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石川のゲート

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 俺と佐藤は石川のいるゲートへと向かう。

「この教室だな」

 俺はそう呟いて教室の扉を開く。

 だいぶ前に確認した時のゲートの色はピンクだったので、恐らく佐藤のゲートよりは簡単だろうと推測される。

 と言う訳で佐藤とアルシェの2人で充分だと判断した俺だったのだが...。

「んっ?」

「どうした? 高坂?」

 佐藤にそう言われたので俺はこう呟いた。

「いや...んだが...」

「はっ?」

 佐藤も入って確認したが、やはりゲートが無くなっている。

「どう言う事だ? ゲートがクリアされたのか?」

「いや...だったら石川のクラスメイトの誰かが帰ってきているはずだろう? 誰も帰ってきていないのにゲートが閉じるなんておかしいだろ?」

「それはそうだが、現にゲートはないぞ?」

(どう言う事だ? 石川の携帯に電話してみるか)

 そう考えた俺は電話をかけてみたが...。

『おかけになった電話番号は現在使われてないか...』

「チッ」

 やはりかからない。

「石川、お前は今どこにいるんだ?」

 俺はそう呟きながらガラ空きの教室を眺めるのだった...。
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