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【バトルドール】事件⑥

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「おおっ! 高坂さん! ようやく準備が出来ましたので工場内を見学できますよ!」

 そう言われたので早速見学する俺。

「へぇ...、よくここまでたった1日で綺麗にしたな」

「ええ、そりゃあもう本気で頑張りましたから...」

「ふ~ん...をか?」

 俺の言葉に松本さんは黙りこくる。

「...」

「...」

 気まずい空気に彼は「何を言っているんですか? 高坂さん? ここは日本ですよ? 奴隷なんているわけないじゃないですか」と言ってくるが、俺は昨日調査させた隠密兵から情報を得ている。

 確かに1日でかなり綺麗にできているようだがそれでも全部を綺麗にはできていないようで血の匂いがしっかりと残っているのが分かる。

「悪いが犯罪者の言い訳を聞くほどこっちも人間ができてるわけじゃないんでね。後は警察に任せますよ」

 俺がそう呟くと警察の方々が松本さんを取り囲む。

「...くっ! かくなる上は!」

 松本さんは機械のラインを再稼働させてその中に飛び込んだ。

「なっ!? 自殺!?」

 俺は急に機械の中に吸い込まれていく松本さんに手を伸ばしたのだが、流石に間に合わないのだった。
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