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第拾弐話-監禁
監禁-2
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拝啓 羅猛燐様
突然の手紙、失礼いたします。
この度、お手紙を差し上げた理由は同封している写真を、ご覧頂ければ分かります。
警視庁命捜班班長・一川 雅人警部を誘拐、監禁しております。
これから羅猛様には、一川警部救出のゲームに参加して頂きます。
ゲームのルールは次の通りです。
写真にも写っている通り、一川警部の監禁場所には爆弾を仕掛けています。
爆発までのタイムリミットは、約65時間。
それまでに一川警部を救出出来たらゲームクリアです。
貴方と親密な関係を築いている探偵を、参加させても構いません。
羅猛様がタイムリミットまでに救出できることを願っております。
敬具
「成程ね」
熱海 長四郎は読み終え、机に手紙を投げ置く。
「やばいでしょ」
「やばいなぁ~」
「そうじゃなくて、助け出さなきゃ」
「この事を絢ちゃんに言ったの?」
長四郎は一川警部の部下、絢 小町巡査長に通報したのか確認する。
「いいや、言っていないけど」
「そうか・・・・・・」
「何?」
「通報した方が良いよ」
「どうしてよ」
「だって、手紙には警察には通報するなって書いていないから。通報した方が良いよ」
「ホントに大丈夫なの?」
「大丈夫なんじゃね?」
「ホントにぃ~」
燐は疑いの眼差しを向けながら、絢巡査長に通報する。
「これは一大事ですね」
燐の通報を受けた絢巡査長は長四郎の事務所へと急行し、燐が受け取った手紙を読んで感想を述べる。
「一大事でしょ。それなのにこの小娘、通報すんなっていうの。薄情だよねぇ~」
長四郎は燐を横目に見ながら話す。
「失礼ねっ!! 一川さんの事を思って私は」
「あーはいはい」燐の反論に聞く耳を持たんといった感じで、長四郎は話を遮る。
「この爆弾が起動されるまでの残り時間って、後どれくらいなんでしょうか?」
絢巡査長は事務所に掛かっている時計を見ながら呟くと「そうだなぁ~大体65時間ってところかな」長四郎は再度、手紙を読みながら答える。
「なんで、余裕そうなの?」
「じゃあ、逆に聞くけどなんで慌てているの?」
長四郎は燐の質問に質問で返す。
「それは一川さんが今にも死にそうだからだよ」
「ラモちゃん、それは無いんじゃない?」
「絢さんまでそういう事言うんですか!?」
「だって、あのハゲ。そう簡単に死にそうにないじゃん。だから大丈夫」
「絢ちゃんの言う通りだよ。この写真を見る限り、致命傷になりそうな傷はなさそうだし」
長四郎と絢巡査長にそう言われた燐は黙り込む。
その時、郵便配達員が速達を持って来た。
「ありがとうございましたぁ~」
長四郎は速達郵便を貰い、中身を確認する。
「おっ、相手方から続報が来ましたよ。女性方」
「早く見せなさいよ」
燐は封筒を開ける長四郎を急かす。
「まぁ、待てよ」
長四郎は早速、中身を検める。
サラッと内容に目を通し、燐に手紙を渡した長四郎はパソコンを立ち上げる。
燐は受け取った手紙の中身を絢巡査長と共に、読む。
そこには、次のような事が書かれていた。
羅猛様の手紙を読まれた頃だと思い、熱海様の事務所へと続報をお届けしました。
現在の一川警部の状態が知りたいと思うはずなので、下記にビデオ通話のURL記しておきます。
ご確認の程、宜しくお願い致します。
その後には、URLが記載されていた。
「ねぇ、ここにURL書いてあるけど」
「もう、開いたよ」
長四郎は燐達に一川警部が映ったビデオ通話映像を見せる。
「一川さん!!!」
絢巡査長が真っ先に、話しかける。
「話しかけても無駄だよ。こちら側も向こう側もミュートになっているから」
長四郎は冷静に言いながら、一川警部が置かれている状況を確認する。
一川警部は両手を後ろに縛られパイプ椅子に座らされていた。
爆弾の残り時間は62時間を示していた。
「62時間かぁ~」
長四郎は一川警部の横に置かれているカウントタイマーを見ながら呟く。
「場所の手掛かりになりそうなものはないね」
「ラモちゃん。そんな物を置くようじゃ、犯人としては失格だよ」
長四郎の発言に、犯人に失格も不失格があるのかと燐は思う。
「どうしますか? 長さん」絢巡査長に尋ねられた長四郎は「絢ちゃんは、一川警部が関与した事件の犯人のその後を調べて。調査範囲は、ここ10年前後で」と告げた。
「了解です」
絢巡査長はそう返事をし、事務所を出て行った。
