22 / 34
親友
しおりを挟む
学生特有の喧噪溢れる学食は昼を過ぎると、人が引き始め落ち着きを戻す。美羽は必ずその頃を見計らって、ここへ来るようにするのが日課となっていた。この食堂はオムライスが評判で、別名オムライス食堂と学生達の間で呼ばれている。
美羽もまたいつもの人気のオムライスを頼み、セルフサービスの水を持って、なるべく誰にも見つからないように食堂の一番奥の角の席に一人座る。そして、鞄の中から白いポーチを取り出していた。これまで家を出る前に飲んでおけば何とかなった薬が、この前の騒動で増えてしまいどうしても学校に持ち込まざるを得なくなったのだ。そっと何種類かある薬を口に含み水で流し込む。はあっと息をついて、机の上に散乱した薬が入っていたゴミを拾い上げていると
「美羽!」
突然、文乃の声が飛んできて、驚いて手に持っていたゴミを慌てて鞄に詰め込む。文乃とは確かここで待ち合わせはしていた。だけど、この時間文乃は授業があるはずだ。
不自然にならないようにそっと抱えていた鞄を椅子において、文乃に慌てて笑いかけた。
「文乃、授業あったんじゃなかったっけ?」
「急遽休講になったのよ。美羽ももうここにいるかなと思ったし、ついでに今日食べ損ねたお昼食べようと思ってね。で? 大隈先輩この前、どうだった?」
互いの目の前にケチャップの香と湯気がたつオムライスを口をつける前にそう聞いてきた。
その問いに美羽が笑顔で返せば「そうか、そうか」と満足そうに文乃は顔を蕩けさせてオムライスを頬張った。「やっぱここの学食はオムライスよね!」と美味しい顔をして嬉しそうにいう文乃に、美羽も釣られて半熟卵とライスを口運んだ。
「うん、本当においしい」
「美羽の幸せそうな顔も見られて、更に旨味が増すわ」
笑いながらそういう文乃に美羽はあははっと笑って、もう一口頬張る。本当に、いつもよりも美味しく感じるのは自惚れだと思いながら、美羽は静かに咀嚼し飲み込む。
「ありがとね。お陰でずっと踏み出せなかった重い一歩が踏み出せた。文乃ってすごいね。人生の指導者みたい」
「でしょ?」といって、オムライスをいっぱいに頬張ってほくほく血色のいい顔にまた笑顔がこぼれた。
「じゃあ、私は大隈先輩と美羽のキューピットの役割を果たせたということで、昨日オープンしたクレープ屋さんに今日付き合ってね」
「お供させていただきます」
美羽の返答に満足そうな顔をした文乃は、またカラリと笑った。文乃の明るい顔を見ているだけで、湿っぽかった心がカラッと晴れ渡る。私は目の奥を見れば人の心を読むことができる。それに対して、文乃は人を周りの人を明るくさせる不思議な力が備わっているのかもしれない。その力が何よりも素直に羨ましいと思った。
俊巡しながら水を一口飲むと、すっと喉に冷たさが通っていってふと思い浮かぶものがあった。こんなほの暗い自分じゃない、全く正反対の文乃が自分のような状況にあったとしたら、どんな答えを出していたのだろうか。
美羽は「この前ドラマで見たんだけどさ」と前置きをしてから、尋ねた。
「もしも、文乃が好きになった人が短命だってわかったらどうする?」
美羽の視線は自然とオムライスに視線を落とすと、文乃の答えはほんの数秒でハッキリと返ってきた。
「諦めるかなぁ」
口に運ぼうとしたスプーンがその答えに一瞬ピタリと止まるが、ライスを乗せたスプーンがやけに重く感じて、美羽はそのまま口に運んだ。どこまでも明るい文乃だって、その選択をするのならば怜は、どんな思いでこの手を掴む選択をしてくれたのだろう。そう思ったら、また気持ちが沈みそうになってくる。そうなりたくなくて、味覚へ集中するために丁寧に咀嚼した。
「やっぱり、普通そうだよね。辛いもんね。死なれて別れるのって」
発せられていた声は予想以上に沈んでいたようだった。それにすぐに気づいた文乃はあははと笑っていた。
そんなに酷く分かりやすかったかしらと反省しながら文乃を見返すと明るい声が鏡から反射するように返ってきた。
「違う違う。そういう意味じゃなくて、諦めることを諦めるっていう意味よ。
だって、もうその人好きになっちゃってるわけでしょ? だったら、もう仕方ないじゃん。短命だから、嫌いになるなんてできっこないもの。きっとその相手も落ち込んでるんだろうし、その分楽しくしてあげようって思う。それで、たとえ悲しい別れをしたとしても、二人の思い出を大事に胸にしまって、また次へって思うかな。私の場合はね」
