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第二章 学園編
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「今日の授業は終わりです。質問がある者はあとで教務室へ来る様に」
んーーーっ! 今日はこれで授業が終わりか。
しばらく試験もないので学園全体の雰囲気も穏やかだし、仮装パーティー以降とても平和な学園生活を送っていた。
とはいえ、私は保育園経営者と学生の二足ワラジ生活だし、暇があれば色々と予定を詰め込んでいたのでのんびりはしていないのだけど。
あ、それより昨日園長先生と執事から経営に関する資料が届いているんだった! 早めに目を通しておかなきゃ。
「……嬢。イザベル嬢?」
「へ!? は、はい!」
「マリア嬢が我々に用があるみたいだよ」
「え?」
ふと顔を上げるとアリス様が困り顔で私とヘンリー殿下を見ていた。
いけない、つい考え事していたから気付かなかった!
「あ、ごめんなさい! ついぼんやりしていて。申し訳ありませんでした」
「こちらこそ急にお声がけしてごめんなさい」
マリア様はどこか真剣な眼差しで私達を見つめている。
んん、なんだろう。あんまり良くない話なのかしら。
「お二人にお話があるので、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか」
「はい、大丈夫ですよ」
「私も問題ない」
「ありがとうございます!」
んーー話すって言ってもこの時間帯だとまだ教室に人がいるしなぁ。
あ、そうだ。
「では、生徒会室はどうですか? 今日は活動日ではないので誰もいないと思いますし」
「さすがイザベル様! そうしましょう」
「そうだな、イザベル嬢の言う通り生徒会室が良さそうだ。では移動しようか」
寮に戻る生徒達の間を縫いつつ皆で生徒会室を目指す。
扉を閉めて適当な場所に腰を下ろすと、マリア様が神妙な面持ちのまま口を開いた。
「今日の授業は終わりです。質問がある者はあとで教務室へ来る様に」
んーーーっ! 今日はこれで授業が終わりか。
しばらく試験もないので学園全体の雰囲気も穏やかだし、仮装パーティー以降とても平和な学園生活を送っていた。
とはいえ、私は保育園経営者と学生の二足ワラジ生活だし、暇があれば色々と予定を詰め込んでいたのでのんびりはしていないのだけど。
あ、それより昨日園長先生と執事から経営に関する資料が届いているんだった! 早めに目を通しておかなきゃ。
「……嬢。イザベル嬢?」
「へ!? は、はい!」
「マリア嬢が我々に用があるみたいだよ」
「え?」
ふと顔を上げるとアリス様が困り顔で私とヘンリー殿下を見ていた。
いけない、つい考え事していたから気付かなかった!
「あ、ごめんなさい! ついぼんやりしていて。申し訳ありませんでした」
「こちらこそ急にお声がけしてごめんなさい」
マリア様はどこか真剣な眼差しで私達を見つめている。
んん、なんだろう。あんまり良くない話なのかしら。
「お二人にお話があるので、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか」
「はい、大丈夫ですよ」
「私も問題ない」
「ありがとうございます!」
んーー話すって言ってもこの時間帯だとまだ教室に人がいるしなぁ。
あ、そうだ。
「では、生徒会室はどうですか? 今日は活動日ではないので誰もいないと思いますし」
「さすがイザベル様! そうしましょう」
「そうだな、イザベル嬢の言う通り生徒会室が良さそうだ。では移動しようか」
寮に戻る生徒達の間を縫いつつ皆で生徒会室を目指す。
扉を閉めて適当な場所に腰を下ろすと、マリア様が神妙な面持ちのまま口を開いた。
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