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第15話 馬車内での会話 俯瞰視点
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「マルセル。屋敷に戻り次第、影に合図を出せ」
馬車の1つを邸の傍で待機させ、念のためユベール監視の命を出したあと。自邸へと戻る馬車の中では、こういった指令が出ていました。
アンドレの言う『影』。それは、ナルテウス家を陰で支える存在。当主の手足となって暗躍する、その道のプロフェッショナル達です。
「これから、今夜のシナリオを伝える。必ずメモをしておけ」
「畏まりました……っ」
「まずは、そうだな。影は、31人全員を使う。そしてああ宣告された以上、ヤツは籠城で迎撃しようとする。そこで0時になると同時にあの邸に突入し、2人以外を殺害。ユベールとベアトリスは生け捕りにする」
アンドレは邪悪な満面の笑みを浮かべて語り、マルセルは必死に手帳に記してゆきます。
「そんな2人はエントランスに連行され、そこへオレが登場。最初にベアトリスを平手打ちし、首輪をつける。そうしてユベールの前でたっぷりと調教を行い、目の前で屈服させたら仕上げ。変わり果てたベアトリスの前で首を刎ねられ、ヤツは無様に死を迎える。これが今夜起きるショーの内容だ」
――お前は応接室で、『自称持つ者な方が、2年半費やしても心変わりをさせられなかった』とほざいたな?――。
――それがどうだ? ほおら、心変わりをさせてやったぞ?――。
アンドレはその際に発する台詞まで用意しており、そのシーンを想像して大笑い。馬が激しく動揺してしまうほどに、禍々しい笑い声を響かせました。
「断頭は言わずもがな、オレがこの手で行う。よく切れる剣を用意しておけよ」
「しょ、承知いたしました。でしたら同時に、周辺貴族への口止めも――」
「無論だ。アイツらは、金さえあればどうとでもなる。各家、治安機関のトップ連中にもだ。1000万程度与えておけ」
そうして曰く『ショー』に関するやり取りは終わりを告げ、9時間が経過。アンドレは再び――今度は31人の猛者を率いてやって来て、
「アンドレ様。時間となりました」
「そうか。では開演だ。……ユベール、ベアトリス。貴様らの選択を、嫌という程に後悔させてやる……!!」
懐中時計が0時を指したと同時に、スタート。大小様々な利器暗器を携帯した31人の影が、静かに邸内へと侵入したのでした。
馬車の1つを邸の傍で待機させ、念のためユベール監視の命を出したあと。自邸へと戻る馬車の中では、こういった指令が出ていました。
アンドレの言う『影』。それは、ナルテウス家を陰で支える存在。当主の手足となって暗躍する、その道のプロフェッショナル達です。
「これから、今夜のシナリオを伝える。必ずメモをしておけ」
「畏まりました……っ」
「まずは、そうだな。影は、31人全員を使う。そしてああ宣告された以上、ヤツは籠城で迎撃しようとする。そこで0時になると同時にあの邸に突入し、2人以外を殺害。ユベールとベアトリスは生け捕りにする」
アンドレは邪悪な満面の笑みを浮かべて語り、マルセルは必死に手帳に記してゆきます。
「そんな2人はエントランスに連行され、そこへオレが登場。最初にベアトリスを平手打ちし、首輪をつける。そうしてユベールの前でたっぷりと調教を行い、目の前で屈服させたら仕上げ。変わり果てたベアトリスの前で首を刎ねられ、ヤツは無様に死を迎える。これが今夜起きるショーの内容だ」
――お前は応接室で、『自称持つ者な方が、2年半費やしても心変わりをさせられなかった』とほざいたな?――。
――それがどうだ? ほおら、心変わりをさせてやったぞ?――。
アンドレはその際に発する台詞まで用意しており、そのシーンを想像して大笑い。馬が激しく動揺してしまうほどに、禍々しい笑い声を響かせました。
「断頭は言わずもがな、オレがこの手で行う。よく切れる剣を用意しておけよ」
「しょ、承知いたしました。でしたら同時に、周辺貴族への口止めも――」
「無論だ。アイツらは、金さえあればどうとでもなる。各家、治安機関のトップ連中にもだ。1000万程度与えておけ」
そうして曰く『ショー』に関するやり取りは終わりを告げ、9時間が経過。アンドレは再び――今度は31人の猛者を率いてやって来て、
「アンドレ様。時間となりました」
「そうか。では開演だ。……ユベール、ベアトリス。貴様らの選択を、嫌という程に後悔させてやる……!!」
懐中時計が0時を指したと同時に、スタート。大小様々な利器暗器を携帯した31人の影が、静かに邸内へと侵入したのでした。
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