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本編
変身・後編
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ミラベルの方も、新しい友人が出来た。
そのきっかけとなったのが、放課後に学園の花壇を眺めていた時のこと。
(この百合、とても変わった色合いね。綺麗だわ。どなたがお世話をしているのかしら?)
色とりどりの百合が誇らしげに咲いている。普通の百合とは違い、花弁が半分ずつ色が違う。白とピンクの花弁の百合だ。そして柔らかな百合の香りがふわりと鼻を掠めた。
(香りも素敵だわ)
ミラベルは微笑んだ。
その時だ。
「危ない! 避けてください!」
「え?」
焦ったような可愛らしい女性の声にミラベルはきょとんとした。そして次の瞬間、ミラベルはずぶ濡れになってしまう。
「も、申し訳ございません! 本当に申し訳ございません!」
先程ミラベルに注意喚起をした令嬢がひたすら謝っている。
ウェーブがかったダークブロンドの髪にエメラルドのような緑の目の、柔らかな雰囲気の美人である。年齢はミラベルと同じくらいに見える。令嬢の足元には木組のバケツが転がっていた。恐らく水が入っていたのだろう。
「落ち着いてください。これはただの水だと存じますので、拭いたら大丈夫でございますわ」
相手があまりにも必死に謝罪しているのでミラベルは冷静になれた。
「でしたら、今すぐ何か拭くものをお持ちいたします」
令嬢は慌てて拭くものを持って来ようと急ぎ足になったのだが……。
「きゃっ」
足がもつれたようで盛大に転んだ。
「あの、大丈夫でございますか? 落ち着いてくださいませ」
ミラベルは転んだ令嬢をゆっくりと起こす。令嬢のドレスは泥まみれになっていた。
「本当に申し訳ございません……。お母様や婚約者の方からも私はそそっかしいから気をつけなさいとよく言われるのですが……」
令嬢はシュンと肩を落とし、今にも泣きそうな表情でため息をついた。
「お二人共、一体何をなさっておりますの?」
そこへ第三者の声が聞こえた。
「サラ様」
ミラベルは意外そうな表情である。先程の声の主はサラであった。
「あ、これはその、私がわざと水をかけたのではございませんわ。決していじめなどではございません!」
令嬢は慌てて弁明している。ミラベルだって、別に彼女からいじめを受けたわけではない。
「ええ、存じ上げておりますわ。だから落ち着いてくださいませ。お二人共、着替える必要がございますわ。拭くものは医務室にございますし、一旦そちらに参りましょう」
サラは冷静な様子で二人と共に医務室へ向かった。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
「改めまして、私はネンガルド王国から参りました、モールバラ公爵家長女のリリー・ベアトリス・モールバラと申します。この度はお手数おかけして本当に申し訳ございません」
医務室で着替えた後も、リリーと名乗った令嬢はシュンと落ち込んでいた。
リリーはネンガルド王国からの留学生である。
「そう落ち込まないでください。失敗などはどなたにでもございますから。私はルテル伯爵家長女、ミラベル・ロクサーヌ・ド・ルテルと申します。よろしくお願いします、リリー様」
同じく、着替えたミラベルは優しく微笑んでリリーのエメラルドのような目を見ている。以前と比べてミラベルもコミュニケーションが少し得意になっていた。
「私はヴァンティエール侯爵家長女で次期当主のサラ・エルミーヌ・ド・ヴァンティエールでございますわ」
自己紹介を終えた三人は少し雑談をする。リリーはミラベルと同じ十五歳で第三学年であることが判明した。
ミラベルはサラとは少し話す仲だったが、初対面のリリーとも少し打ち解けることが出来た。
そこから、ミラベルとサラとリリーの三人は学園の花壇の世話をしたり、話すことが増えて仲良くなる。
ある日、学園の花壇にて三人は新しく花の種を植えていた。
ちなみに、その時の三人はパンツドレスを着用していた。通常のドレスだと動きにくく裾が汚れてしまうのだ。
