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・地下室調教編(Day7~)

一日目 4-2

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 檻の中では赤く充血したものが、激しく脈打ち、悲鳴をあげている。
「ひっ、あ、ああ……お許しを……」
「踏まれて喜んでいるお前にこれは褒美になってしまうな」
 男が足をどけた。
 唇をかみしめながら、使用人は、腰をあげた。震える双丘をわしづかんだかと思えば、男は一気につらぬいた。
「~~!!」
 声にすらならない悲鳴が部屋じゅうに響きわたった。そのまま、ニ、三度、男が前後に腰を振り付けるだけで、使用人は、ビクビクと全身を痙攣させはじめた。
「落ちるなよ」
 男の言いつけを忠実に聞こうと、必死に耐える使用人だったが、男のくさびが打ち込まれるたびに悲鳴をあげはじめ、次第に、その姿勢が崩れはじめる。
 男がめんどうくさそうに、彼の腕を掴んで、引き寄せた。そのまま、奥へとえぐるように突き上げて、彼は達した。
 中から、てらりとぬれそぼったものが出てくる。途端に、白いものが、使用人の尻から流れ出て来た。
 使用人は崩れ落ちる。
「失礼します」
 部屋を訪れるものがいた。
 青年はびくりと肩を震わせた。
「入れ」
 藤滝の声のあとから、ぞろぞろと黒服の男たちが室内に入って来た。その頃には、もう藤滝は身を整えていた。
「くれてやる。自由に使え。ただし、一回ずつだ」
 床に倒れている使用人を顎で指さして男は言った。
「はい」
 室内に入って来た男四人が、使用人を取り囲んだ。
「お前にも見覚えがあるだろう?」
 藤滝がいつの間にか、青年の傍に寄ってて来ていた。
「見覚え……」
 青年はじっと彼らを見ようとして目を凝らした。
「逃亡者を追跡させていた者たちだ。お前が一番、世話になっているな」
 藤滝の声音は平坦で、抑揚がなかった。まるで、無感情だとでもいうように、彼の瞳は、使用人に群がる男たちの姿を見ていた。
「たまには褒美でも与えなくてはな」
「……は?」
 青年は、藤滝を見上げた。
「なんだ、その目は?」
 藤滝が、青年の顎を掴んだ。
 流した涙のあとが残る顔をひっつまんで、己に向けさせる。
「離してやれよ」
 青年は言った。
「あんな状態で相手をさせるなんて、鬼のすることだ」
「ほう? お前がそれを言うのか?」
 藤滝は急に愉快そうに、口元をゆがめさせた。
「見ていろ」
 藤滝は、顎から手をひくと、彼の髪をつかんで、その光景を青年に見せつけるように前を向かせた。
「あとで、お前にも同じものを味わわせてやる」
 男の声がして、それだけで、青年の背筋はぞくぞくと震えあがった。
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