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今日こそ使おうぜ!

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「やっぱりラスクに撫でられるの気持ちいいな」

嬉しそうにしっぽが揺れて、ディエゴががばっと起き上がる。そして、ベッドサイドに置いてあったエルフさんの試作品の袋を手に取って僕に見せてきた。

「今日こそ使おうぜ!」

「うん……」

僕は顔を赤くして歯切れ悪く答えた。ていうかなんでディエゴはそんなに恥ずかしさゼロで満面の笑顔ができるんだ。

僕が照れてる間にディエゴが袋の中から取りだしたのは、ちょっと柔らかそうな容器に入った白っぽい液体だった。ディエゴが手の中でふにふにと揉むと形を変える不思議な容器。そもそもこの容器自体が珍しい。

「容器も中身もやっぱり見たことない感じだよね。説明書見せてくれる?」

ディエゴが読んでる説明書に手を伸ばしたら、ひらっと華麗に避けられてしまった。

「ローションって書いてある。使い方もめっちゃ色々書いてあるけど、俺が読むから大丈夫」

「なんで? 僕も効能知りたいんだけど」

「へー! 直接肌に塗っても風呂に溶かしてもいいんだってさ。効能は……あ、すげぇ。殺菌効果、保湿効果、抗炎症作用が高く、持続性がある回復効果を付与、ってコレむしろ普通にポーションとしても優秀なんじゃねぇのか」

「だね。うわ、何が素材なのかすごい気になる! 僕も読みたい」

「明日な。あと、ヌルヌルねっとりと粘度が高く、肌に潤いを与え乾きにくいため、長時間の愛の時間に耐えられますってさ。ショユクルのクリームと使い比べて欲しいって書いてあるけど、ショユクルのクリームって昨日使ったヤツか?」

「うん、そうだね」

「そっか! じゃあちょうど良かったな!」

言いながらディエゴはローションの蓋を開けて、柔らかそうな容器をぎゅっと絞る。ぶにゅっと音を立ててディエゴの手のひらの上に押し出されたローションは、普通の液体よりは粘度が高そうで、でもクリームよりは断然柔らかそうだ。

「普通のローションってさらさらだけど、コレは結構粘度が高いね」

「しかも美味いんだって」

「美味い?」

ディエゴが指先でローションを掬って僕の唇に塗り込んだ。

「あ……桃? みたいな香りと味が……」

「正解! とりあえず使ってみようぜ」

そう言った途端にディエゴが僕の唇に噛みついてくる。

「んうっ……ふ……ぁ」

唇をねっとりと舐められて、気持ちの良さについ唇が開いたら、すかさずディエゴの分厚い舌が口内に割り込んできた。

あっという間に口内を蹂躙されて、息をするのも難しい。

さっきまで真面目な顔で説明書を読んでたくせに、急にこんなエロいキス、ずるい。
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