ナルフェック王国ではパンツドレスも流行している。
「コスモスは秋に咲くので、種まきの時期としてはこの時期がギリギリかと存じますわ」
ミラベルは控え目だが鈴の音のような声で微笑みながらコスモスの種を植える。
「ミラベル様はお詳しいのでございますね」
リリーがエメラルドの目をキラキラと輝かせる。
「ガーデニングが趣味なので。王都の屋敷や領地のお屋敷の庭の一画をお手入れしておりますの。ですが、学園でもガーデニングをやらせていただけるとは思いませんでした」
ミラベルは楽しそうに微笑む。
「ガーデニングはやってみると意外と楽しいですわね。向こうの百合はリリー様が育てたのでしょうか?」
サラも楽しそうにコスモスの種を植えていた。アクアマリンの目は活き活きとしているように見える。
「ええ、左様でございますわ、サラ様」
「とても美しく咲いておりますわね。リリー様の腕前の素晴らしさが感じられますわ」
「私も、サラ様と同じことを思いました。あの百合には思わず見惚れてしまいましたわ。おまけに花弁の半分が違う色になっていて面白いと存じました」
「そう仰っていただけて嬉しいです。実はあの百合は私が品種改良を行いましたの」
褒められたリリーは嬉しそうにルンルンとしていた。
「品種改良までリリー様自ら行われたのですね。凄いですわ」
ミラベルはムーンストーンの目を大きく見開いていた。
「もしかして、リリー様は学園の植物研究室で改良を行われたのでございましょうか?」
サラがそう聞くと、リリーは頷く。
「左様でございますわ。この学園の植物研究室は設備や情報が充実しておりますので研究が捗りましたわ」
リリーはエメラルドの目を輝かせて微笑んだ。
「あの百合は色合いだけでなく、香りも素晴らしいです。ずっと嗅いでいたい香りでしたわ」
ミラベルはふふっと微笑む。
「ミラベル様は香りにもご興味をお持ちなのですね」
「ええ、リリー様。花の香りはとても落ち着きます。それに、例えばあの百合の香りにほんのり柑橘類の香りを加えたら、今の季節にぴったりな香りになると存じましたわ」
ミラベルのムーンストーンの目は楽しそうである。
「ミラベル様、それでしたら香水の調香もなさってみてはいかがでしょう? きっと向いていると存じますわ。簡単なものでしたら学園の植物研究室でも試してみることは出来ますわよ。私もたまに行きますの」
サラはアクアマリンの目を優しく細める。
「香水の調香……」
今まで考えたことがなかったのでミラベルは少し黙り込む。
「面白そうかもしれません。明日、行ってみようと思います」
ミラベルは前向きな選択をした。
「では私もご一緒いたしますわ」
「でしたら私も。品種改良途中の百合がまだございますし」
サラとリリーも参加するようだ。
「あ、そろそろ向こうの花にも水をやらないといけませんわ。私お水を入れて来ますわね」
「リリー様、そちらに段差があるのでお気をつけください」
立ち上がるリリーに注意を促すサラ。
「サラ様、確かに私はそそっかしいところはございますがそこまで……きゃっ!」
早速段差に躓いたリリーである。
「リリー様!」
ミラベルが咄嗟にリリーの腕を引いたことで彼女は転ばずに済んだ。
「ありがとうございます、ミラベル様」
リリーはホッとしていた。
「……お水は私がお持ちいたしますわ。正直に申し上げますと、リリー様なら以前のように溢しかねません」
サラは苦笑してリリーから木製のバケツを受け取る。
「申し訳ございません」
リリーはしょんぼりしている。
「リリー様、これからゆっくりやっていけばいいと存じますわ」
ミラベルはグレーの目を優しく細め、リリーを励ました。
「ありがとうございます、ミラベル様」
リリーは少しだけ元気を取り戻した。
一連の様子を少し距離がある場所からナゼールが見守っていた。
(ミラベル嬢も、僕が言うのもなんだけど前より明るくなって新たな友人が出来ている。僕も、頑張らなくては)
ナゼールもミラベルから良い影響を受けていた。
そのきっかけとなったのが、放課後に学園の花壇を眺めていた時のこと。
(この百合、とても変わった色合いね。綺麗だわ。どなたがお世話をしているのかしら?)
