【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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出発

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今日は俺がちょっと楽しみにしていた生徒会と遊ぶ日!

場所は言われてなくてどこに行くのか知らないけど、学園まで迎えに来てくれるらしい。
正門の前で待っていると、怪しいほどに高級な外車が前に止まる。え、これって俺拉致られるパターン?逃げた方がいい感じ?

するとドアが開いて出てきたのはまさかの会長。いや、裏家業の人かと思ったわ。

「遅くなってすまない。行こうか。」

そうして促されて入った車の中は超快適で夏の暑さなんて微塵も感じない空間だった。生徒会のメンバーも中に全員集合していてお菓子パーティーが始まった。

「栄人君!これ食べて!滅茶苦茶美味しいよ!」

今日も元気いっぱいな可愛い瑠季は俺の隣を陣取って、先ほどから色んなお菓子を進めてくる。

「栄人、学校は寂しくないか?1人は疲れてないか?」

そんな瑠季を挟んで心配してくれる会長はパパに見えてきた。
学校がある時と全然変わらないからそんなに心配しなくても…

チラッとその隣にいる宗也を見ると黙々とお菓子を食べている。こちらを気にする様子はなく、前にショッピングモールであったのは夢だったのかと思うほど。まぁ、俺の話をしただけだし、気にすることもないか。

そして、瑠季とは反対の隣にいるのは今日もまぶしい女神様もとい悠希先輩。紅茶を淹れてくれたり、おしぼりをくれたり、さっきから細やかなお世話をしてくれている。なんかものすごく申し訳ないんだけど!

女神様に、ましてや先輩にそんなことさせてしまうなんて!でもさっきからニッコニコなんだよね、先輩。すんごい曇りのない笑顔。だから、自分でしますって言いにくくて……うん、そのままにしておこう。

その隣の会計はずっと俺の顔を見て楽しそう。俺の隣を巡って瑠季とひと悶着あったけど今は大人しくしている。2人が争っている間に、さりげなく隣をキープした女神様素敵です。

そんな愉快なメンバーで今日はどこに行くのか気になるが、着いてからのお楽しみだそうで皆教えてくれない。車からの景色も知らない土地だからか、どこえ向かっているのか見当もつかない。


まぁ、このメンバーならどこでも楽しそうだ。と、この後まさかの場所に驚くことになる栄人だが、今この時は純粋にワクワクしていたのだ。

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