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地球
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落ち着ついて話せる場所に行こうと言う事で、一番近い矢島さんの住まいに行ってみたけど、結構人通りがあったり、不審な人が数人いたりして家に入るのを断念。
美咲お姉さんのアパートに帰る事になった。
移動中、美咲お姉さんは「多分矢島さんはマークされてるね」と言っていた。
それってリヴェルティア様の刺客に?…いや警察にかな。
到着したら「矢島さんと外で待ってて」と急いで家に入っていく美咲お姉さん。
「どうしたんだい?」
「あー…私がお姉さんの部屋を散らかしちゃって、それを片付けてくれてるんです」
「そっかぁ…気にしなくていいのに」
まあ…男の人を部屋に入れるのにあのままなのはちょっとね。
暫くしてお姉さんが出てきた。
「お待たせ。さあ、上がって」
「お、お邪魔します…」
矢島さんは緊張している様だった。
「それで、さっきみたいのがまだ沢山いるって事かい?」
「はい。リヴェルティア様が他にも転生者を連れてきているみたいなので、何人いるのか分かりません」
まさかあの4人以外にもあちらについている人がいるとは思ってなかった。
でも転生者の数は無茶苦茶多い訳ではないので、そんな頻繁に遭遇はしない筈だ。
「一つ思ったんだけど、その神様は美奈ちゃん達の位置を把握出来て無いみたいね?」
美咲さんの言う通り、私達をこちらに飛ばしたのはリヴェルティア様だけど、どうやら地球では何でもできる訳ではないらしい。私達を殺しにきている転生者達も、私を見つけるのに苦労している様子だった。
それなら仲間のみんなも見つかりにくい筈だし、私達は合流地点を決めている。
時間を掛ければ合流できるだろう。
「そうみたいです。大人しくしていればそう簡単には見つからないと思います」
「じゃあ行動方針は決まりだね。あとは…そうだな、みなちゃんの仲間の名前と特徴を教えてくれるかい?」
矢島さんが提案してくれたのは、午前中は手分けをしてみんなを探すと言うもの。お城の公園には私が待機で、その他は美咲お姉さんと矢島さんが探しに行ってくれるそう。
2人は車とバイクで走り回って、それらしい人物を見つけたら声をかけてくれるらしい。
「何かあったら…そうだな、このケータイを貸しておくからこれで連絡を取り合おう」
「え、でもそれだと矢島さんと連絡取れなくなっちゃいますよ」
「あー、俺2台持ちなんだよ。どっちもべつ会社でセルラー契約してあるから大丈夫だよ。でもそっちのSNSは開かないでね。書き手界隈でよくやり取りをしてるだけなんだけど、恥ずかしいし」
ケータイを2台ってるのって何か利点があるのかな?
「矢島さんはどんなの読んでるの?」
「ええと…」
ケータイを見せ合ってる2人。
何か良い雰囲気じゃない?
私、お邪魔かな?
「あれ…うそ…」
「ん?どうしたの?」
「こ、これ…私の書いてるやつ…」
「え!ミナトサキって美咲さんなの!?俺、ヤゴマシンジだよ」
「ホント!?」
2人はSNSで知り合いだったらしい。
そういえば『バイトクビになりそう』とか話してたっけ…。あれ矢島さんだったんだね。
スゴい偶然だ。
2人は随分前から作家としては知り合いだったらしく、ネットではかなり親しくやり取りをしていたそう。
作家名のミナトサキは本名『みなとがわみさき』の短縮。ヤゴマシンジは『やじましんご』のアナグラムなんだね。
「じゃあ、俺そろそろ帰るわ」
「矢島さん、家の周りにいた人なんだけど、多分張り込まれてると思うんだ。だから今日は帰らずにここに泊まっていった方が良くない?」
「え…いや…それは…」
「そ、そうだよね…ごめん」
2人ともぎこちないやり取りをしている。
「でも、さっき戦って騒ぎになってるだろうし、矢島さんがますます疑われちゃうと思うから今日は戻らない方が良いと思います」
私が迷惑を掛けちゃってるんだけど。
「分かったよ。今日はここに泊めてもらうよ」
「うん…」
それからシャワーを浴びて、お姉さんのシャツを借りて着替えて休む事に。
着替えとか買わないといけなかったなぁ。
ーーーー
次の日。
「じゃあ、昨日の予定通りで」
「美奈ちゃん、何かあったら電話してね」
「はい。お2人も気をつけて」
私はお姉さんの車で公園に送ってもらって待機することに。
待っていたけど今日も誰も現れず。
そろそろお昼になろうとしている時に電話が鳴った。矢島さんだ。
『もしもしみなちゃん?今気になる話を聞いたんだけど、商店街に変なコスプレ集団が居たんだって』
「どんな人達だったんですか?」
『大人の男性が2人、女性が1人、女の子が1人で全員外国人だったらしい。スゴい完成度の高いファンタジー風のコスプレだったそうだよ』
「それは多分…」
ルーティアさん達じゃないかな?装備を教えて目撃者に聞いてもらうと、おおよその特徴が一致していた。
「それで、今その人達はどこに?」
『警察が来て連れて行ったらしい。交番には居なかったよ。警察署に連れて行かれたのかも』
「分かりました!美咲お姉さんとそっちに行きますね」
電話を切って美咲お姉さんに状況を説明したらすぐこちらに来てくれた。
商店街で矢島さんと合流して警察署に向かう。警察署は大騒ぎになっていた。
どうしたんだろう?