色とりどりの百合が誇らしげに咲いている。普通の百合とは違い、花弁が半分ずつ色が違う。白とピンクの花弁の百合だ。そして柔らかな百合の香りがふわりと鼻を掠めた。
(香りも素敵だわ)
ミラベルは微笑んだ。
その時だ。
「危ない! 避けてください!」
「え?」
焦ったような可愛らしい女性の声にミラベルはきょとんとした。そして次の瞬間、ミラベルはずぶ濡れになってしまう。
「も、申し訳ございません! 本当に申し訳ございません!」
先程ミラベルに注意喚起をした令嬢がひたすら謝っている。
ウェーブがかったダークブロンドの髪にエメラルドのような緑の目の、柔らかな雰囲気の美人である。年齢はミラベルと同じくらいに見える。令嬢の足元には木組のバケツが転がっていた。恐らく水が入っていたのだろう。
「落ち着いてください。これはただの水だと存じますので、拭いたら大丈夫でございますわ」
相手があまりにも必死に謝罪しているのでミラベルは冷静になれた。
「でしたら、今すぐ何か拭くものをお持ちいたします」
令嬢は慌てて拭くものを持って来ようと急ぎ足になったのだが……。
「きゃっ」
足がもつれたようで盛大に転んだ。
「あの、大丈夫でございますか? 落ち着いてくださいませ」
ミラベルは転んだ令嬢をゆっくりと起こす。令嬢のドレスは泥まみれになっていた。
「本当に申し訳ございません……。お母様や婚約者の方からも私はそそっかしいから気をつけなさいとよく言われるのですが……」
令嬢はシュンと肩を落とし、今にも泣きそうな表情でため息をついた。
「お二人共、一体何をなさっておりますの?」
そこへ第三者の声が聞こえた。
「サラ様」
ミラベルは意外そうな表情である。先程の声の主はサラであった。
「あ、これはその、私がわざと水をかけたのではございませんわ。決していじめなどではございません!」
令嬢は慌てて弁明している。ミラベルだって、別に彼女からいじめを受けたわけではない。
「ええ、存じ上げておりますわ。だから落ち着いてくださいませ。お二人共、着替える必要がございますわ。拭くものは医務室にございますし、一旦そちらに参りましょう」
サラは冷静な様子で二人と共に医務室へ向かった。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
「改めまして、私はネンガルド王国から参りました、モールバラ公爵家長女のリリー・ベアトリス・モールバラと申します。この度はお手数おかけして本当に申し訳ございません」
医務室で着替えた後も、リリーと名乗った令嬢はシュンと落ち込んでいた。
リリーはネンガルド王国からの留学生である。
「そう落ち込まないでください。失敗などはどなたにでもございますから。私はルテル伯爵家長女、ミラベル・ロクサーヌ・ド・ルテルと申します。よろしくお願いします、リリー様」
同じく、着替えたミラベルは優しく微笑んでリリーのエメラルドのような目を見ている。以前と比べてミラベルもコミュニケーションが少し得意になっていた。
「私はヴァンティエール侯爵家長女で次期当主のサラ・エルミーヌ・ド・ヴァンティエールでございますわ」
自己紹介を終えた三人は少し雑談をする。リリーはミラベルと同じ十五歳で第三学年であることが判明した。
ミラベルはサラとは少し話す仲だったが、初対面のリリーとも少し打ち解けることが出来た。
そこから、ミラベルとサラとリリーの三人は学園の花壇の世話をしたり、話すことが増えて仲良くなる。
ある日、学園の花壇にて三人は新しく花の種を植えていた。
ちなみに、その時の三人はパンツドレスを着用していた。通常のドレスだと動きにくく裾が汚れてしまうのだ。
ナルフェック王国ではパンツドレスも流行している。
「コスモスは秋に咲くので、種まきの時期としてはこの時期がギリギリかと存じますわ」
