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3章

40 挑戦を受ける者2

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カグリア 視点

自分の父親の対策を練っていたカグリアよ。

「カグリアさん出番ですよ。」

「今行くわ。」

あたしは係に呼ばれ、リングに向かった。

リングに着くと、もう父ちゃんは構えており、いつでも戦える状態だった。

父ちゃんが言っていた…
戦とは常にそこにあるものだ。
安らげる場所以外では構えるべし。

戦場で卑怯だろうと勝てば勝ちというのが父ちゃんの信条らしく外にいる時は常に構えている。

なので、家族であっても迂闊に近づけないのである。
ティーを始めて抱いた時なんて…
ティーのアホ毛が当たった瞬間に戦闘態勢を取り、奪い返すまでどれだけ暴れたことやら…(主にダメージを受けたのは弟)
誕生日会が怖い…

そんなわけであたしも合図前に構えた。
あたしは父ちゃん同じタイプの手甲を装備している。

お互いの気迫がぶつかり合い審判が青ざめている。
早く終わらせたいわね。

「よ、よろしいですか?」

「うむ、始めてくれ。」

「こっちもいいわ。」



「では、始め!」

ドゴン!!

凄まじい衝撃音と共にあたしと父ちゃんの場所が入れ替わった。

これはティーのように転移ではなく、高速移動による瞬間移動だ。
しかもその高速スピードから放たれる突きは衝撃波としてぶつかり合う。

もし、あたしが大剣などの武器を使用していたら、武器は吹っ飛ばされ父ちゃんの高速突きを全身に受けていたでしょうね。
だから、あたしは父ちゃんと同じスタイルにした。

元々、父ちゃんから伝授されていたので使えるが、獲物が跡形もなく挽肉になるのであまり使わないのよね。

だから、父ちゃんより技は劣ってしまいこのままでは、負けてしまう。

そこであたしは父ちゃんの攻撃を耐えつつ舞台を整えることにした。

まず、あたしは攻撃の余波を下に行くように相殺した。

これにより、地面はえぐれスピードが出にくくなる。
予想通りすぐに父ちゃんは防御の構えに変えた。

父ちゃんは少しでも不利になると思うとすぐに守りを固めチャンスを待つの…

防御というがあくまで防御よりになっているだけで下手に近づけばまた高速突きが襲って来る。

誰もが長期戦になると思うでしょうね。

しかし、あたしはこの状況を望んだ。
理由は簡単!他の武器が使えるからよ。
高速突きで大振りの剣を使えば振る前に潰される。
でも今は防御よりのため基本攻撃を防ぐ…
つまりどの武器だろうと受けてくれる。

とはいえ、鉄壁の防御とも言える父ちゃんの防御を突破出来る武器なんて上位の神器くらいだろう。
しかし上位の神器なんて下位神のあたしが所持しているわけではない。
あるのは下位の神器だ。
神器は創造神様や一部の上位神が所持している。
なら、どうするか…
それは代用品を使うのよ。

さて、あたしはアダマンタイト製の大剣とある物をアイテムボックスから取り出し構えた。

フゥー…



フッ!!

あたしは父ちゃんに剣を振り下ろしたが当然防がれた。あたしはすぐに右や左や斜めと振るうがことごとく防がれる。
そして、大振りの剣はスキが出来る…

そこを狙って父ちゃんは突きを繰り出す…

今だ!!

ガキン!?

「は?」

あたしは大剣で防いだ。
しかし、ただ防いだだけではない。

ちょうど、父ちゃんの突きが当たる場所にティーのアホ毛を付けたのだ…
自分でもアホだと思う。

しかし効果は絶大で父ちゃんの手甲は砕け、理解が出来ない父ちゃんはフリーズした。

あたしはそのチャンスに全力で父ちゃんを殴りつけた。

「ブフッ!!」

父ちゃんはリング場外となり、あたしが勝った。

そんなわけであたしは優勝した。

隠された優勝商品はなんとキラティアの誕生日会の招待状だった。



要らないよ。

そんなわけで、副賞のミスリル鉱石と賞金だけ貰った。
結構量があるからティー達用にも何か作ろっと!

2位は父ちゃんも賞金だけ貰った。

ティーの誕生日会の招待状は3位のレヴァンさんが受け取った。
言えばあげたのに…

そんなわけでホクホク気分で家に帰って行った。



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