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第弐拾壱話-海外

海外-6

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 アマンダの私物は、ペン、A4サイズのノート、クリアファイルクッキーが入った缶ケース、キャンディーの入った缶ケースだけであった。
「これだけか・・・・・・・」長四郎は人差し指で顎をトントンと叩きながら、何かを思案する。
「これ、持ち帰っても良いですか? 遺族には私から連絡しておきますから」
 タイショーは「構いません」とデモンの提案を了承する。
「ありがとうございます。では」
 デモンは箱を抱えて部屋を後にした。
「何も手掛かりは得られなかったね」
 四人を乗せた車が走り出してすぐミシェルがそう言った。
「そうですね」燐も提案した身として困ったといった顔をする。
「ま、すぐには分からないよ。落ち着いて調べられる場所に行きたいな」
 長四郎がそう提案すると、「そうね。私の事務所に行きましょう」ミシェルが構える事務所へと向かった。
 ミシェルの事務所は、サンフランシスコの住宅街にあるアパートの一室に構えていた。
「ここが私の事務所よ」
 ミシェルは初めて訪れた長四郎と燐に自分の事務所を紹介する。
 ミシェルの事務所内は、バットマンの秘密基地のような内装にしてあった。
「男の憧れのような部屋だな」長四郎は思った事をそのまま口にした。
「ホントねぇ~」
 燐も啞然とした顔で内装を見回す。
「さ、これをチェックしよう」
 デモンがアマンダの私物が入った箱を机に置く。
「長四郎はこれを調べて」
 ミシェルからクッキー缶とキャンディー缶を渡される長四郎。
「私達は、こっちを調べるから」
 アマンダのノートをちらつかせながら、ミシェルは長四郎に指示する。
 こうして、黙々と犯人に繋がる証拠を探す四人。
 それから、一時間程経った時、長四郎が声を出した。
「良いもの、見ぃ~つけた」
 三人に勝ち誇ったような顔でUSBメモリをちらつかせる。
「それどこに?」燐の問いに「これはキャンディーの包み紙の中に入っていた。中いじくっていたから違和感ある奴があったから開けてみたらこれが」嬉しそうに答える長四郎。
「すぐに中身を確認しましょう」
 ミシェルは長四郎の手からUSBメモリを取ると、すぐにパソコンに繋いでファイルの中身を確認する。
 USBメモリの中身は、配送先のデータであった。
「これ、住所先のデータをだよね?」燐がそう言うと「ええ、そうみたいね」とミシェルがそう答えた。
「いや、これはただの住所データじゃないぞ。特定の商品を購入した客のデータだ」
 デモンは商品名が記載された部分を指さす。
 その商品は、消臭剤であった。
「これが、事件解決の鍵になりそうだな」
 長四郎はそう言いながら、製品情報を検索するのだった。
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