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第12話 その未来は マイユール視点(2)
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「マイユール、繰り返すわよ。あれが、これから貴男たちを待っている未来」
「…………はい……」
「まさに悲劇よね。でも貴男はラッキーよ、だってそうなる前に未来を知れたんだもの。その先に待っている落とし穴を回避できちゃう」
……回避……。つまりそれは――
「そう、貴男が思っている通り。結婚しなければいいのよ」
持てる力を使って、懸命に足掻いても駄目だったんだ。選択肢は、それしかない。
「もう諦めていた結婚がまた出来るようになった直後に、結局出来なくなってしまう。それはとても辛いわ」
「………………」
「とはいえそれでも、あんな人生を送るよりはずっとマシ。マイナス1000よりマイナス100の方がいいでしょう?」
「………………」
「マイユール、ワタシが話したかったことは以上で終わりよ。……さあ、戻りましょう。戻ってアルマに、別れを告げましょう」
女性はくるりと身を翻し、十数メートル先にある扉へと歩き出す。
…………。なので僕も、彼女に続いて一歩を踏み出して――
「…………はい……」
「まさに悲劇よね。でも貴男はラッキーよ、だってそうなる前に未来を知れたんだもの。その先に待っている落とし穴を回避できちゃう」
……回避……。つまりそれは――
「そう、貴男が思っている通り。結婚しなければいいのよ」
持てる力を使って、懸命に足掻いても駄目だったんだ。選択肢は、それしかない。
「もう諦めていた結婚がまた出来るようになった直後に、結局出来なくなってしまう。それはとても辛いわ」
「………………」
「とはいえそれでも、あんな人生を送るよりはずっとマシ。マイナス1000よりマイナス100の方がいいでしょう?」
「………………」
「マイユール、ワタシが話したかったことは以上で終わりよ。……さあ、戻りましょう。戻ってアルマに、別れを告げましょう」
女性はくるりと身を翻し、十数メートル先にある扉へと歩き出す。
…………。なので僕も、彼女に続いて一歩を踏み出して――
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