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東京戦争②

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 ドーンドーンと言う音と共に群発地震のように何度も地響きが起こる。

 そしてその度に無数の血が流れているのだろう。

『クリアワールド』に入ってる人間の何割かは森虎に操られているだけなのだと思うと胸が痛むのを感じる。

(奴の能力は使い魔だけではなく人間も操れる。だが必ず弱点があるはずだ)

 どんな能力にも欠点はあるはずだと俺は解釈する。

 デメリットの全くない最強能力なんて都合の良いものが現実世界にあるはずがないからだ。

 そう考えているとアピスのやつが声をかけてきた。

『気にするな。我がついているからにはお前の勝利は揺るがない』

「アピス...」

『やばくなったらいつでも伴侶である我を呼び出せ。さすれば汝に深淵の深みより奥底の魔力を授けよう』

「...ありがとうな」

 彼女なりに俺を勇気づけてくれているのだろう。

 その気遣いはありがたい。

 俺は下水道の中を突き進み、ついに国会議事堂の前にたどり着くことができるのだった。
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