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今度こそ、ソロデビューです!?

ご。『目を開けると、道の突き当りに郷の入り口が見える景色のピースが浮かんでいた』──妖精の通り道は、かなりのショートカットでした

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     🌲

 目を開けると、細い分かれ道は無くなっていて、道の突き当りにさとの入り口が見える景色のピースが浮かんでいた。

「スニャイム様のおかげで、皆様無事に郷へ着くことが出来ました。それでは参りましょう」

 ルーナ姫様を先頭に、順に出口へを身を投じていく。幻影のような景色の中に、文字通り投じる感じで飛び込んで行くのだ。
 でも、景色の向こうを見ると、高い位置の空中のようで、飛び込む事にちょっと躊躇する。
 田舎育ちなので、運動音痴ってことはないけれど、身体能力に自信があるわけでもないので。

「コハクちゃん、怖い?」
「ちょっと⋯⋯ でも、早く出ないと、みんなの迷惑になるから」

 この道から郷へのゲートを維持するのに、ルーナ姫様は残ってくれているけれど、向こう側の案内人として、キールさんは先に出ていて、フィルタさんもギレウォッタさんもすでに郷側へ出ている。
 チルちゃん達が妖精魔法を共有しているとはいえ、ルーナ姫様の負担になっていることは間違いないと思うので、なんとか降りよう!と思うのだけど、背の高いフィルタさんの頭のてっぺん、つむじが見えているので、地上まで2mは高低差があるということ。
 1m越えたらちょっと怖いかな。
 そんな事を考えていると、「じゃ、一緒に飛んだげるね」とラジエさんが私の手を取り、腰を支えてゲートに飛び込んだ。

「はにゃわ~」

 目がまわるよ。
〈コハ、大丈夫。ボク達浮遊魔法使エル。落ちたり激突・ナイヨ〉
 ラジエさんに腰を支えられてジャンプさせられて、ほんの1~2秒のことだったけど、覚悟ができてなかったので足に力は入らなかったし、腰もシャキッとしなかった。ので、着地が疎かになる。

「ラジエ。少女はもっと丁寧に扱うものだ」

 つま先が地に着くもそのまま崩れ落ちそうなのを、フィルタさんに拾われる。
 脇の下に両手を差し込みすくい上げるような、にゃんこかちっちゃい子になった気分だった。うん、子供扱いですね。

「すまない。なかなか踏ん切りつかないようだったから、飛んでしまえばなんとかなるかと⋯⋯」
「いえ、確かに、ぐずぐずしてたので。結果オーライです」

 顔を上げると、人が踏み込めないほど濃い茂みの縁に、茨が巻いているブランシュラッカの木が二本見える。里の入り口だ。

「本当に、馬車で三日と森の中で一泊の距離を、あの道で飛び越えてきたんですね。凄いです」
「どこにでも行けるわけじゃなくて、一定の法則があるのだけど、それさえ覚えれば、便利ではあるわね」

 ハーフのキールさんは、魔法が使えなくて駄目らしいけど、波濤はとうの皆さんは大抵使えるらしい。

 ルーナ姫様が居るので、結界もすんなりと通り抜けられる。

 波濤はとうの都白光の湖カンディトゥスラクスでは、先触れでも行っていたのか、総勢でのお出迎えがあった。








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