当然だというように、そういう文乃に美羽はさすがだなと思う。とても、敵わない。
「じゃあ、逆に美羽はどう? 大隈先輩がそんな感じだったら」
考えたこともない突然の文乃の問い返しに、美羽の言葉が詰まった。口の中に広がっていた甘酸っぱいケチャップが急に甘さを失って、苦いくらい酸っぱくなる。
そういえば、想像もしたことがなかった。いつも考えることは自分が先にいなくなる未来ばかり。大事な人が、怜が先にいなくなった世界なんて微塵も想像したことがなかった。その瞬間、自分は随分と自己中心的な人間だったんだと今更ながら、気付いて愕然とした。
初めて想像する、もしもの世界。立場が逆だったとしたら。私じゃなくて怜だったら。美羽は考えるまでもなく口をついた。
「……きっと立ち直れない」
明るい道筋なんて少しも想像できずそういう美羽に文乃はさらりという。
「あ。そういえばね。私の父。昔癌で死んだのよ」
普通ならそんなつらい話をするときは居住まいを正して切り出しそうなのものを、文乃はいつもの自然体で明るくそういいながら残りのオムライスをパクついていた。一方の美羽は突然の告白にごくりと息を飲んでいたが、気にせず文乃は続けた。
「そりゃあ、死んじゃったときはさすがに落ち込んだわ。けどさ、うちの血筋なのか、こんな悲しい出来事、絶体乗り越えて明るく生きてやるってむくむく闘志みたいなのが沸き上がってきてね。そんなに落ち込む時間もなく、今の私が形成されたわけ。
ま、母の方がやっぱり落ち込みは激しかったけど、それでも今はちゃんと前向いて、楽しそうにしてるよ。友達と旅行行きまくって、わいわいやってる。意外と人って強くて、そうやって乗り越えていけるんだよ。きっと」
人にもよるかもしれないけどさ。と付けて足して、文乃はもぐもぐ口の中の最後の一口を飲み込んだ。そして「あぁ、美味しかった」とまたいつもの顔で笑う。
「まぁ、美羽とか大隈先輩は、真面目だから落ち込み具合は強いかもしれないけど、そんな時はさ。私がしつこいくらい、四六時中くっついて回って、ちゃんと引き上げてあげるから安心してよ。それでも、もう生きていけませんっていうくらい落ち込むんだったら、そのキレイな顔に私の手形がつくくらいひっぱたいてでも前を向かせてあげるよ」
本当に文乃は強い人なんだと思う。そんな人が友人として近くにいてくれることに、心からありがたく思った。彼女がいれば、きっと大丈夫。そんな気がした。そして、ふと浮かぶもう一つの顔。
「そっか。ありがとう。じゃあ、渡さんと一緒にお願いね」
「え? なんで渡さん?」
きょとんと大きく見開く目の奥を美羽はそっと覗き込んで、確信を得る。まだ文乃は気付いていないみたいだけれど、渡と同じような思いが確かに見え隠れしていた。渡の顔を思い浮かべながら、美羽は計画をそっと練って、ニコリと笑って見せた。
「怜の親友でもあるからさ」
「あ、そういうことか。うん、任せて!とことん付き合うからさ!」
「頼りにしてる。本当に」
最後の言葉は真面目腐ってそういう美羽に、文乃は少し不安気に眉根を寄せて「今、もしもの話してるんだよね?」と確認してきた。
美羽は、その大きなキラキラした目をまっすぐ見据えてふふっと笑う。
「そう。もしもの話」
美羽は、最後の一口残ったオムライスを食べ終えた。
美羽もまたいつもの人気のオムライスを頼み、セルフサービスの水を持って、なるべく誰にも見つからないように食堂の一番奥の角の席に一人座る。そして、鞄の中から白いポーチを取り出していた。これまで家を出る前に飲んでおけば何とかなった薬が、この前の騒動で増えてしまいどうしても学校に持ち込まざるを得なくなったのだ。そっと何種類かある薬を口に含み水で流し込む。はあっと息をついて、机の上に散乱した薬が入っていたゴミを拾い上げていると
「美羽!」
突然、文乃の声が飛んできて、驚いて手に持っていたゴミを慌てて鞄に詰め込む。文乃とは確かここで待ち合わせはしていた。だけど、この時間文乃は授業があるはずだ。
不自然にならないようにそっと抱えていた鞄を椅子において、文乃に慌てて笑いかけた。
「文乃、授業あったんじゃなかったっけ?」
「急遽休講になったのよ。美羽ももうここにいるかなと思ったし、ついでに今日食べ損ねたお昼食べようと思ってね。で? 大隈先輩この前、どうだった?」
