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第一章 ヒロイン編
34.
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私はただ座っていただけなのに、何故こんなことになってしまったのでしょう!?
私はクラスのご令嬢達と昼食をテラスで楽しく食べておりましたわ。
皆様のテラスですので誰がいてもいいのですが、座っていたので後ろなど気に止めておりませんでしたわ。
まさか後ろ………いいえ、真上から飲み物が降ってくるとは思いませんでした。
一瞬何が起きたかわかりませんでしたわ。
冷たいと思って見ると制服の白い部分が紫に変化しております。
ワイン?と思いましたがここは学園内………と考えるとブドウジュースですかね。
髪に制服に……これだけ濡れるとはジョッキ?かなにかでかけましたか?
はぁ…………運が悪かったですわ。
しかもベトベト感があって嫌ですわ。
「ファシリック公爵令嬢、急に押さないでくださいませ。溢れたではありませんか。」
どういうこと??
周りに聞こえるように大声で話すので周りにいらっしゃるご令嬢やご令息達がこちらを見ております。
振り返るとイークス侯爵令嬢とモーリス男爵令嬢が立っており、あぁ………私は嫌がらせをされたのね。
しかも私がやった行動と強調したいのね。
そんなこという前に謝罪が全くないとは凄い強い人たちですわね。
「せっかくテラスでの昼食楽しみにしてましたのに!見てください制服に溢れましたわ。」
少し袖にかかっただけですわね。
モーリス男爵令嬢私を見てください、頭から被っていて髪の毛はベトベトに、制服はびしょびしょに濡れておりますわ。
私の方がどう見てもヤバイでしょう。
クラスのご令嬢達も私が潔白なのは明白なので、イークス侯爵令嬢とモーリス男爵令嬢を不愉快な目でみておりますが、二人の堂々とした偽り話にとても引いています。
「……………制服の袖は大丈夫でしょうか?」
「大丈夫なわけないじゃない。謝りもしないんだから!!楽しい気分が台無しだわ。ファシリック公爵令嬢、公爵令嬢だからって何しても許されるわけ?気を付けてください。」
モーリス男爵令嬢はとても怖い目付きで私を睨んでいます。
私に飲み物を溢しておいてそれはないでしょう。
公爵家を盾に何かした覚えはありませんわ。
それに…………
「やってもいないことを謝れませんわ。モーリス男爵令嬢、制服の色は落ちにくいかもしれませんがジュースのベトベトは洗ったらとれますわ。お気をつけくださいませ。では失礼いたします。」
クラスのご令嬢達と一緒に立ち上がり出来るだけ綺麗なカーテシーをする。
髪も制服の中に浸透してくるジュースのベトベトさで気持ち悪いですが、最高の微笑みを見せたその時、
「「リティ!!」」
目の前から私の名を叫んで近寄ってきたクラリスお兄様とカルが私に近寄るにつれ険しい顔になるのがわかり……私以外の皆様が固まっておりますわ。
「クラリスお兄様もカルもそんな血相変えてどうしたのですか?」
「どうしたってリティの姿を見て何も思わずなわけないだろ!!どういうことだ?」
クラリスお兄様が怒りに満ちた低い声を出すから周りにいる皆様が凍りついている。
「カルティド殿下…………。」
「カルティド殿下にファシリック公爵令息……何故ここに!?」
モーリス男爵令嬢とイークス侯爵令嬢が声を出すがクラリスお兄様もカルも素通りして私のところまで駆け寄ってくる。
カルは何も言わず私をギューと抱きしめた。
私はクラスのご令嬢達と昼食をテラスで楽しく食べておりましたわ。
皆様のテラスですので誰がいてもいいのですが、座っていたので後ろなど気に止めておりませんでしたわ。
まさか後ろ………いいえ、真上から飲み物が降ってくるとは思いませんでした。
一瞬何が起きたかわかりませんでしたわ。
冷たいと思って見ると制服の白い部分が紫に変化しております。
ワイン?と思いましたがここは学園内………と考えるとブドウジュースですかね。
髪に制服に……これだけ濡れるとはジョッキ?かなにかでかけましたか?
はぁ…………運が悪かったですわ。
しかもベトベト感があって嫌ですわ。
「ファシリック公爵令嬢、急に押さないでくださいませ。溢れたではありませんか。」
どういうこと??
周りに聞こえるように大声で話すので周りにいらっしゃるご令嬢やご令息達がこちらを見ております。
振り返るとイークス侯爵令嬢とモーリス男爵令嬢が立っており、あぁ………私は嫌がらせをされたのね。
しかも私がやった行動と強調したいのね。
そんなこという前に謝罪が全くないとは凄い強い人たちですわね。
「せっかくテラスでの昼食楽しみにしてましたのに!見てください制服に溢れましたわ。」
少し袖にかかっただけですわね。
モーリス男爵令嬢私を見てください、頭から被っていて髪の毛はベトベトに、制服はびしょびしょに濡れておりますわ。
私の方がどう見てもヤバイでしょう。
クラスのご令嬢達も私が潔白なのは明白なので、イークス侯爵令嬢とモーリス男爵令嬢を不愉快な目でみておりますが、二人の堂々とした偽り話にとても引いています。
「……………制服の袖は大丈夫でしょうか?」
「大丈夫なわけないじゃない。謝りもしないんだから!!楽しい気分が台無しだわ。ファシリック公爵令嬢、公爵令嬢だからって何しても許されるわけ?気を付けてください。」
モーリス男爵令嬢はとても怖い目付きで私を睨んでいます。
私に飲み物を溢しておいてそれはないでしょう。
公爵家を盾に何かした覚えはありませんわ。
それに…………
「やってもいないことを謝れませんわ。モーリス男爵令嬢、制服の色は落ちにくいかもしれませんがジュースのベトベトは洗ったらとれますわ。お気をつけくださいませ。では失礼いたします。」
クラスのご令嬢達と一緒に立ち上がり出来るだけ綺麗なカーテシーをする。
髪も制服の中に浸透してくるジュースのベトベトさで気持ち悪いですが、最高の微笑みを見せたその時、
「「リティ!!」」
目の前から私の名を叫んで近寄ってきたクラリスお兄様とカルが私に近寄るにつれ険しい顔になるのがわかり……私以外の皆様が固まっておりますわ。
「クラリスお兄様もカルもそんな血相変えてどうしたのですか?」
「どうしたってリティの姿を見て何も思わずなわけないだろ!!どういうことだ?」
クラリスお兄様が怒りに満ちた低い声を出すから周りにいる皆様が凍りついている。
「カルティド殿下…………。」
「カルティド殿下にファシリック公爵令息……何故ここに!?」
モーリス男爵令嬢とイークス侯爵令嬢が声を出すがクラリスお兄様もカルも素通りして私のところまで駆け寄ってくる。
カルは何も言わず私をギューと抱きしめた。
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