おまえが堕ちろ

 事実として紛れもなく存在しているのは「死にたい」ただそれのみ。
 でも僕には死んでもいい理由が無いし、そもそも死ぬことが正しいとは微塵にも思っていない。
 きっかけも動機も上手く見つけられないそれはおそらく衝動によるものだろう。
 でも――それで片付けたくなかった僕は徹底的に自分を問い質す。
 ある時は小学生のように「何故?」を永遠と投げかけ、またある時は拷問のように自身の心を痛めつけ、一度は蓋をしてしまった「死」の真相を掴みたかった。
 どんどんと視野が狭くなり、もはや死ぬことを正当化しているようにさえ感じてくるのが自分でも分かった。
 これは頑固で思い込みが激しく、不可能であると分かっていても完璧であることを理想とし、知りたいことは全てを網羅しないと気が済まない、一言で言えば「ただの拗らせ」で括られるであろうメンヘラ男子が独りよがりな哲学を説いていくそんな話である。
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