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講義が終わり片付け始めていると、怜のポケットが震えた。確認すると美羽からだった。今日は、美羽は文乃とクレープを食べに行くとか何とか言っていたのをぼんやり思い出しながら「このあと、渡さんって授業ある?」という内容に、疑問符を浮かべながら隣で揺れる天然パーマを見る。その下にある顔は聞くまでもなく暇だと書かれていた。実際この授業が終わったら、飲みに行こうと渡に誘われていたが、断るとわかりやすくふて腐れていたから間違いない。
「ない。この後は帰るだけだ」とだけ指を滑らせると「渡さん捕まえておいて」という返答。なんのことやらと思っていると教授が視界の端で手招きしているのがみえた。
怜はぁっと深く息を吐く。
「渡、ちょっと待っててくれ」
「何だ?」と問われて答えを視線で送ると、あぁ。またかと、同情した目に変わり、早く行ってこいと目で追いたてられ仕方なく足を向けた。
「考えてくれたか? 共同研究の話」
「はい。お断りさせていただこうと思っていました」
怜の返答に、心底信じられないという顔をしている溝口教授の声量が上がり教室いっぱいに響く。
「どうしてだ? 一年間イギリスに行くことにはなるが、たった一年だぞ? それで大隈の経歴にも十分箔がつく。この研究は我々人工知能情報処理界的にも医療業界にも革新が起こる可能性を秘めているんだ。世界的に注目を集めている。そこに名を連ねられるんだぞ?」
身振り手振りを交えて焦りと興奮が入り交じった顔でそういう教授を怜は見返しながら、冷静な声色で返した。
「わかっています。いいお話を頂いていることは。でも、やっぱりお断りします」
怜の変わらぬ答えに教授は絶句するが、それを打ち消すように頭を横に振った。眉間に深い皺を寄せてじっと怜をみやる。
「……イギリス行きの飛行機は九月。つまり、熟考するにはまだ時間がある。ゼミ旅行の日が最終期限だ。だから、よく考えてくれ。いい答えを期待しているからな」
ポンと怜の肩を叩いて、溝口教授は教室を出て行った。
叩かれた肩がやけに重く感じて、怜はぁっと全身からため息をつくと頬杖をつきながらこちらを見ていた視線とかち合った。待たせていた渡のもとへと戻る。
「あの溝口教授が焦るのなんて機械の前だけなのに、人間に対してあんなに慌てふためくことなんてあるんだな」
その感想を無言で聞き流しながら、中途半端に机に残っていたノートやら筆記用具をしまい込み始める怜。椅子に座ったままの渡は背もたれに体を預けながら「でもよぉ、純粋に疑問なんだけど」と怜の背中に投げかけた。
「なんであの話受けないんだよ。あんなおいしい話を断るなんてどうしたんだよ?」
渡はそう質問しておきながら、すぐに「あ」と声を上げていった。
「もしかして、美羽ちゃんと離れたくないとか?」
勝手に導き出した渡の答えを背中で聞きながら、すべて片付け終えた怜は「無駄なこと言ってないで、行くぞ」と未だに座っている渡を置いて、先を歩き出す。それを慌てて追いかけてくる渡は話の続きを始めた。
「お前が美羽ちゃんにベタ惚れだってことは重々知ってる。だけど、たった一年だぜ? 一生会えなくなるわけじゃない。それくらい、どうってことないだろ。また戻ってきたらいくらだって会える。それに引き換え、この話はこの一回きりだ。諦めるなんて、もったいなさすぎるだろ」
説得してくる横にある暑苦しい顔を怜は一瞥する。
確かに、俺たちにとってはたった一年だ。一年なんて、気づいたらとっくに過ぎていたと思う程度かもしれない。だけど、美羽は違う。普通の人間の一年は、美羽にとっては五年。或いは十年。それ以上の時間の密度かもしれない。もし自分がいない間に体調を崩すようなことがあったら。最悪の事態が起こってしまったら。そう思ったら、踏み出そうにも踏み出せない。
それに……いや、それ以上に。思い出したくもない両親の姿が嫌でも目の前に立ちはだかって自分を見下ろしてくる。
