男爵家三男、ベルンハルト・フォン・バーデン。
家督継承権はなく、本来ならどこかの官職に就くか、他家へ仕えるか、婿入りするか――そんな将来が待っているはずだった。
しかしベルは少しだけ優秀すぎた。
小遣い稼ぎのつもりで始めた商売は成功し、気付けば父親より金を持ち、長男より領地経営に詳しく、次男より商売が上手くなっていた。
本人に出しゃばる気はない。
ただ普通に生きていただけだ。
それでも、優秀すぎる三男の存在は家族との距離を少しずつ広げていった。
家に居場所がなくなった。
だからベルは学園へ来た。
貴族だから一応入学した。
家にいるより気楽だったから。
静かに暮らしたかったから。
寄付金を積んで手に入れた広い寮部屋で、本を読み、昼寝をし、卒業後は適当な文官になって平穏に生きる
そのはずだった。
だが現実は違った。
男装令嬢に懐かれ。
王太子に目を付けられ。
商会には囲い込まれ。
気付けば平穏はどこへやら。
本人はただ平穏に暮らしたいだけ。
周囲はなぜか放っておいてくれない。
これは、面倒事を嫌う規格外の天才が、静かな人生を目指して失敗し続ける物語である。
【HOTランキング1位達成!!!!】
研究者だった前世は、積み上げの全てを奪われて、火事で終わった。
転生した先は、十歳の儀式で水晶に灯る「色」が人生のすべてを決める世界。火は戦いに、土は壁に、青は治しに——だが、彼の水晶だけが灯らなかった。
無属性。俗称「いろなし」。職への道は閉ざされ、村の帳簿の彼の欄は、何も書き込む予定のない空白になった。
それでも彼は見ていた。誰の色も、灯る直前に一瞬だけ走る——「色のない揺らぎ」を。
無いんじゃない。まだ、見つかっていないだけだ。
誰にも見せない納屋で、毎晩百回、三年。物が既に持つ性質に無色の魔力を沿わせる独自技術「支え」を組み上げた少年の前に、ある夜、火の色の髪の冒険者が立つ。三年ぶんの記録の板を見上げて、彼女は笑わずに言った。
「ないんじゃなくて、まだ見つかってないだけなんでしょ。……いいよ。あたしが最初に見つけたげる」
欄のなかった少年と、その三年を最初に面白がった冒険者。拾われた雑用格から始まり、村を出て、ギルド都市へ、戦いの「境」へ——無属性の積み上げと発見の物語。
これは、「無い」と言われた色を、俺が見つけるまでの——そのぜんぶの記録だ。
※毎日21時投稿
※完結まで投稿を続けることをお約束します
【とりあえず、何かください】
ある日、豪華なベッドで一切の記憶を失った状態で目覚めた私。鏡を見ても「あなたは誰?」駆けつけた使用人たちに、言いたい放題言われるけれど、他人事のようで少しも自覚が持てない。ただ分かったのは、自ら毒を飲んだことと、夫がいるということだった。妻が目覚めたのに駆けつけてこない夫の元へ挨拶に行くと「もう、うんざりだ」と告げられる。皆からは嫌われているし、記憶もないから未練もない。青ざめる夫に別れを告げて、新天地へと旅立つことを決意した――
※ 他サイトでも投稿中
※ 22時更新予定
王位にも権力にも興味がない。
アルディア王国第2王子ルーク・アルディアは、優秀な兄クラウスが王になればそれで十分だと考えていた。
だからこそ、自ら王都を離れ、辺境で自由に暮らすことを選ぶ。
静かな毎日。
のんびりした暮らし。
そんな理想の日常を手に入れた――はずだった。
困っている人を助ければ感謝され、
領地を整えれば人が集まり、
気が付けば辺境はどんどん発展していく。
さらに辺境領主の娘エリシアとの出会いによって、ルークの毎日は少しずつ賑やかになっていく。
これは、王位を望まない最強の第2王子が、人々との絆を育みながら自分だけの居場所を作っていく、辺境スローライフファンタジー。
現代社会でかけだしの料理アシスタントだったのに、気が付いたら幼児に異世界転生しちゃってた。しかも、育児放棄っぽい感じで色々と訳ありのわたし。ふとしたことで拾ってもらったお城の魔道師長様(訳ありの呪いもち)の呪いを解くために一緒に旅をしつつ、時々は王宮に戻ったり。魔道師長様と一緒にいるために、とりあえず「魔道師長のまかない係」という役職をもらって、毎日、ルーしゃま(魔道師長)のご飯を作って、お城に居場所を作ってもらってましゅ!(あ、噛んだ) 自分でもただの捨てられた幼児だと思っていたら、なんだかあれよあれよという間に、ハイスペックのスキル持ちだったらしいことが判明・・・。お城ではガチムチのストイックな騎士団長様やお姫様に囲まれて幸せに暮らしてた所に、なんと突然父様と母様が現れた!でも、ここもなんかむちゃくちゃ事情ありな感じ。どうして、みんなそんなに訳ありなんでしゅか!
エリスと魔道師長ルーファスをめぐるほのぼのグルメファンタジー。 なろう様でも投稿中。カクヨムも近日中に投稿予定。
嫌われ王女は、粗末な納屋で暮らしていた。継母に嫌われていたからだった。そして、そうとは知らず、千年に一度誕生するというの聖獣を拾った。王女は、聖獣とともに、王宮を追われた。
【あらすじ】
異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。
それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。
家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。
十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。
だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。
最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。
この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。
そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。
そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。
旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。
☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。不定期更新。
☆カクヨム様(吉野 ひな)でも投稿しております。
浄水場の設備保全係として、22年間一日も休まず点検を続けてきた44歳のおっさん・田所健二。
台風の夜、ポンプ室で光る点検口を開けた彼が目を覚ましたのは――異世界の枯れ井戸の底だった。
彼に与えられた職業は、この世界に存在しない【保全技師】。
スキルは【点検】【修繕】【予防保全】と、どれも地味なものばかり。
だがこの世界のスキルは「続けた日数」で育つ。8,030日連続の点検実績を持つ健二の熟練度は、とっくに上限を突破していた。
【点検】すれば、井戸の詰まりも、魔物の弱点も、赤い印で丸見え。
【修繕】すれば、三か月枯れていた井戸から水があふれ出す。
剣も通らない岩喰いトカゲも、点検ハンマーで配管を叩く程度の力でコンと叩けば一撃で崩れ落ちる。
「いや、そんなに強く叩いてないんだけどな」
本人に最強の自覚はまったくない。
井戸番の娘ミナの手料理に舌つづみを打ち、偏屈なドワーフと工具談議に花を咲かせ、なついたスライムと畑を耕す。
そんなのんびりした日々の裏で、王国じゅうの井戸が次々と枯れはじめていて――。
「まあ、点検してみないとね」
壊れる前に見つけて、壊れたら直す。
地味な仕事を積み重ねてきたおっさんが、異世界の水と人々の暮らしを守る、ほのぼの無双ファンタジー。
ログインすると感想の投稿ができます。