互いの目の前にケチャップの香と湯気がたつオムライスを口をつける前にそう聞いてきた。
その問いに美羽が笑顔で返せば「そうか、そうか」と満足そうに文乃は顔を蕩けさせてオムライスを頬張った。「やっぱここの学食はオムライスよね!」と美味しい顔をして嬉しそうにいう文乃に、美羽も釣られて半熟卵とライスを口運んだ。
「うん、本当においしい」
「美羽の幸せそうな顔も見られて、更に旨味が増すわ」
笑いながらそういう文乃に美羽はあははっと笑って、もう一口頬張る。本当に、いつもよりも美味しく感じるのは自惚れだと思いながら、美羽は静かに咀嚼し飲み込む。
「ありがとね。お陰でずっと踏み出せなかった重い一歩が踏み出せた。文乃ってすごいね。人生の指導者みたい」
「でしょ?」といって、オムライスをいっぱいに頬張ってほくほく血色のいい顔にまた笑顔がこぼれた。
「じゃあ、私は大隈先輩と美羽のキューピットの役割を果たせたということで、昨日オープンしたクレープ屋さんに今日付き合ってね」
「お供させていただきます」
美羽の返答に満足そうな顔をした文乃は、またカラリと笑った。文乃の明るい顔を見ているだけで、湿っぽかった心がカラッと晴れ渡る。私は目の奥を見れば人の心を読むことができる。それに対して、文乃は人を周りの人を明るくさせる不思議な力が備わっているのかもしれない。その力が何よりも素直に羨ましいと思った。
俊巡しながら水を一口飲むと、すっと喉に冷たさが通っていってふと思い浮かぶものがあった。こんなほの暗い自分じゃない、全く正反対の文乃が自分のような状況にあったとしたら、どんな答えを出していたのだろうか。
美羽は「この前ドラマで見たんだけどさ」と前置きをしてから、尋ねた。
「もしも、文乃が好きになった人が短命だってわかったらどうする?」
美羽の視線は自然とオムライスに視線を落とすと、文乃の答えはほんの数秒でハッキリと返ってきた。
「諦めるかなぁ」
口に運ぼうとしたスプーンがその答えに一瞬ピタリと止まるが、ライスを乗せたスプーンがやけに重く感じて、美羽はそのまま口に運んだ。どこまでも明るい文乃だって、その選択をするのならば怜は、どんな思いでこの手を掴む選択をしてくれたのだろう。そう思ったら、また気持ちが沈みそうになってくる。そうなりたくなくて、味覚へ集中するために丁寧に咀嚼した。
「やっぱり、普通そうだよね。辛いもんね。死なれて別れるのって」
発せられていた声は予想以上に沈んでいたようだった。それにすぐに気づいた文乃はあははと笑っていた。
そんなに酷く分かりやすかったかしらと反省しながら文乃を見返すと明るい声が鏡から反射するように返ってきた。
「違う違う。そういう意味じゃなくて、諦めることを諦めるっていう意味よ。
だって、もうその人好きになっちゃってるわけでしょ? だったら、もう仕方ないじゃん。短命だから、嫌いになるなんてできっこないもの。きっとその相手も落ち込んでるんだろうし、その分楽しくしてあげようって思う。それで、たとえ悲しい別れをしたとしても、二人の思い出を大事に胸にしまって、また次へって思うかな。私の場合はね」
当然だというように、そういう文乃に美羽はさすがだなと思う。とても、敵わない。
「じゃあ、逆に美羽はどう? 大隈先輩がそんな感じだったら」
考えたこともない突然の文乃の問い返しに、美羽の言葉が詰まった。口の中に広がっていた甘酸っぱいケチャップが急に甘さを失って、苦いくらい酸っぱくなる。
そういえば、想像もしたことがなかった。いつも考えることは自分が先にいなくなる未来ばかり。大事な人が、怜が先にいなくなった世界なんて微塵も想像したことがなかった。その瞬間、自分は随分と自己中心的な人間だったんだと今更ながら、気付いて愕然とした。
初めて想像する、もしもの世界。立場が逆だったとしたら。私じゃなくて怜だったら。美羽は考えるまでもなく口をついた。
「……きっと立ち直れない」
明るい道筋なんて少しも想像できずそういう美羽に文乃はさらりという。
「あ。そういえばね。私の父。昔癌で死んだのよ」
普通ならそんなつらい話をするときは居住まいを正して切り出しそうなのものを、文乃はいつもの自然体で明るくそういいながら残りのオムライスをパクついていた。一方の美羽は突然の告白にごくりと息を飲んでいたが、気にせず文乃は続けた。
