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41 国花の話
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それから、月日が経ち、お姉様とオッサムが婚姻届を出す日がやって来ました。
別に私が緊張する事ではないのですが、とうとうここまで来た、といった感じです。
私に国花が出たと発表するのは、お姉様達の婚姻届を受理された後、婚姻関係を結んだという、お祝いのパーティーが行われるので、その後に身内だけ集まってもらい話す事にしました。
パーティー会場で発表したりして、大勢の人がいる前で、お姉様に暴れられたら、品位を疑われかねないですから…。
ただ、そう思うと、またちょっと心配になってきました。
お姉様の心をオッサムはちゃんとケアしてあげられるのでしょうか。
お母様がいるから大丈夫でしょうか。
お母様の私への態度は軟化はしましたが、やはり、お姉様が女王になると思われている分、お姉様贔屓なのは相変わらずです。
無視はされなくなりましたが、ご機嫌をとっているのか、お姉様がいる前では、絶対に私と話をしたりしません。
私にした事は悪いとは思っておられるみたいですけど、やはり、深く根付いてしまった嫌悪感などは、消し去れないものなのでしょう。
お父様の愛情が私一人に向いていると、未だに考えておられる様ですし…。
実際はそんな事はないのですけどね。
滞りなくパーティーも終わり、とうとう身内だけの集まりの時間になりました。
お姉様達は、普通にパーティーの続きをするとしか思っていません。
ですから、私とクレイが出席するのを嫌がったみたいですが、そこはお父様が何とかして下さいました。
ダイニングルームに集まり、お父様が一番上座に一人で座られ、向かって右側の席に私とクレイが座り、私達の向かい側に、お母様達が座られました。
パーティーではあまり食べれなかったので、全員で軽い食事を済ませるまでは和やかな雰囲気でしたが、食べ終えた後、久しぶりに会ったお姉様は、私を見ると何か言いたくてしょうがないのか話しかけてきました。
「リサ、これから、あなたが私の仕事をしてよね?」
「どういう意味かわかりません」
「私達は結婚式を挙げた後、国民の前に出て祝福されないといけないの。大勢の前に出るんだから、美しくなければいけないでしょう?」
「それと仕事がどう関係するのでしょうか」
「関係するじゃない。仕事をしていると、ストレスが溜まるわ。そうなったら、お肌や健康に良くないでしょう? 好きな事をやっていられればストレスフリーの生活が送れるでしょう? あなた、全然、役に立っていないのだから、こんな時は役に立ちなさいよ」
お姉様はそう言って意地の悪そうな笑みを浮かべました。
すると、オッサムが焦った様な表情になります。
「どうしたんだよ、ブランカ。いつもと違うじゃないか。リサがいるから機嫌が悪いのか?」
「オッサム、それは間違っていないわ。だけど、結婚したから言ってしまうけれど、私、もともと、リサに対しては、こういう態度なのよ」
「ブランカ。いいかげんにしなさい。自分の仕事は自分でやるんだ。リサはリサで、すでにやってもらわないといけない仕事を任せているから」
「お父様はいつだってリサの肩をもつのですね! 私だって一生懸命頑張っていますのに!」
お姉様が立ち上がって、お父様に向かって叫びます。
「リサに何の価値がありますの?! お母様だって、リサの価値を見いだせていませんでしたのに!」
「それは、私が悪いのよ、ブランカ」
「いいえ、お母様は間違っていません! リサはこの王家に必要ない子なんですよ! そして、その夫であるクレイ殿下も!」
「いいかげんにしろ、ブランカ! もうそこで止めておきなさい」
お父様は私に国花が出ている事を知っていますから、言い続けさせればさせる程、お姉様の立場が悪くなる事をわかっておられますので、お姉様の発言を止めたいみたいです。
お姉様は、お母様だけでなく、お父様にも大事にされているのに、どうして、私にかまうのでしょうか。
自分が一番、愛されなければいけないと思う事は悪い事ではないのかもしれませんが、その感情は家族間の間でさえも必要な感情なのでしょうか。
「ブランカ殿下、婿養子として来ているので、あまり強く言うつもりはありませんが、一応、私も隣国の王族ですよ。家族に一切、連絡を取っていないとでも思ってるんですか?」
クレイの言葉に、お姉様が悔しそうな顔をして黙り込みました。
さすがのお姉様も、他国の王族と揉めるのは良くないと理解しているようですね。
「あの、お姉様、お話したい事があるのですが、よろしいでしょうか?」
「何よ、あなたの話なんて聞きたくないんだけど」
「そうですか。では、お姉様だけ出ていってもらえますか」
「何よ、それ! 今日の主役は私なのよ!」
「ええ。ですが、早い内にお伝えした方が良いかと思いまして」
これ以上、お姉様が自分の首を締める前に。
こんな日に言うのもどうかと思いますが、本当にオッサムとの結婚を喜んでいるのであれば、ショックは少し薄らぐはずです。
「何なのよ、一体」
「国花の話ですが…」
その言葉に、お父様とクレイ以外の三人がびくりと身体を震わせました。
私はお姉様達から言葉が返ってくるのを待たずに、はしたない事ではありますが、証拠を見せる為に、ワンショルダーのドレスを少し肩から腕の方にずらして、胸元を見せると、お姉様達は声にならない声を上げました。
「国花は私に出ました。次の女王になるのは、どうやら私の様です」
