要らないと言われたので
兄は、家族のすべてだった。初孫で優秀、愛されて当然の存在。その兄のストレスの捌け口として、隆は“いらない”と切り捨てられて育った。祝福などできるはずもない兄の結婚式。心の距離は決定的になり、実家との縁も自然と途切れていった。だが、数年後――兄が病に倒れ、唯一のドナー候補として連絡が入る。
「お前なんて要らない」
そう言われ続けた過去の重みに、隆はひとつの選択を下す。血の繋がりを越えて、自分の人生を取り戻すために。
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