「私達はどうするの?」燐の質問に「そうだ。学校に行こう」とだけ言い、長四郎も事務所を後にするのであった。
突然の手紙、失礼いたします。
この度、お手紙を差し上げた理由は同封している写真を、ご覧頂ければ分かります。
警視庁命捜班班長・一川 雅人警部を誘拐、監禁しております。
これから羅猛様には、一川警部救出のゲームに参加して頂きます。
ゲームのルールは次の通りです。
写真にも写っている通り、一川警部の監禁場所には爆弾を仕掛けています。
爆発までのタイムリミットは、約65時間。
それまでに一川警部を救出出来たらゲームクリアです。
貴方と親密な関係を築いている探偵を、参加させても構いません。
羅猛様がタイムリミットまでに救出できることを願っております。
敬具
「成程ね」
熱海 長四郎は読み終え、机に手紙を投げ置く。
「やばいでしょ」
「やばいなぁ~」
「そうじゃなくて、助け出さなきゃ」
「この事を絢ちゃんに言ったの?」
長四郎は一川警部の部下、絢 小町巡査長に通報したのか確認する。
「いいや、言っていないけど」
「そうか・・・・・・」
「何?」
「通報した方が良いよ」
「どうしてよ」
「だって、手紙には警察には通報するなって書いていないから。通報した方が良いよ」
「ホントに大丈夫なの?」
「大丈夫なんじゃね?」
「ホントにぃ~」
燐は疑いの眼差しを向けながら、絢巡査長に通報する。
「これは一大事ですね」
燐の通報を受けた絢巡査長は長四郎の事務所へと急行し、燐が受け取った手紙を読んで感想を述べる。
「一大事でしょ。それなのにこの小娘、通報すんなっていうの。薄情だよねぇ~」
長四郎は燐を横目に見ながら話す。
「失礼ねっ!! 一川さんの事を思って私は」
「あーはいはい」燐の反論に聞く耳を持たんといった感じで、長四郎は話を遮る。
「この爆弾が起動されるまでの残り時間って、後どれくらいなんでしょうか?」
絢巡査長は事務所に掛かっている時計を見ながら呟くと「そうだなぁ~大体65時間ってところかな」長四郎は再度、手紙を読みながら答える。
「なんで、余裕そうなの?」
「じゃあ、逆に聞くけどなんで慌てているの?」
長四郎は燐の質問に質問で返す。
「それは一川さんが今にも死にそうだからだよ」
「ラモちゃん、それは無いんじゃない?」
「絢さんまでそういう事言うんですか!?」
「だって、あのハゲ。そう簡単に死にそうにないじゃん。だから大丈夫」
「絢ちゃんの言う通りだよ。この写真を見る限り、致命傷になりそうな傷はなさそうだし」
長四郎と絢巡査長にそう言われた燐は黙り込む。
その時、郵便配達員が速達を持って来た。
「ありがとうございましたぁ~」
長四郎は速達郵便を貰い、中身を確認する。
「おっ、相手方から続報が来ましたよ。女性方」
「早く見せなさいよ」
燐は封筒を開ける長四郎を急かす。
「まぁ、待てよ」
長四郎は早速、中身を検める。
サラッと内容に目を通し、燐に手紙を渡した長四郎はパソコンを立ち上げる。
燐は受け取った手紙の中身を絢巡査長と共に、読む。
そこには、次のような事が書かれていた。
羅猛様の手紙を読まれた頃だと思い、熱海様の事務所へと続報をお届けしました。
現在の一川警部の状態が知りたいと思うはずなので、下記にビデオ通話のURL記しておきます。
ご確認の程、宜しくお願い致します。
その後には、URLが記載されていた。
「ねぇ、ここにURL書いてあるけど」
「もう、開いたよ」
長四郎は燐達に一川警部が映ったビデオ通話映像を見せる。
「一川さん!!!」
絢巡査長が真っ先に、話しかける。
「話しかけても無駄だよ。こちら側も向こう側もミュートになっているから」
長四郎は冷静に言いながら、一川警部が置かれている状況を確認する。
一川警部は両手を後ろに縛られパイプ椅子に座らされていた。
爆弾の残り時間は62時間を示していた。
「62時間かぁ~」
長四郎は一川警部の横に置かれているカウントタイマーを見ながら呟く。
「場所の手掛かりになりそうなものはないね」
「ラモちゃん。そんな物を置くようじゃ、犯人としては失格だよ」
長四郎の発言に、犯人に失格も不失格があるのかと燐は思う。
「どうしますか? 長さん」絢巡査長に尋ねられた長四郎は「絢ちゃんは、一川警部が関与した事件の犯人のその後を調べて。調査範囲は、ここ10年前後で」と告げた。
「了解です」
絢巡査長はそう返事をし、事務所を出て行った。
「私達はどうするの?」燐の質問に「そうだ。学校に行こう」とだけ言い、長四郎も事務所を後にするのであった。
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