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話し合いは大事
理性※
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唾液の乗った赤い舌が、肩の傷の上を這う。
ジワリと痛みが広がるような感覚の後、舌が離れ肌に空気が触れた。
それが妙に冷たく感じて小さく呻き声をだす。
一糸纏わぬ姿でベッドに仰向けに寝かされたタイガは、覆いかぶさるラビを眉を顰めて見上げた。
「うう、沁みる……! ラビ、あの、普通に消毒とかにせん……?」
「それ、もっと沁みるぞ。他に舐められたり触られたりしたところは?」
アイトに襲われた傷は大きなものは肩と鎖骨だけだったが、細かなものは全身に出来ていた。
それをラビはひとつひとつ丁寧に舐めて回っている。
タイガからすると、全身舐め尽くされた気がしているが、まだ納得していないらしい。
本気で心配してくれているのだと分かっていても、どうしてもむずむずと落ち着かずに足を擦り合わせ目をそらす。
触られた場所は爪の傷が出来ている場所だろうが、舐められてはない気がした。
だが、あまり思い出せない。
「服破られたインパクト強すぎて他はあんまり覚えてへん……っ!?」
正直に答えている最中、有無を言わさず両膝を掴んで開かれる。
突然ラビの眼前に晒された後孔がぴくりと収縮した。
タイガは慌てて隠そうと手を伸ばす。
「そ、そこはほんっまに大丈夫やから!」
しかし、その手は容易く握られ阻まれた。
反対の手の指が1本、その入り口に差し込まれる。
「……オレには本当のことを言ってくれ。ほら、こんなに柔らかいの……っ……絶対触られてる……間に合ってなかったのか」
「……ぁっ、ちゃう、ちゃうて! それはその……っん、やめ」
いとも容易く指を受け入れるソコに、体を気遣ってくれていた優しい声色がどんどん低くなり顔も険しくなっていく。
ナカを確かめるようにじっくりと動かされると、良いところに当たって堪らなくなった。
兆し始めてしまった中を両手で隠す。
しかし、ラビは冷静ではない。タイガの様子には気が付かないようだ。
「入れられてないとこんなに解れてないだろ。中は怪我してないか? 痛いって聞こえてたけど」
「ラビ、顔怖い! 怖い……っ、ほんまに、アイトのは入ってなくて、そこは俺が」
「え?」
挿入されて痛がっていたと思っているようだが、タイガが痛がっていたのは腰に食い込んでいた爪である。
ナカが柔らかいのはタイガがラビを受け入れるために、自ら用意していただけだ。
吐息を飲み込みながらなんとか誤解を解こうと口を動かすと、ピタ、とラビの指が止まる。
わざわざ説明するのが、あまりにも恥ずかしい。
タイガは下げていた両手の甲で目元を隠し、モゴモゴと言葉を紡ぐ。
その顔は、額から首回りまでが朱に染まっている。
「ラビが来るから、その……自分で準備、してました……」
「……」
真顔で黙り込んだラビ。
指先だけが器用に触り慣れたタイガの前立腺に触れた。
大きく腰が跳ねる。
「ひゃぁん! あほぉ!」
高く上がった矯声に耳を傾け、ラビは忙しなく指先を動かしソコを刺激した。
「理性。理性。今日は襲わない。理性理性……」
呪文を唱えるように自分に言い聞かせているのを聞きながら、執拗に敏感な場所を擦り上げられる。
「や、ぁんんっ……、らび、やからお前いっつも! 言っとることとやっとることちゃうって……!」
抗議の声を上げるものの、自然と腰は揺れ、タイガの中心は完全に立ち上がってしまった。
だが更なる刺激を体が欲し始めたところで、指が急に3本に増えた。
「だいたい、なんでそんな薬飲んだ状態であいつを招き入れたんだよ」
不機嫌そうに言いながら、指がバラバラとナカを掻き回す。