ミラベルは控え目だが鈴の音のような声で微笑みながらコスモスの種を植える。
「ミラベル様はお詳しいのでございますね」
リリーがエメラルドの目をキラキラと輝かせる。
「ガーデニングが趣味なので。王都の屋敷や領地のお屋敷の庭の一画をお手入れしておりますの。ですが、学園でもガーデニングをやらせていただけるとは思いませんでした」
ミラベルは楽しそうに微笑む。
「ガーデニングはやってみると意外と楽しいですわね。向こうの百合はリリー様が育てたのでしょうか?」
サラも楽しそうにコスモスの種を植えていた。アクアマリンの目は活き活きとしているように見える。
「ええ、左様でございますわ、サラ様」
「とても美しく咲いておりますわね。リリー様の腕前の素晴らしさが感じられますわ」
「私も、サラ様と同じことを思いました。あの百合には思わず見惚れてしまいましたわ。おまけに花弁の半分が違う色になっていて面白いと存じました」
「そう仰っていただけて嬉しいです。実はあの百合は私が品種改良を行いましたの」
褒められたリリーは嬉しそうにルンルンとしていた。
「品種改良までリリー様自ら行われたのですね。凄いですわ」
ミラベルはムーンストーンの目を大きく見開いていた。
「もしかして、リリー様は学園の植物研究室で改良を行われたのでございましょうか?」
サラがそう聞くと、リリーは頷く。
「左様でございますわ。この学園の植物研究室は設備や情報が充実しておりますので研究が捗りましたわ」
リリーはエメラルドの目を輝かせて微笑んだ。
「あの百合は色合いだけでなく、香りも素晴らしいです。ずっと嗅いでいたい香りでしたわ」
ミラベルはふふっと微笑む。
「ミラベル様は香りにもご興味をお持ちなのですね」
「ええ、リリー様。花の香りはとても落ち着きます。それに、例えばあの百合の香りにほんのり柑橘類の香りを加えたら、今の季節にぴったりな香りになると存じましたわ」
ミラベルのムーンストーンの目は楽しそうである。
「ミラベル様、それでしたら香水の調香もなさってみてはいかがでしょう? きっと向いていると存じますわ。簡単なものでしたら学園の植物研究室でも試してみることは出来ますわよ。私もたまに行きますの」
サラはアクアマリンの目を優しく細める。
「香水の調香……」
今まで考えたことがなかったのでミラベルは少し黙り込む。
「面白そうかもしれません。明日、行ってみようと思います」
ミラベルは前向きな選択をした。
「では私もご一緒いたしますわ」
「でしたら私も。品種改良途中の百合がまだございますし」
サラとリリーも参加するようだ。
「あ、そろそろ向こうの花にも水をやらないといけませんわ。私お水を入れて来ますわね」
「リリー様、そちらに段差があるのでお気をつけください」
立ち上がるリリーに注意を促すサラ。
「サラ様、確かに私はそそっかしいところはございますがそこまで……きゃっ!」
早速段差に躓いたリリーである。
「リリー様!」
ミラベルが咄嗟にリリーの腕を引いたことで彼女は転ばずに済んだ。
「ありがとうございます、ミラベル様」
リリーはホッとしていた。
「……お水は私がお持ちいたしますわ。正直に申し上げますと、リリー様なら以前のように溢しかねません」
サラは苦笑してリリーから木製のバケツを受け取る。
「申し訳ございません」
リリーはしょんぼりしている。
「リリー様、これからゆっくりやっていけばいいと存じますわ」
ミラベルはグレーの目を優しく細め、リリーを励ました。
「ありがとうございます、ミラベル様」
リリーは少しだけ元気を取り戻した。
一連の様子を少し距離がある場所からナゼールが見守っていた。
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