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2章

34 じーじ襲来2

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カグリア 視点

リビングに行くとリリスがソファに座っていた。
まだ、ルナ達は来ていないようだった。

「リリス、片付け終わった?」

「うん、終わったよ。」

ちゃんと片付けは出来ているようね。

「お疲れ様。」ナデナデ

褒められて嬉しいようね。

「リアとリリス、クリスいるわね。」

リビングに入って来たのは、涙目のティーを抱いたルナと、もの凄く落ち込んでる創造神様だった。

うん、なんとなく想像できる。
ごめんなさい…

創造神様をソファに座らせお茶を出した。

創造神様は落ち込んでるので話が進まない。
どうしたものかと考えているとルナが干し芋を創造神様に渡した。

「ん?干し芋?どうするのじゃ?」

「それを裂いて、この子達にあげて。」

「こうかのう?」

「あーきゃー!!」キラキラ…

干し芋をティーの目の前に出すと、ティーは先ほどまでの泣き顔が一変し、目を輝かせ身を乗り出し取ろうと手を伸ばしていた。アホ毛もぶんぶんしてる。
いや、ティーだけではなくあたしが抱いてたクリスも同じく手を伸ばしていた。

「早く2人にあげて。」

「う、うむ…」

もきゅもきゅもきゅもきゅ…

2人は干し芋を受け取り一心不乱にしゃぶり始めた。
頻繁にあげているのになぁ…

「今なら機嫌が良いから抱けるわよ。はい!」

創造神様は緊張しながらティーを受け取った。
いや、さっきまで抱いてたでしょ?
普通にすればこの子達は泣かないからね。

「驚かせなければ、嫌われないのよ。普通にしてよほんと…」

「すまんのう、半年振りだったものでつい…」

下級神の娘に怒られる最高神ってあり得ないはずなのに目の前で起こっているのよね。はぁ…

そろそろ本題に入って欲しい。
折角の家族団らんなのだ。
創造神様でも邪魔はされたくないのよ。

「今回どのようなご用件で?」

「手紙に書いていたのじゃが…」

「手紙はさっき受け取ったのでまだ見てません。」

「なんと!?早すぎたか…3日前に出しのにのう…」

3日前なら早いわね。
ここは魔獣の森、今は安定しているけど凶暴な魔獣や討伐獣が彷徨いているのよ。
1週間くらい待ってから来て欲しいわ。

まぁ、書いた神がここにいるので手紙は開かず聞こう。
流石に目の前で開けるのは失礼だし。

「それで何しに来たのかしら?」

ルナ!?ストレート過ぎ!

「うむ、来月のティーちゃんの誕生日についてじゃ。」

あぁ、ティーの誕生日は親戚だけのこじんまりしたパーティにするつもりよ。
招待状もかなり前に出している。

「実は…上位神達がティーちゃんの誕生日を祝わせろと言ってくるのじゃ。わしどうしたら良いか…」

いや、それあたし達関係ないですからそっちで解決して下さい。

「ティーちゃんが拐われる可能性があるから顔出しはしないと前に説明したわよね。」

おー、ルナは怒り心頭だね。

神同士の仲は良い、だけどそれが争いの可能性になる。
ティーは創造神様の孫である。それだけで狙われるのに神力も桁違いに多い。
誰がその力を手に入れるか争いになる。

キラティア争奪戦が始まってしまうのである。

「しかしのう…」

「それにリリスとクリスと差が出来てしまうから嫌よ。」

そう、あたし達は子供達を平等に育てることを決めた。
だから、1人だけ選ばれた者のように優遇するわけにはいかない。

「むー…」

創造神様は唸っている。
そろそろ助け船をだしますか。

「お義父さん、妥協点として数名の代表だけ招待します。」

「む!?数名とな?」

「ええ、全ての神は無理でも数名…できれば5人までなら呼んでも構いませんよ」

「ちょっとリア!?」

慌てるルナだけど、ここで断ったら神全員が来るかもしれない。。
なら、向こうで決め合って少ない人数を相手した方が楽よ。

「わかったそうしよう。向こうは出し抜くことを考えるじゃろうから、その方がいいかもしれんのう。」

創造神様も納得のようだ。

「なら、パパ!招待状を出してくれるかしら?」

ん?ルナ?

「これじゃのう?」

創造神様は言われるまま招待状をルナに渡した。

ルナはいそいそと部屋を出て行き、数分後封筒を持って戻って来た。

「これをサンお兄様に渡しておいてね。」

「ん?儂のは?」

「この中よ。パパもティーちゃんの誕生日会争奪戦に参加してから来てね。」

「へ?儂は絶対参加じゃろ?」

「うふふ。面倒ごとを持って来たからその罰よ。参加禁止でもいいわよ?」

「わ、わかったのじゃ。わかったから怒らないでくれ…」

ルナの怒りに創造神様は顔が真っ青になっている。
まぁ、予定を狂わせられたからね。
食事の用意やら防犯の強化をやらないといけないから余計な手間がかかる。

「その手紙はサンお兄様以外開けられないように魔術をかけてるから、ちゃんとサンお兄様に渡してね。パパ」

「ティーちゃん…じーじは必ずティーちゃんの誕生日会に参加するからね。」

そう言って創造神様は挨拶をそこそこに大急ぎで帰って行った。

「よかったの?あんな事して…」

「良いのよ。どうせ来るわよ。」

あたしはそれ以上言えなかった。
ただの話し合いで決まるとは思えなかった。
あたしが出来ることは平和的に参加者が決まることを願うだけだ。










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