ピーヌに実験に付き合ってほしいと言われた、とのみすでに伝えている。
その薬の性能を聞いたならば、当然の疑問だった。
感じる点をわざと外しながら動く指が焦ったいが、ちゃんと触ってくれと言える雰囲気でもない。
「……ご、5分だけって……っそのくらいならぁ……んんっ……大丈夫かな、って……!」
答えながら、自分の甘さに改めて溜息が出そうだ。時間を巻き戻せるならば巻き戻して、自分の尻尾を踏みつけてやりたい。
タイガにとってはもちろん、巻き込まれたアイトにとっても最悪の状況を作り出してしまった。
「タイガ……さすがに無防備すぎないか」
「ごめんなさいぃっ」
声を上ずらせながら、タイガは腰を浮かす。
ナカの指がしこりを刺激し、反対の手は硬度を持ち蜜を滲ませるタイガのモノの先端に触れていた。
もう少し力が強ければ、達していただろう。微妙な加減に体は翻弄される。
静かなようでいて熱っぽい紅い瞳にタイガの痴態を映しながら、湿った吐息がラビから零れた。
「気持ち、良さそうだな。俺、タイガのこと大事にしたいから今日は本当にやめときたくて……」
「あっ、あぅ……っい、いま、やめられたら俺……っ」
手の動きを止めてしまったラビに対して、タイガは先を求める声を上げた。
想定外にも幼馴染に乱暴を働かれる結果になったタイガを気遣うラビの愛情は十分伝わっていた。
本来ならばタイガもその優しさを汲んで受け入れるのだが。
昨日は謎のお預けを食らい、昼は濃厚なキスのみ。自分で準備して待つ時間を経て、今はラビに体を晒し触れられている。
限界だった。
ラビもそれは察しているのだろう。
雄らしく薄い唇が微笑んだ。
「……1回だけ、気持ち良くなろうか」
だがタイガは焦った様子でベッドに両腕をつき、上体を起こす。
「えっえっ……!? まっ……それ、もしかして俺、だけ……!」
「うん、そうしたらもう寝」
「あかん!!」
手の動きを再開させるが、タイガはその手を握って止めさせた。
ジワリと痛みが広がるような感覚の後、舌が離れ肌に空気が触れた。
それが妙に冷たく感じて小さく呻き声をだす。
一糸纏わぬ姿でベッドに仰向けに寝かされたタイガは、覆いかぶさるラビを眉を顰めて見上げた。
「うう、沁みる……! ラビ、あの、普通に消毒とかにせん……?」
「それ、もっと沁みるぞ。他に舐められたり触られたりしたところは?」
アイトに襲われた傷は大きなものは肩と鎖骨だけだったが、細かなものは全身に出来ていた。
それをラビはひとつひとつ丁寧に舐めて回っている。
タイガからすると、全身舐め尽くされた気がしているが、まだ納得していないらしい。
本気で心配してくれているのだと分かっていても、どうしてもむずむずと落ち着かずに足を擦り合わせ目をそらす。
触られた場所は爪の傷が出来ている場所だろうが、舐められてはない気がした。
だが、あまり思い出せない。
「服破られたインパクト強すぎて他はあんまり覚えてへん……っ!?」
正直に答えている最中、有無を言わさず両膝を掴んで開かれる。
突然ラビの眼前に晒された後孔がぴくりと収縮した。
タイガは慌てて隠そうと手を伸ばす。
「そ、そこはほんっまに大丈夫やから!」
しかし、その手は容易く握られ阻まれた。
反対の手の指が1本、その入り口に差し込まれる。
「……オレには本当のことを言ってくれ。ほら、こんなに柔らかいの……っ……絶対触られてる……間に合ってなかったのか」
「……ぁっ、ちゃう、ちゃうて! それはその……っん、やめ」
いとも容易く指を受け入れるソコに、体を気遣ってくれていた優しい声色がどんどん低くなり顔も険しくなっていく。
ナカを確かめるようにじっくりと動かされると、良いところに当たって堪らなくなった。
兆し始めてしまった中を両手で隠す。