「医者にならないお前はもう、大隈家の人間じゃない」そういい放ったあの時の冷ややかな目が容赦なく突きつけられる。どんな形であれ医療とは関わりたくない。その思いを含め選んだこの道だったはずなのに。これでは、本末転倒だ。
ぐっと下唇を噛む怜の横で、しつこく喚いてい来る渡に怜は正面を据えて冷ややかに言っていた。
「だったら、この話を渡に譲る」
その冷たく言い放った怜の一言で、渡は一気に目を吊り上げ怒りの顔に染め上げていた。
「お前、俺を馬鹿にしてんのか? 教授は俺や他のゼミの人間には無理だと踏んで、お前に話を持ってきてることくらいわかってんだろ? この話はほかの誰でもない、お前じゃなきゃダメだって教授はそう言ってるんだ!」
「俺の家が病院だから、話を持ち込まれただけだ」
「そんな短絡的な色眼鏡で、お前に声がかかったとでも思ってんのか? あの教授がそんなことすると思うか? 絶対しないことくらいわかってんだろ!」
「俺なんかじゃ、役不足だって言ってんだよ」ぎりっと奥歯を噛んで、悔しそうに言い放つ言葉を避けながら、教室を出る。渡の耳を塞ぎたくなるようなバカでかい声が廊下まで響いていたのかもしれない。少し驚いたような顔をした美羽と文乃が立っていて、怜と渡も目を見開いた。
渡は急に中断された怜への思いを無理やり押し込んだのかバツの悪そうな顔で口をへの字にして押し黙る。ピリッとした空気が二人から流れていたことに気付いた文乃が美羽に耳打ちしていた。
「取り込み中みたいだから、行こうよ」
そういって踵を返そうとする文乃に、美羽は「ちょっと待って」と呼び止める。そして、険悪な二人の空気を完全に無視して、重苦しい空気を吹き飛ばすように言った。
「ねぇ、怜。私すっかり忘れてたんだけど、今日映画観に行く約束してたよね」
ニコリと笑い平然とそういう美羽。今日は会う約束さえもしていないはずだと思いながら、美羽の真意がどこにあるのか見つめていると文乃が惜しげもなく不満そうな顔をして叫んでいた。
「えー! この後クレープ一緒に行くって約束してたじゃない」
「ごめん! すっかり忘れてたの! 今度改めて付き合うからさ」
といった後、美羽はすぐに「あ、そうだ」とポンと手を叩くと、むすっとした顔の渡の顔に視線を向けた。
美羽の大袈裟すぎてぎこちなく見える手の動きと不自然すぎる閃きの声に、先ほど渡とやりあった煙たい気持ちは吹き飛び、怜に困惑が浮かぶ。美羽は、気にせずそのあとを続けた。
「渡さん、今日暇ですよね?」
自分が教えたこととはいえ、完全に渡の予定を決めつけにかかっている美羽。それに「え?」とまの抜けた顔をする渡。その二人のやり取りに苦笑しながら、怜はそのあとの経緯を見守ることにした。
「渡さん、この後文乃に付き合ってあげてくれませんか? 今日、クレープ屋さん行こうって文乃に誘われてたんです。でも、私今日の予定すっかり忘れてて」
美羽が突然そんなことを言い出したのに驚いている文乃と、渡。完全に渡の顔にも怜とやりあった険悪さは、消えていた。二人の目を交互に見ながら、美羽はふふっと笑う。
暫しの沈黙の後、渡は少し頭を掻きながら「文乃ちゃんが迷惑じゃなければ……」と呟くのを聞いて、美羽は渡の背中に回り込んで押し出した。
「じゃ、渡さん。文乃のこと末永く、よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる美羽に文乃も渡も大分唖然としていたようだが、すぐに気を取り直して二人は顔を見合わせる。少し顔を赤くして笑っている二人の横顔に美羽は「行ってらっしゃい」と手を振った。
すると、文乃は美羽を軽く睨んだ後は、すぐに渡と楽し気に会話を始めていた。
「じゃあ、渡さん。今日は美羽の代わりお願いします! 行きたいところいっぱいあるので、覚悟してくださいね」
明るい文乃の声と渡の笑い声を廊下に響かせながらその場を離れていく。
その様子を満足げに見ていた美羽に怜は苦笑しながら言った。
「下手な演技だな」
「大女優の間違いでしょ?」
ご機嫌だった顔に、むっとした顔に変化させながら美羽は「突然押しかけて、ごめんね」と謝っていた。
