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古代遺跡

124 温泉では大騒ぎ!

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 百二十四話  温泉では大騒ぎ!


 考古学者ホーリーの研究所へと戻った私たち。
 もう夜だというのに研究所内ではまだちらほらと助手たちの姿が。

 
 「あ、お帰りなさい。」


 助手の一人が私たちのもとへやってきた。
 

 「こんな暑い中でよく研究に集中できますわね。」

 「私どもはもう慣れました。あれでしたらここから少し行った広場の近くに天然温泉の施設があるので行ってみてはどうですか?」


 助手が広場のある方向を指差す。


 「え! 温泉あるんですの!!??」

 「はい。発掘など進めているとこうして温泉が湧くことも稀にあるのです。広場の温泉が一番効能がいいって話題ですよ。」

 「そうですの? ちなみにその効能ってわかります?」

 「確か、一番聞くのが美白ー…」


 「「美白!!??」」


 助手の言葉に私とウルゼッタが反応。互いに顔を見合わせる。


 「ねぇウルゼッタ。」

 「えぇ。これは行くしかないですわね!!」


 「みーちゃんここでシャワー借りるー。」

 「ワタチもヒミコと同意見だわ。二人で行ってらっしゃい。」


 こうして私とウルゼッタは助手の教えてくれた天然温泉のある広場へと向かった。



 ◆◇◆◇



 「「ーー……。」」



 広場に着いた私たちは一瞬言葉を失う。


 「え、水着着用?」


 まさかのこの温泉は混浴。子供以外は皆水着の着用を義務付けるよう張り紙が貼られていた。


 「えーと…、ウルゼッタ。私水着とか持ってないよ?」

 「それは私もです。今から買おうにもここ以外のお店で開いてるのってお食事処くらいしかありませんしー…。」


 まぁこんな時間に水着売ってるお店なんてあっても売れないもんね。


 私はその張り紙を数回読み返した後ゆっくりウルゼッタを見る。


 「ーー…てことだし、帰る?」


 「それはあり得ませんわ!!」


 ウルゼッタは大きく首を横に振る。


 「だってせっかくまた汗かいてここまで来たんですのよ! それじゃあただの無駄足ではありませんか!」

 「うん。そうなっちゃったね。」


 汗でびちょびちょで気持ち悪いよ。


 「でももうこれ手はないでしょ。」


 ここで悩むくらいなら早く研究所に帰ってシャワーを浴びたい。


 「いえ、何かあるはずですわ……何か。」


 ウルゼッタは口に手を当てて真剣に考える。
 私の視線はそんなウルゼッタへ。


 ーー…可愛い。
 それに時折指先で下唇に押し付けているのだが、その仕草があまりにセクシーだ。
 できるなら前の集落での夜みたいにそこに私の唇をー…。。

 私の脳内であの夜の出来事が再生され始める。
 そんな時だった。


 「ーー…あるではありませんか。いい方法が。」


 ウルゼッタは自身に満ち溢れた表情で私をみた。



 ◆◇◆◇



 「ーー…それがこれ。。」


 私の視界に映るのは鏡に映る自分の幼い体。
 そう、私の新しい果実産アイテム【ローリングちゅーぱー】を使って一時的に幼児化したのだ。


 「でもこれで問題解決でちゅわぁ!!」


 同じく幼児化した全裸のウルゼッタが私の腕を掴む。


 「さぁ、行きまちゅわよ!!」


 幼児化したことで水着をつけないで良くなった私たちはそのまま更衣室を出て混浴温泉へと出向いた。



 ーー…のだが。



 「ーー……。」


 なぜか私たちの周りにだけ男の人が群がっている。
 

 「なんかみんな息荒いけど、もしかして私たちが今だけ幼児化してることバレたのかな。」

 
 ウルゼッタに耳を近づけて小声で伝える。


 「いえ、流石にそんなことわかるはずありませんわ。ただー…。」

 「ただ??」

 「この場に大人同伴ではない子供は私たちのみ。これはロリコンたちにしてみれば格好の餌食でちょう。」


 ウルゼッタは群がる男の人たちを見ながら大きくため息をついた。


 「ねぇウルゼッタ。ロリコンって確かー…」

 
 「ねぇお嬢ちゃんたち二人だけ? パパやママは?」


 私がウルゼッタに話しかけようとしたタイミングでまるまるとお腹のでたおじさんに話しかけられる。
 みんな総じて股間ー…おちんちんを大きくしているのが見て分かる。




 「え、あー…んーと。。」

 「ナタリー。行きまちょう。」


 私が返答に困惑しているとウルゼッタが勢いよく立ち上がり腕を掴んで湯船から出る。


 「「おおぉぉーーーー!!!」」


 私たちは男の人たちの大歓声を浴びながらその場を離れた。


 「え、ウルゼッタ??」

 「あんな場所にずっといたらせっかくの温泉が蒸し風呂でちゅわ!」



 どんっ!!


 「ー…!?」

 「なんですの!?」


 突然隣から誰かがぶつかってきたので私たちはその場で転倒。ぶつかってきた犯人の顔を確かめるために上を見上げた。
 するとー…。


 「ーー…あ。」

 「あら。」


 ぶつかってきた犯人はまだ年端もいかない男の子。
 男の子もぶつかった衝撃で転倒したらしく尻餅をついていた。豪快に足を開いていたのでその中心にあるおちんちんに目がいく。


 「ご、ごめんなさい。」


 男の子はお尻をさすりながら立ち上がると、そのままその先を歩いていた母親らしき人物を追いかけていった。
 私たちもゆっくりと立ち上がる。


 「ー…やはり子供オチンポが一番見てて可愛いでちゅわね。」

 
 ウルゼッタがおっとりしながら男の子の後ろ姿を目で追う。


 「だったらマルくんのおちんちん見る? あの子のおちんちんもマルくんのとほとんど変わらないように見えたけど。」

 「いいでちゅわね! この姿でちたらスキンシップと称して人前で触ってもじゃれあってるようにしか見えませんしー…よろしくお願いしまちゅわ!!」




 ー…その後ここでは一時的な大騒ぎとなった。


 こっそりマルファスを召喚した私だったが、当時の私は全裸。何も装備していなかったということで……。


 「きゃああーーー!!!」
 「バケモノだーー!!!」


 浴場に現れたのはあの悪魔の見た目をしたマルファス。
 夢見る少女の願いが具現化していない状態だとあの姿に戻るんだ。。

 
 この一件で温泉は臨時閉店。
 その場にいた大人たちは皆、ルーナ国兵士によるスキルチェックを受ける羽目となっていた。

 ちなみにそのチェックで最近巷を騒がせていたという強盗が捕まったらしい。


 「危なかったでちゅわね。」

 「うん。」


 私たちは幼児化したままその場を退避。
 離れたところで幼児化を解除、着替えを済ませて研究所へと戻ったのだった。
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