しかし、ラビは冷静ではない。タイガの様子には気が付かないようだ。
「入れられてないとこんなに解れてないだろ。中は怪我してないか? 痛いって聞こえてたけど」
「ラビ、顔怖い! 怖い……っ、ほんまに、アイトのは入ってなくて、そこは俺が」
「え?」
挿入されて痛がっていたと思っているようだが、タイガが痛がっていたのは腰に食い込んでいた爪である。
ナカが柔らかいのはタイガがラビを受け入れるために、自ら用意していただけだ。
吐息を飲み込みながらなんとか誤解を解こうと口を動かすと、ピタ、とラビの指が止まる。
わざわざ説明するのが、あまりにも恥ずかしい。
タイガは下げていた両手の甲で目元を隠し、モゴモゴと言葉を紡ぐ。
その顔は、額から首回りまでが朱に染まっている。
「ラビが来るから、その……自分で準備、してました……」
「……」
真顔で黙り込んだラビ。
指先だけが器用に触り慣れたタイガの前立腺に触れた。
大きく腰が跳ねる。
「ひゃぁん! あほぉ!」
高く上がった矯声に耳を傾け、ラビは忙しなく指先を動かしソコを刺激した。
「理性。理性。今日は襲わない。理性理性……」
呪文を唱えるように自分に言い聞かせているのを聞きながら、執拗に敏感な場所を擦り上げられる。
「や、ぁんんっ……、らび、やからお前いっつも! 言っとることとやっとることちゃうって……!」
抗議の声を上げるものの、自然と腰は揺れ、タイガの中心は完全に立ち上がってしまった。
だが更なる刺激を体が欲し始めたところで、指が急に3本に増えた。
「だいたい、なんでそんな薬飲んだ状態であいつを招き入れたんだよ」
不機嫌そうに言いながら、指がバラバラとナカを掻き回す。
ピーヌに実験に付き合ってほしいと言われた、とのみすでに伝えている。
その薬の性能を聞いたならば、当然の疑問だった。
感じる点をわざと外しながら動く指が焦ったいが、ちゃんと触ってくれと言える雰囲気でもない。
「……ご、5分だけって……っそのくらいならぁ……んんっ……大丈夫かな、って……!」
答えながら、自分の甘さに改めて溜息が出そうだ。時間を巻き戻せるならば巻き戻して、自分の尻尾を踏みつけてやりたい。
タイガにとってはもちろん、巻き込まれたアイトにとっても最悪の状況を作り出してしまった。
「タイガ……さすがに無防備すぎないか」
「ごめんなさいぃっ」
声を上ずらせながら、タイガは腰を浮かす。
ナカの指がしこりを刺激し、反対の手は硬度を持ち蜜を滲ませるタイガのモノの先端に触れていた。
もう少し力が強ければ、達していただろう。微妙な加減に体は翻弄される。
静かなようでいて熱っぽい紅い瞳にタイガの痴態を映しながら、湿った吐息がラビから零れた。
「気持ち、良さそうだな。俺、タイガのこと大事にしたいから今日は本当にやめときたくて……」
「あっ、あぅ……っい、いま、やめられたら俺……っ」
手の動きを止めてしまったラビに対して、タイガは先を求める声を上げた。
想定外にも幼馴染に乱暴を働かれる結果になったタイガを気遣うラビの愛情は十分伝わっていた。
本来ならばタイガもその優しさを汲んで受け入れるのだが。
昨日は謎のお預けを食らい、昼は濃厚なキスのみ。自分で準備して待つ時間を経て、今はラビに体を晒し触れられている。
限界だった。
ラビもそれは察しているのだろう。
雄らしく薄い唇が微笑んだ。
「……1回だけ、気持ち良くなろうか」
だがタイガは焦った様子でベッドに両腕をつき、上体を起こす。
「えっえっ……!? まっ……それ、もしかして俺、だけ……!」
「うん、そうしたらもう寝」
「あかん!!」
手の動きを再開させるが、タイガはその手を握って止めさせた。
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