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第17話 6日目~7日目 あたしは裏をかけちゃう美少女 リーエス視点
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((思ってたより対応が早くて、脱出はできなかったけど……。甘々。あたしを追い詰めるコトはできないんだよね))
あれから馬車に乗せてもらって国境に行き、関所の直前で降りて近くにあるスラム街に移動。そこで髪を切って変装用の服と眼鏡を買って、今は『ダンデ』――関所近くの街で、あたしを探す手伝いをしています。
――堂々としてたら、疑われない――。
これは、悪さをする時の秘訣。昔から何回もそういうコトをしてきたんだけど、こうしてると全然バレないんだよね。
「リーエスは、近くにある関所に来てたんですよね? 絶対に見つけましょうっ」
「ええっ! 全員で力を合わせて見つけましょう!」
ほらね? こんな感じ。
まさか、自分が自分を探してるなんて思わないもんね。どいつもこいつも傍に本人がいるのに、ぜーんぜん気付かないのっ。
「あのっ。逃走防止のため、3人1組となって調査していこうと思うんです」
「よかったら、わたし達と来てくれませんか?」
「喜んでっ。私も一緒に探しますっ」
あたしはこうやって時間を稼いで、なんと。次の日の、8時40分くらいになるのを待っているんだよね。
その理由はズバリ、混乱に乗じて国外へ脱出するタメ!
((入国を阻止されていても、死ぬのは怖いもんね? タイムリミットが近づいたら、『もう駄目だ~』ってなってダメ元で関所に一斉に押し寄せちゃう))
そしたら警備兵も対処しきれなくなって、何人かはすり抜ける。あたしはその何人かの一人になって、隣の国へ。
そっちに着いたら、数日前に用意していたアレの出番。『民の信仰心が低くなっていたせいかも』とか『犯罪の濡れ衣をかけられて、唯一味方だった神殿のスタッフが逃がしてくれた』とか言って、そしたら同情されて保護けって~い。
コッソリ持ってきた宝石とか指輪もあるし、楽しい生活が続くんだよね~っ!
((んっ。ピンチになっても軽やかに回避できる。流石あたしだよねっ))
アイツらが何をやってきても、ムダ。ぜ~んぶムダ。あたしはさらりと躱して、明日この国にサヨナラするのです。
「まずは、この辺りにある小屋を調べようと思います。いかがでしょうか?」
「わたしは賛成ですよ。貴女はどう思います?」
「私も賛成です。見つかるといいですね」
引き続き擬態をして、一生懸命探す、フリをする。
夜遅くまで3人で動いて、夜中になると特設された寄合所で休憩して、朝になったら――。
「……もう無理ですよ。一緒に逃げましょうっ!」
こんな感じで回りにいる人達に脱出を呼び掛けて、34人と一緒に関所を目指し始めたのでした。
((あたし達が着く頃には、他のトコロからも押し寄せてきてるはず。作戦大勝利、間違いなしだねっ))
あたしだけは内心嬉々としながら走って、ぇ?
ぇ……?
「聖女、リーエス……。憎い……。コロス……!」
関所まであとちょっとのところで、あたし達の前に黒い化け物が現れた。
あれから馬車に乗せてもらって国境に行き、関所の直前で降りて近くにあるスラム街に移動。そこで髪を切って変装用の服と眼鏡を買って、今は『ダンデ』――関所近くの街で、あたしを探す手伝いをしています。
――堂々としてたら、疑われない――。
これは、悪さをする時の秘訣。昔から何回もそういうコトをしてきたんだけど、こうしてると全然バレないんだよね。
「リーエスは、近くにある関所に来てたんですよね? 絶対に見つけましょうっ」
「ええっ! 全員で力を合わせて見つけましょう!」
ほらね? こんな感じ。
まさか、自分が自分を探してるなんて思わないもんね。どいつもこいつも傍に本人がいるのに、ぜーんぜん気付かないのっ。
「あのっ。逃走防止のため、3人1組となって調査していこうと思うんです」
「よかったら、わたし達と来てくれませんか?」
「喜んでっ。私も一緒に探しますっ」
あたしはこうやって時間を稼いで、なんと。次の日の、8時40分くらいになるのを待っているんだよね。
その理由はズバリ、混乱に乗じて国外へ脱出するタメ!
((入国を阻止されていても、死ぬのは怖いもんね? タイムリミットが近づいたら、『もう駄目だ~』ってなってダメ元で関所に一斉に押し寄せちゃう))
そしたら警備兵も対処しきれなくなって、何人かはすり抜ける。あたしはその何人かの一人になって、隣の国へ。
そっちに着いたら、数日前に用意していたアレの出番。『民の信仰心が低くなっていたせいかも』とか『犯罪の濡れ衣をかけられて、唯一味方だった神殿のスタッフが逃がしてくれた』とか言って、そしたら同情されて保護けって~い。
コッソリ持ってきた宝石とか指輪もあるし、楽しい生活が続くんだよね~っ!
((んっ。ピンチになっても軽やかに回避できる。流石あたしだよねっ))
アイツらが何をやってきても、ムダ。ぜ~んぶムダ。あたしはさらりと躱して、明日この国にサヨナラするのです。
「まずは、この辺りにある小屋を調べようと思います。いかがでしょうか?」
「わたしは賛成ですよ。貴女はどう思います?」
「私も賛成です。見つかるといいですね」
引き続き擬態をして、一生懸命探す、フリをする。
夜遅くまで3人で動いて、夜中になると特設された寄合所で休憩して、朝になったら――。
「……もう無理ですよ。一緒に逃げましょうっ!」
こんな感じで回りにいる人達に脱出を呼び掛けて、34人と一緒に関所を目指し始めたのでした。
((あたし達が着く頃には、他のトコロからも押し寄せてきてるはず。作戦大勝利、間違いなしだねっ))
あたしだけは内心嬉々としながら走って、ぇ?
ぇ……?
「聖女、リーエス……。憎い……。コロス……!」
関所まであとちょっとのところで、あたし達の前に黒い化け物が現れた。
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