るんだ。弟の事は俺が何とかする。」
「私の願いの力なら、何とかなるの!自分がなにか出来るのにそれに目を背けているなんて出来ないわ!」
その後もさんざん止められたが、私は何とか彼を説得し、母を我が家の寝室へ寝かせました。
「精霊さん、母を護っていて。」
そう言うとポンッと姿を現したこの家に住んでいる全ての精霊が母を囲み、
「ワカッタ!」
「マカセテ!」
と言いってくれます。
「ありがとう、お願いね。」
さぁ、次は弟を迎えに行かなくちゃ。
「ダイジョウブ?」
「ハミィ、フルエテル」
「大丈夫よ、だってあなたたちがいてくれるじゃない。」
本当は震えが止まらない、怖くて怖くてたまらない。でも弟は私よりも怖い思いをしてしまっている。そのことを思うと、自分の抱えている恐怖が薄らいでいく気がしました。
「いきましょう。精霊の森へ。」
「ハミィ、、ハミィなの!?」
聞きなれた声が私を呼びました。振り返ると、
「お母様!!」
「あぁ、ハミィ。良かったわ、貴女だけでも無事で。」
「生きていたのか、、娘よ。」
そう言ってふたりが抱きしめてくれましたが、私はそこにいない弟の存在と、母の言葉が気になりました。
「お母様、お父様。マルクは、、マルクは何処なのですか?」
すると母は泣き崩れました。
「ごめんなさい、ハミィ!ごめんなさい。」
それしか言わない母の代わりに、父が口を開きました。
「マルクが攫われた。黒い塊に飲み込まれたんだ。」
その一言で全てがわかった気がしました。おそらく黒い塊とはこの災害の核の事でしょう。
「一体なぜ、、」
「ごめんなさい、ハミィ!」
「大丈夫ですわ、私が何とかいたします。」
「一体どうやって、、」
「それはいえませんがお父様、昔から私は魔力が高かったでしょう?そしてマルクも魔力が高かった。核は自分の依り代を探しているのだと思います。」
「そんな、、」
途方に暮れる両親を元気づけるべく、私は空元気で言いました。
「お父様、将軍としての仕事がまだあるはずですわ。お母様は私が安全な所へ連れていきますから、行ってくださいませ。」
「すまない、任せた。」
そう言って泣き崩れている母を私に任せ、部下とともに人混みの中へと消えて行きました。
「お母様、私と家に帰りましょう。」
「マルク、、マルク。」
弟の名前を呼び続ける母は、精神が崩壊していました。私はそんな母を魔法で眠らせ、浮遊魔法で家へと向かいます。
「ハミィ、エデルギウスガチカイ。」
「え、」
母を運んでくれている精霊たちの一人に突然そう言われ、あたりを見回すと黒い髪が見えました。
「エド!」
「ハミィ!どうしてここにいる!?」
「実は…」
私は全てを話しました。
「だめだ、今からでも帰るんだ。弟の事は俺が何とかする。」
「私の願いの力なら、何とかなるの!自分がなにか出来るのにそれに目を背けているなんて出来ないわ!」
その後もさんざん止められたが、私は何とか彼を説得し、母を我が家の寝室へ寝かせました。
「精霊さん、母を護っていて。」
そう言うとポンッと姿を現したこの家に住んでいる全ての精霊が母を囲み、
「ワカッタ!」
「マカセテ!」
と言いってくれます。
「ありがとう、お願いね。」
さぁ、次は弟を迎えに行かなくちゃ。
「ダイジョウブ?」
「ハミィ、フルエテル」
「大丈夫よ、だってあなたたちがいてくれるじゃない。」
本当は震えが止まらない、怖くて怖くてたまらない。でも弟は私よりも怖い思いをしてしまっている。そのことを思うと、自分の抱えている恐怖が薄らいでいく気がしました。
「いきましょう。精霊の森へ。」
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