月ノ堕ち神(つきのおちがみ)

我、月ノ神──。

万象を照らす存在であった神が、ただ一人の人間に心を奪われる。

穢れを知らぬその眼差しは、抗うことのできぬ引力となり、神としての理を揺るがしていく。

天の掟、六道の秩序、与えられた役割。

そのすべてを理解しながら、それでも選んだのは──たった一人の存在だった。

万人を照らすはずの光は、やがて一人だけを射抜くものへと変わる。

神の座を捨て、罪を背負い、堕ちていく月ノ神。

神が堕ちるその瞬間に宿る、狂おしいほど純粋な愛。

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