何を今更と思う。美羽はいつも突然で、驚かされることは多い。
だけど、それは不快に騒めくことなく、何故か心地よくふわりと気持ちが浮かぶ。
「じゃあ、行こうか」
自然と、口元は上向いてそういう怜に美羽はきょとんとした目をさせていた。
「今日、約束してないよ」
「さっき、映画に行くって言ってただろ」
そういう怜に、その横に並んで美羽は嬉しそうに笑っていた。
「ない。この後は帰るだけだ」とだけ指を滑らせると「渡さん捕まえておいて」という返答。なんのことやらと思っていると教授が視界の端で手招きしているのがみえた。
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「何だ?」と問われて答えを視線で送ると、あぁ。またかと、同情した目に変わり、早く行ってこいと目で追いたてられ仕方なく足を向けた。
「考えてくれたか? 共同研究の話」
「はい。お断りさせていただこうと思っていました」
怜の返答に、心底信じられないという顔をしている溝口教授の声量が上がり教室いっぱいに響く。
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身振り手振りを交えて焦りと興奮が入り交じった顔でそういう教授を怜は見返しながら、冷静な声色で返した。
「わかっています。いいお話を頂いていることは。でも、やっぱりお断りします」
怜の変わらぬ答えに教授は絶句するが、それを打ち消すように頭を横に振った。眉間に深い皺を寄せてじっと怜をみやる。
「……イギリス行きの飛行機は九月。つまり、熟考するにはまだ時間がある。ゼミ旅行の日が最終期限だ。だから、よく考えてくれ。いい答えを期待しているからな」
ポンと怜の肩を叩いて、溝口教授は教室を出て行った。
叩かれた肩がやけに重く感じて、怜はぁっと全身からため息をつくと頬杖をつきながらこちらを見ていた視線とかち合った。待たせていた渡のもとへと戻る。
「あの溝口教授が焦るのなんて機械の前だけなのに、人間に対してあんなに慌てふためくことなんてあるんだな」
その感想を無言で聞き流しながら、中途半端に机に残っていたノートやら筆記用具をしまい込み始める怜。椅子に座ったままの渡は背もたれに体を預けながら「でもよぉ、純粋に疑問なんだけど」と怜の背中に投げかけた。
「なんであの話受けないんだよ。あんなおいしい話を断るなんてどうしたんだよ?」
渡はそう質問しておきながら、すぐに「あ」と声を上げていった。
「もしかして、美羽ちゃんと離れたくないとか?」
勝手に導き出した渡の答えを背中で聞きながら、すべて片付け終えた怜は「無駄なこと言ってないで、行くぞ」と未だに座っている渡を置いて、先を歩き出す。それを慌てて追いかけてくる渡は話の続きを始めた。
「お前が美羽ちゃんにベタ惚れだってことは重々知ってる。だけど、たった一年だぜ? 一生会えなくなるわけじゃない。それくらい、どうってことないだろ。また戻ってきたらいくらだって会える。それに引き換え、この話はこの一回きりだ。諦めるなんて、もったいなさすぎるだろ」
説得してくる横にある暑苦しい顔を怜は一瞥する。
確かに、俺たちにとってはたった一年だ。一年なんて、気づいたらとっくに過ぎていたと思う程度かもしれない。だけど、美羽は違う。普通の人間の一年は、美羽にとっては五年。或いは十年。それ以上の時間の密度かもしれない。もし自分がいない間に体調を崩すようなことがあったら。最悪の事態が起こってしまったら。そう思ったら、踏み出そうにも踏み出せない。
それに……いや、それ以上に。思い出したくもない両親の姿が嫌でも目の前に立ちはだかって自分を見下ろしてくる。
「医者にならないお前はもう、大隈家の人間じゃない」そういい放ったあの時の冷ややかな目が容赦なく突きつけられる。どんな形であれ医療とは関わりたくない。その思いを含め選んだこの道だったはずなのに。これでは、本末転倒だ。
ぐっと下唇を噛む怜の横で、しつこく喚いてい来る渡に怜は正面を据えて冷ややかに言っていた。
「だったら、この話を渡に譲る」