「そりゃあ、死んじゃったときはさすがに落ち込んだわ。けどさ、うちの血筋なのか、こんな悲しい出来事、絶体乗り越えて明るく生きてやるってむくむく闘志みたいなのが沸き上がってきてね。そんなに落ち込む時間もなく、今の私が形成されたわけ。
ま、母の方がやっぱり落ち込みは激しかったけど、それでも今はちゃんと前向いて、楽しそうにしてるよ。友達と旅行行きまくって、わいわいやってる。意外と人って強くて、そうやって乗り越えていけるんだよ。きっと」
人にもよるかもしれないけどさ。と付けて足して、文乃はもぐもぐ口の中の最後の一口を飲み込んだ。そして「あぁ、美味しかった」とまたいつもの顔で笑う。
「まぁ、美羽とか大隈先輩は、真面目だから落ち込み具合は強いかもしれないけど、そんな時はさ。私がしつこいくらい、四六時中くっついて回って、ちゃんと引き上げてあげるから安心してよ。それでも、もう生きていけませんっていうくらい落ち込むんだったら、そのキレイな顔に私の手形がつくくらいひっぱたいてでも前を向かせてあげるよ」
本当に文乃は強い人なんだと思う。そんな人が友人として近くにいてくれることに、心からありがたく思った。彼女がいれば、きっと大丈夫。そんな気がした。そして、ふと浮かぶもう一つの顔。
「そっか。ありがとう。じゃあ、渡さんと一緒にお願いね」
「え? なんで渡さん?」
きょとんと大きく見開く目の奥を美羽はそっと覗き込んで、確信を得る。まだ文乃は気付いていないみたいだけれど、渡と同じような思いが確かに見え隠れしていた。渡の顔を思い浮かべながら、美羽は計画をそっと練って、ニコリと笑って見せた。
「怜の親友でもあるからさ」
「あ、そういうことか。うん、任せて!とことん付き合うからさ!」
「頼りにしてる。本当に」
最後の言葉は真面目腐ってそういう美羽に、文乃は少し不安気に眉根を寄せて「今、もしもの話してるんだよね?」と確認してきた。
美羽は、その大きなキラキラした目をまっすぐ見据えてふふっと笑う。
「そう。もしもの話」
美羽は、最後の一口残ったオムライスを食べ終えた。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちだというのに。
入社して配属一日目。
直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。
中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。
彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。
それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。
「俺が、悪いのか」
人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。
けれど。
「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」
あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちなのに。
星谷桐子
22歳
システム開発会社営業事務
中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手
自分の非はちゃんと認める子
頑張り屋さん
×
京塚大介
32歳
システム開発会社営業事務 主任
ツンツンあたまで目つき悪い
態度もでかくて人に恐怖を与えがち
5歳の娘にデレデレな愛妻家
いまでも亡くなった妻を愛している
私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?
元カレは隣の席のエース
naomikoryo
ライト文芸
【♪♪♪本編、完結しました♪♪♪】
東京で燃え尽きたアラサー女子が、地元の市役所に転職。
新しい人生のはずが、配属先の隣の席にいたのは――
十四年前、嘘をついて別れた“元カレ”だった。
冷たい態度、不器用な優しさ、すれ違う視線と未練の影。
過去を乗り越えられるのか、それとも……?
恋と再生の物語が、静かに、熱く、再び動き出す。
過去の痛みを抱えた二人が、地方の公務員として出会い直し、
心の距離を少しずつ埋めていく大人の再会ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる