【完結】ホットココアと笑顔と……異世界転移？

38話

　最近の翠の一日の流れはと言うと、起床し、笑美と一緒に朝食。
　城へ行ってジュノに勉強を教えて貰う。
　夕方頃には帰って来て笑美と一緒に中庭で弱い魔物と戯れたり野菜の収穫を手伝ったり、魚を釣ったり、花から蜜を採取したりする。
　そして笑美と夕食。
　まったりリビングで読書。
　笑美とお風呂に入る。
　笑美が淹れてくれたホットココアを飲む。
　寝る。
　
　充実した一日を過ごしていた。

　今日もジュノに勉強を教えてもらう翠。
　最初は警戒していた笑美であるが、ジュノが誠実であり、本当に勉強を教えるだけで怪しい動きはしなかった。
　よく翠について相談に乗ってくれたりもして、笑美とジュノはそれなりに仲良くなった。
　
「所でセックスの事はまだ教えて貰えませんか？」

　ジュノに勉強を教えて貰いはじめてもう２週間になるが、全くセックスのセの字も教えて貰え無い翠は不満そうだ。

「順番が有りますからね、今日は光の屈折について説明しますよ」

　ジュノは上手く誤魔化し、基軸を修整したらしい。
　全く関係ない光の屈折の説明をはじめている。
　翠も割と興味津々で聞いているので、科学は好きなのかもしれない。
　それにしたってあまりもセックスセックス言うものだからどうしたものだと笑美は心配してこっそりジュノに相談した事があった。

「翠さんなんですけど、セックスに興味が有り過ぎだと思いませんか？　どうしら良いでしょうか」

　みたいな事を聞いた。
　よく考えたら翠は29歳の大人なのに過保護過ぎるとは思うものの心配なものは心配である。
　ここから急にセックスに目覚めて性に奔放な子になってしまったらどうしよう。

「あまり気にしなくて良いのではと思いますよ。覚えたての言葉を連呼するなんて事はよく有る事です。子供が異性のスカートを捲ったりする様な感覚なのでは？　遅く来た思春期なのでしょう」
　
　なんてジュノは言ってくれた。
　そう言われると、そんな気がしてくる笑美である。
　覚えたてのセックスを連呼してるなんて可愛い。

　とは言え、本人は成人も過ぎた良い大人であるし、笑美にとっては今にも襲いかかりたい程魅力的な人である。
　その人に急に思い出した様に「俺は笑美さんとセックス出来るようになりたいので、やっぱり笑美さんが教えて下さい」とか言われるとたまったものでは無い。
　
　本当に勘弁して欲しい笑美である。