その冷たく言い放った怜の一言で、渡は一気に目を吊り上げ怒りの顔に染め上げていた。
「お前、俺を馬鹿にしてんのか? 教授は俺や他のゼミの人間には無理だと踏んで、お前に話を持ってきてることくらいわかってんだろ? この話はほかの誰でもない、お前じゃなきゃダメだって教授はそう言ってるんだ!」
「俺の家が病院だから、話を持ち込まれただけだ」
「そんな短絡的な色眼鏡で、お前に声がかかったとでも思ってんのか? あの教授がそんなことすると思うか? 絶対しないことくらいわかってんだろ!」
「俺なんかじゃ、役不足だって言ってんだよ」ぎりっと奥歯を噛んで、悔しそうに言い放つ言葉を避けながら、教室を出る。渡の耳を塞ぎたくなるようなバカでかい声が廊下まで響いていたのかもしれない。少し驚いたような顔をした美羽と文乃が立っていて、怜と渡も目を見開いた。
渡は急に中断された怜への思いを無理やり押し込んだのかバツの悪そうな顔で口をへの字にして押し黙る。ピリッとした空気が二人から流れていたことに気付いた文乃が美羽に耳打ちしていた。
「取り込み中みたいだから、行こうよ」
そういって踵を返そうとする文乃に、美羽は「ちょっと待って」と呼び止める。そして、険悪な二人の空気を完全に無視して、重苦しい空気を吹き飛ばすように言った。
「ねぇ、怜。私すっかり忘れてたんだけど、今日映画観に行く約束してたよね」
ニコリと笑い平然とそういう美羽。今日は会う約束さえもしていないはずだと思いながら、美羽の真意がどこにあるのか見つめていると文乃が惜しげもなく不満そうな顔をして叫んでいた。
「えー! この後クレープ一緒に行くって約束してたじゃない」
「ごめん! すっかり忘れてたの! 今度改めて付き合うからさ」
といった後、美羽はすぐに「あ、そうだ」とポンと手を叩くと、むすっとした顔の渡の顔に視線を向けた。
美羽の大袈裟すぎてぎこちなく見える手の動きと不自然すぎる閃きの声に、先ほど渡とやりあった煙たい気持ちは吹き飛び、怜に困惑が浮かぶ。美羽は、気にせずそのあとを続けた。
「渡さん、今日暇ですよね?」
自分が教えたこととはいえ、完全に渡の予定を決めつけにかかっている美羽。それに「え?」とまの抜けた顔をする渡。その二人のやり取りに苦笑しながら、怜はそのあとの経緯を見守ることにした。
「渡さん、この後文乃に付き合ってあげてくれませんか? 今日、クレープ屋さん行こうって文乃に誘われてたんです。でも、私今日の予定すっかり忘れてて」
美羽が突然そんなことを言い出したのに驚いている文乃と、渡。完全に渡の顔にも怜とやりあった険悪さは、消えていた。二人の目を交互に見ながら、美羽はふふっと笑う。
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「じゃ、渡さん。文乃のこと末永く、よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる美羽に文乃も渡も大分唖然としていたようだが、すぐに気を取り直して二人は顔を見合わせる。少し顔を赤くして笑っている二人の横顔に美羽は「行ってらっしゃい」と手を振った。
すると、文乃は美羽を軽く睨んだ後は、すぐに渡と楽し気に会話を始めていた。
「じゃあ、渡さん。今日は美羽の代わりお願いします! 行きたいところいっぱいあるので、覚悟してくださいね」
明るい文乃の声と渡の笑い声を廊下に響かせながらその場を離れていく。
その様子を満足げに見ていた美羽に怜は苦笑しながら言った。
「下手な演技だな」
「大女優の間違いでしょ?」
ご機嫌だった顔に、むっとした顔に変化させながら美羽は「突然押しかけて、ごめんね」と謝っていた。
何を今更と思う。美羽はいつも突然で、驚かされることは多い。
だけど、それは不快に騒めくことなく、何故か心地よくふわりと気持ちが浮かぶ。
「じゃあ、行こうか」
自然と、口元は上向いてそういう怜に美羽はきょとんとした目をさせていた。
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