私の言葉を聞いたお母様は、両手で口を覆い、オッサムは頭を抱え、お姉様は今にも泣き出しそうな顔をしたのでした。
別に私が緊張する事ではないのですが、とうとうここまで来た、といった感じです。
私に国花が出たと発表するのは、お姉様達の婚姻届を受理された後、婚姻関係を結んだという、お祝いのパーティーが行われるので、その後に身内だけ集まってもらい話す事にしました。
パーティー会場で発表したりして、大勢の人がいる前で、お姉様に暴れられたら、品位を疑われかねないですから…。
ただ、そう思うと、またちょっと心配になってきました。
お姉様の心をオッサムはちゃんとケアしてあげられるのでしょうか。
お母様がいるから大丈夫でしょうか。
お母様の私への態度は軟化はしましたが、やはり、お姉様が女王になると思われている分、お姉様贔屓なのは相変わらずです。
無視はされなくなりましたが、ご機嫌をとっているのか、お姉様がいる前では、絶対に私と話をしたりしません。
私にした事は悪いとは思っておられるみたいですけど、やはり、深く根付いてしまった嫌悪感などは、消し去れないものなのでしょう。
お父様の愛情が私一人に向いていると、未だに考えておられる様ですし…。
実際はそんな事はないのですけどね。
滞りなくパーティーも終わり、とうとう身内だけの集まりの時間になりました。
お姉様達は、普通にパーティーの続きをするとしか思っていません。
ですから、私とクレイが出席するのを嫌がったみたいですが、そこはお父様が何とかして下さいました。
ダイニングルームに集まり、お父様が一番上座に一人で座られ、向かって右側の席に私とクレイが座り、私達の向かい側に、お母様達が座られました。
パーティーではあまり食べれなかったので、全員で軽い食事を済ませるまでは和やかな雰囲気でしたが、食べ終えた後、久しぶりに会ったお姉様は、私を見ると何か言いたくてしょうがないのか話しかけてきました。
「リサ、これから、あなたが私の仕事をしてよね?」
「どういう意味かわかりません」
「私達は結婚式を挙げた後、国民の前に出て祝福されないといけないの。大勢の前に出るんだから、美しくなければいけないでしょう?」
「それと仕事がどう関係するのでしょうか」
「関係するじゃない。仕事をしていると、ストレスが溜まるわ。そうなったら、お肌や健康に良くないでしょう? 好きな事をやっていられればストレスフリーの生活が送れるでしょう? あなた、全然、役に立っていないのだから、こんな時は役に立ちなさいよ」
お姉様はそう言って意地の悪そうな笑みを浮かべました。
すると、オッサムが焦った様な表情になります。
「どうしたんだよ、ブランカ。いつもと違うじゃないか。リサがいるから機嫌が悪いのか?」
「オッサム、それは間違っていないわ。だけど、結婚したから言ってしまうけれど、私、もともと、リサに対しては、こういう態度なのよ」
「ブランカ。いいかげんにしなさい。自分の仕事は自分でやるんだ。リサはリサで、すでにやってもらわないといけない仕事を任せているから」
「お父様はいつだってリサの肩をもつのですね! 私だって一生懸命頑張っていますのに!」
お姉様が立ち上がって、お父様に向かって叫びます。
「リサに何の価値がありますの?! お母様だって、リサの価値を見いだせていませんでしたのに!」
「それは、私が悪いのよ、ブランカ」
「いいえ、お母様は間違っていません! リサはこの王家に必要ない子なんですよ! そして、その夫であるクレイ殿下も!」
「いいかげんにしろ、ブランカ! もうそこで止めておきなさい」
お父様は私に国花が出ている事を知っていますから、言い続けさせればさせる程、お姉様の立場が悪くなる事をわかっておられますので、お姉様の発言を止めたいみたいです。
お姉様は、お母様だけでなく、お父様にも大事にされているのに、どうして、私にかまうのでしょうか。
自分が一番、愛されなければいけないと思う事は悪い事ではないのかもしれませんが、その感情は家族間の間でさえも必要な感情なのでしょうか。
「ブランカ殿下、婿養子として来ているので、あまり強く言うつもりはありませんが、一応、私も隣国の王族ですよ。家族に一切、連絡を取っていないとでも思ってるんですか?」
クレイの言葉に、お姉様が悔しそうな顔をして黙り込みました。
さすがのお姉様も、他国の王族と揉めるのは良くないと理解しているようですね。
「あの、お姉様、お話したい事があるのですが、よろしいでしょうか?」
「何よ、あなたの話なんて聞きたくないんだけど」
「そうですか。では、お姉様だけ出ていってもらえますか」
「何よ、それ! 今日の主役は私なのよ!」
「ええ。ですが、早い内にお伝えした方が良いかと思いまして」
これ以上、お姉様が自分の首を締める前に。
こんな日に言うのもどうかと思いますが、本当にオッサムとの結婚を喜んでいるのであれば、ショックは少し薄らぐはずです。
「何なのよ、一体」
「国花の話ですが…」
その言葉に、お父様とクレイ以外の三人がびくりと身体を震わせました。
私はお姉様達から言葉が返ってくるのを待たずに、はしたない事ではありますが、証拠を見せる為に、ワンショルダーのドレスを少し肩から腕の方にずらして、胸元を見せると、お姉様達は声にならない声を上げました。
「国花は私に出ました。次の女王になるのは、どうやら私の様です」
私の言葉を聞いたお母様は、両手で口を覆い、オッサムは頭を抱え、お姉様は今にも泣き出しそうな顔をしたのでした。
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