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第10章
異世界の情報網は怖いです(3)
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「はいはい。ドリアの気持ちはよーくわかったから、そろそろ、解放してほしいかな……」
オレも軽くハグして、キスを返し、王太子から離れようとする。
このままくっついていたら、いきなり寝室直行になりかねないからね。
せっかく、みんなが頑張って夕食を用意してくれているんだから、残さず頂かないと、悪いだろう?
(……?)
あれ? ドリアが離れない?
なんだか、今日はいつも以上に、力強く抱きしめられる。
「ちょ、っ、く、くるし……」
抗議の声をあげたら、いきなり唇を塞がれた。
熱く濡れた舌が、驚くオレの口内めがけて乱暴に侵入し、中を強く蹂躙される。
「ん、ん、んんっ……?」
突然の乱暴なキスに、オレは目を白黒させた。
ドリアらしくない。
角度を何度も、何度も変えて、噛み付くかのようにオレの唇を奪ってくる。
抗議の声をあげようと口をひらいた瞬間、ドリアの舌が強引に奥まで入り込む。
そのまま咥内をあますことなく、ねっとりとなめまわされる。
奥深いところを堪能した後、強く舌が吸いあげられた。
ただ、ひたすら、相手の全部を奪おうとするかのような、飢えた強引なキスに、オレは抵抗できずに翻弄されてしまう。
唇がぷっくりと腫れ上がり、酸欠で頭がクラクラしてきたよ。
相手に対する思いやりも、技巧もなにもない。一方的で乱暴なキスなのに、ドリアに抱かれる悦びをしってしまったオレの躰は、ドロドロに溶かされてしまう。
だんだんと全身の力が抜け、視界がぼやけてきた。立っているのが辛い。
(なんか、ヤバい……)
召喚された初日は媚薬の原液を被ってしまってヤバい目にあったが、今日もなんだか、嫌な予感がする。
そのうち足がガクガク震えはじめ、力が抜けたとたん、オレは王太子に抱き上げられていた。
リニー少年がなにやら王太子に質問していたけど、すでに意識が朦朧としはじめていたオレには、よく聞こえなかった。
ドリアの「不要だ」という短い言葉だけが、はっきりと聞こえただけだ。
「お……怒って……る?」
オレのぼんやりとした呟きに、ドリアの顔がくしゃりと歪んだ。
苛ついているのか、後悔しているのか、我慢しようとしているのか、不思議な表情だった。
ドリアのキラキラと眩しい笑顔も素敵だとは思うが、本心を覗かせようとしない壁をオレはなんとなく感じていた。
今のドリアの表情の方が、血が通ったひとりのひとのような気がして、なんだか安心できる。
今まで見たことがないドリアの表情が見れて、なんだか嬉しくなる。
ちょっと微笑んでいたのかもしれない。
エルドリア王太子は一瞬、息を止めると、オレからのろのろと視線を外す。
身体がフワフワと揺れはじめた。
オレを抱いたまま、移動を始めたようである。
どこに行くんだ?
……と思ったら、寝室だった。
オレも軽くハグして、キスを返し、王太子から離れようとする。
このままくっついていたら、いきなり寝室直行になりかねないからね。
せっかく、みんなが頑張って夕食を用意してくれているんだから、残さず頂かないと、悪いだろう?
(……?)
あれ? ドリアが離れない?
なんだか、今日はいつも以上に、力強く抱きしめられる。
「ちょ、っ、く、くるし……」
抗議の声をあげたら、いきなり唇を塞がれた。
熱く濡れた舌が、驚くオレの口内めがけて乱暴に侵入し、中を強く蹂躙される。
「ん、ん、んんっ……?」
突然の乱暴なキスに、オレは目を白黒させた。
ドリアらしくない。
角度を何度も、何度も変えて、噛み付くかのようにオレの唇を奪ってくる。
抗議の声をあげようと口をひらいた瞬間、ドリアの舌が強引に奥まで入り込む。
そのまま咥内をあますことなく、ねっとりとなめまわされる。
奥深いところを堪能した後、強く舌が吸いあげられた。
ただ、ひたすら、相手の全部を奪おうとするかのような、飢えた強引なキスに、オレは抵抗できずに翻弄されてしまう。
唇がぷっくりと腫れ上がり、酸欠で頭がクラクラしてきたよ。
相手に対する思いやりも、技巧もなにもない。一方的で乱暴なキスなのに、ドリアに抱かれる悦びをしってしまったオレの躰は、ドロドロに溶かされてしまう。
だんだんと全身の力が抜け、視界がぼやけてきた。立っているのが辛い。
(なんか、ヤバい……)
召喚された初日は媚薬の原液を被ってしまってヤバい目にあったが、今日もなんだか、嫌な予感がする。
そのうち足がガクガク震えはじめ、力が抜けたとたん、オレは王太子に抱き上げられていた。
リニー少年がなにやら王太子に質問していたけど、すでに意識が朦朧としはじめていたオレには、よく聞こえなかった。
ドリアの「不要だ」という短い言葉だけが、はっきりと聞こえただけだ。
「お……怒って……る?」
オレのぼんやりとした呟きに、ドリアの顔がくしゃりと歪んだ。
苛ついているのか、後悔しているのか、我慢しようとしているのか、不思議な表情だった。
ドリアのキラキラと眩しい笑顔も素敵だとは思うが、本心を覗かせようとしない壁をオレはなんとなく感じていた。
今のドリアの表情の方が、血が通ったひとりのひとのような気がして、なんだか安心できる。
今まで見たことがないドリアの表情が見れて、なんだか嬉しくなる。
ちょっと微笑んでいたのかもしれない。
エルドリア王太子は一瞬、息を止めると、オレからのろのろと視線を外す。
身体がフワフワと揺れはじめた。
オレを抱いたまま、移動を始めたようである。
どこに行くんだ?
……と思ったら、寝室だった。
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