「君達、今ここは封鎖中だ。悪いが離れてくれ」
「どうしたんですか?」
「保護した外国人が暴れ出して逃走したんだよ。建物は一部損壊、だから今署には立ち入り禁止だ」
ルーティアさん達は言葉が通じないだろうから、きっとここにいるのは良くないと判断して力尽くで脱出してしまったのだろう。
「どっちに逃げたとか知りませんか?」
「そんな事は教えられないよ。さあ、もう帰りなさい」
封鎖をしていた警察官の人に追い払われてしまった。
「これは一足違いだったみたいだね」
「でも近くにいるかも知れません。探してみましょう」
「それなら手分けをしよう」
「分かったわ」「了解です」
3人で分かれて探しにいく。
近くにいるとは言っても、身体能力的に走ったら車より早いかも知れない。
でも折角見つけた手がかりだ。何とか先輩達4人と合流したい。
私は町の中を不自然じゃない程度の速度で走りながら探していく。
暫くの間うろついてみたけど、残念ながら足取りを追う事は出来なかった。
美咲お姉さん、矢島さんも私と同じだった。
美咲お姉さんのアパートに帰る事になった。
移動中、美咲お姉さんは「多分矢島さんはマークされてるね」と言っていた。
それってリヴェルティア様の刺客に?…いや警察にかな。
到着したら「矢島さんと外で待ってて」と急いで家に入っていく美咲お姉さん。
「どうしたんだい?」
「あー…私がお姉さんの部屋を散らかしちゃって、それを片付けてくれてるんです」
「そっかぁ…気にしなくていいのに」
まあ…男の人を部屋に入れるのにあのままなのはちょっとね。
暫くしてお姉さんが出てきた。
「お待たせ。さあ、上がって」
「お、お邪魔します…」
矢島さんは緊張している様だった。
「それで、さっきみたいのがまだ沢山いるって事かい?」
「はい。リヴェルティア様が他にも転生者を連れてきているみたいなので、何人いるのか分かりません」
まさかあの4人以外にもあちらについている人がいるとは思ってなかった。
でも転生者の数は無茶苦茶多い訳ではないので、そんな頻繁に遭遇はしない筈だ。
「一つ思ったんだけど、その神様は美奈ちゃん達の位置を把握出来て無いみたいね?」
美咲さんの言う通り、私達をこちらに飛ばしたのはリヴェルティア様だけど、どうやら地球では何でもできる訳ではないらしい。私達を殺しにきている転生者達も、私を見つけるのに苦労している様子だった。
それなら仲間のみんなも見つかりにくい筈だし、私達は合流地点を決めている。
時間を掛ければ合流できるだろう。
「そうみたいです。大人しくしていればそう簡単には見つからないと思います」
「じゃあ行動方針は決まりだね。あとは…そうだな、みなちゃんの仲間の名前と特徴を教えてくれるかい?」
矢島さんが提案してくれたのは、午前中は手分けをしてみんなを探すと言うもの。お城の公園には私が待機で、その他は美咲お姉さんと矢島さんが探しに行ってくれるそう。
2人は車とバイクで走り回って、それらしい人物を見つけたら声をかけてくれるらしい。
「何かあったら…そうだな、このケータイを貸しておくからこれで連絡を取り合おう」
「え、でもそれだと矢島さんと連絡取れなくなっちゃいますよ」
「あー、俺2台持ちなんだよ。どっちもべつ会社でセルラー契約してあるから大丈夫だよ。でもそっちのSNSは開かないでね。書き手界隈でよくやり取りをしてるだけなんだけど、恥ずかしいし」
ケータイを2台ってるのって何か利点があるのかな?
「矢島さんはどんなの読んでるの?」
「ええと…」
ケータイを見せ合ってる2人。
何か良い雰囲気じゃない?
私、お邪魔かな?
「あれ…うそ…」
「ん?どうしたの?」
「こ、これ…私の書いてるやつ…」
「え!ミナトサキって美咲さんなの!?俺、ヤゴマシンジだよ」
「ホント!?」
2人はSNSで知り合いだったらしい。
そういえば『バイトクビになりそう』とか話してたっけ…。あれ矢島さんだったんだね。
スゴい偶然だ。
2人は随分前から作家としては知り合いだったらしく、ネットではかなり親しくやり取りをしていたそう。
作家名のミナトサキは本名『みなとがわみさき』の短縮。ヤゴマシンジは『やじましんご』のアナグラムなんだね。
「じゃあ、俺そろそろ帰るわ」
「矢島さん、家の周りにいた人なんだけど、多分張り込まれてると思うんだ。だから今日は帰らずにここに泊まっていった方が良くない?」
「え…いや…それは…」
「そ、そうだよね…ごめん」
2人ともぎこちないやり取りをしている。
「でも、さっき戦って騒ぎになってるだろうし、矢島さんがますます疑われちゃうと思うから今日は戻らない方が良いと思います」
私が迷惑を掛けちゃってるんだけど。
「分かったよ。今日はここに泊めてもらうよ」
「うん…」
それからシャワーを浴びて、お姉さんのシャツを借りて着替えて休む事に。
着替えとか買わないといけなかったなぁ。
ーーーー
次の日。
「じゃあ、昨日の予定通りで」
「美奈ちゃん、何かあったら電話してね」
「はい。お2人も気をつけて」
私はお姉さんの車で公園に送ってもらって待機することに。
待っていたけど今日も誰も現れず。
そろそろお昼になろうとしている時に電話が鳴った。矢島さんだ。
『もしもしみなちゃん?今気になる話を聞いたんだけど、商店街に変なコスプレ集団が居たんだって』
「どんな人達だったんですか?」
『大人の男性が2人、女性が1人、女の子が1人で全員外国人だったらしい。スゴい完成度の高いファンタジー風のコスプレだったそうだよ』
「それは多分…」
ルーティアさん達じゃないかな?装備を教えて目撃者に聞いてもらうと、おおよその特徴が一致していた。
「それで、今その人達はどこに?」
『警察が来て連れて行ったらしい。交番には居なかったよ。警察署に連れて行かれたのかも』
「分かりました!美咲お姉さんとそっちに行きますね」
電話を切って美咲お姉さんに状況を説明したらすぐこちらに来てくれた。
商店街で矢島さんと合流して警察署に向かう。警察署は大騒ぎになっていた。
どうしたんだろう?
「君達、今ここは封鎖中だ。悪いが離れてくれ」
「どうしたんですか?」
「保護した外国人が暴れ出して逃走したんだよ。建物は一部損壊、だから今署には立ち入り禁止だ」
ルーティアさん達は言葉が通じないだろうから、きっとここにいるのは良くないと判断して力尽くで脱出してしまったのだろう。
「どっちに逃げたとか知りませんか?」
「そんな事は教えられないよ。さあ、もう帰りなさい」
封鎖をしていた警察官の人に追い払われてしまった。
「これは一足違いだったみたいだね」
「でも近くにいるかも知れません。探してみましょう」
「それなら手分けをしよう」
「分かったわ」「了解です」
3人で分かれて探しにいく。
近くにいるとは言っても、身体能力的に走ったら車より早いかも知れない。
でも折角見つけた手がかりだ。何とか先輩達4人と合流したい。
私は町の中を不自然じゃない程度の速度で走りながら探していく。
暫くの間うろついてみたけど、残念ながら足取りを追う事は出来なかった。
美咲お姉さん、矢島さんも私と同じだった。
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