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4章

4章110話(410話)

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 その後、制服に着替えてそれぞれの教室に向かい、先生から今日の舞踏会のことを説明された。

「良いですか、淑女レディとしての矜持を持ち、本当の夜会に参加する気持ちで挑みなさいね。――それと、心から楽しんで」

 そんな先生の言葉に、私たちは「はい!」と元気よく言葉を出す。

「それじゃあ、先生からは以上です。みんな、今日は着飾るんだよ」

 と、言い残して先生は教室を去る。今日の授業はなく、みんな舞踏会の話で盛り上がっている。まだ時間がある――とは、なかなか思えなかった。だって、いきなり今日だと知ったのだもの!

 ダンスのリストは一応踊れるものがある。最初と最後は確実に踊れる自信がある。セリーナ先生、本当にありがとうございます……!

「リザ、ディア、ジェリーのところに行きましょう」
「そうね、髪飾りも渡したいし」

 かたんと椅子から立ち上がって、ジュリーを探しに教室から出た。まだ、教室にいるかしら? と廊下を歩いていると、友人と一緒にこちらに歩いてくるジュリーが見えた。ジュリーは私に気付くと、ぱぁっと表情を明るくさせて、友人になにかを話してから近付いてきた。

「ジェリー、ご友人はいいの?」
「はい、リザお姉様。大丈夫です。こちらに来るなんてどうしたのですか?」
「ジーンがあなたに頼みたいことがあるの」

 ジーンがこくりとうなずき、ジェリーに髪飾りが入った箱を手渡す。彼女は首を傾げながら受け取り、「中を見ても?」とジーンにたずねる。ジーンは「ええ、ぜひ見てちょうだい」と中を見ることをうながした。

 ジェリーは箱を開けて、髪飾りを見ると首を捻る。

「えっと、これは?」
「今日の舞踏会でぜひ使って欲しいの」

 にっこりと微笑むジーンに、ジェリーはちらりとこちらを見た。私が小さくうなずくと、ジェリーはぱたんと箱の蓋を閉めてジーンに笑顔を見せた。

「わかったわ。使わせてもらうね」
「ありがとう!」

 ジーンが明るく言葉を発する。受け取ってもらえて良かった、と安堵していると、

「リザ姉様、少しお時間よろしいですか?」
「え、ええ。舞踏会の準備にはまだ早いし……」

 夜会をイメージしているから、開始は夜だ。まだ時間がある。そう思って返事をすると、ジュリーは私をじっと見つめて手を差し出す。

「なら、私に付き合ってくださいな」

 私はジーンとディアを見て、それから彼女の手を取った。

 手を繋いで歩き出す私たちを、ジーンとディアは「行ってらっしゃい」と見送った。

 どこに向かっているのかしら? と歩きながら考える。階段を上がっていくから、屋上かしら? と思ったら、屋上の手前の階段で足を止めた。
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