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4章
49 大きな落し物
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困惑女神 ルナール 視点
私は今困惑しています。
何故かというと朝、玄関を開けると庭にSSランクと呼ばれる魔獣が落ちているからです。
魔獣にはランクがあり、DからAランクが一般の魔獣、Sが魔獣の森にいる討伐獣、S Sからレジェンド、神域と呼ばれる魔獣は最果ての地にいる。
つまり、本来いないはずの魔獣が庭先に落ちていたのである。
…
死因を見ると火傷と落下による打撲が原因のようだ。
一体何が原因なのかな?とある2人を見る私ルナール。
さっ!?
同時に顔を逸らすリアとティー…
どうやら昨日、お風呂でティーが発した高温蒸気が上空で積乱雲を発生させ、たまたま?魔獣の森上空を飛んでいた鳥型魔獣が下降。そして運悪く2度目のさらに温度が上がった蒸気に直撃し苦しむように死んでいったと空蜘ちゃんの1匹が証言してくれた。
なぜ昨日こんな大きな魔獣が落ちたことに気づかなかったかというと空蜘ちゃんの張った罠をゆっくり壊しながら落ちて来たため落ちた音が小さかったからである。
裏で空蜘ちゃん達が家に落ちないように頑張っていたらしい。
あとで何かあげよう。
昨日は雨が降り出したなぁと思ったけど原因は身内だった…はぁ…
ティーは討伐対象ではない魔獣を殺してしまった。
意図的に討伐したわけではないが無意味に生き物を殺したのはまずい。
魔獣の死が意味のある討伐でなければ、捕まりはしないが冒険ギルドにペナルティを課せられてしまうことがある。
ペナルティを受けると査定の金額が下がったり、親族であるリアが受けられないクエストが出てくる。
それらを回避するには食べるしかない。そうなれば意味のある死となりペナルティは受けない。
しかし、庭を半分以上占領している巨大な鳥をどうしたものかしら…
「とりあえずリア!取れるだけお肉取っちゃて!」
「了解!」
私はリアからティーを受け取りおぶった。
そして、リアはSS魔獣レインボーバードを解体し始めた。
当分は鳥肉料理ね。
残りはどうしたものか…チラッ…
私の背中には目を輝かせ、ヨダレダラダラの娘が見えてしまった。
さっきから濡れていると思ったら…はぁ…
「いい?ティーちゃん!リアママの作業が終わったら飲んでいいからね。それまでは我慢よ?」
「あ~い!!」
ティーのヨダレの量がさらに増えた…やめて…
私の足元にはヨダレの水溜りが出来ていた。
リア…急いで作業を終わらして、私の精神的にもう限界よ!
クリスも私がおぶっているが、ヨダレに濡れるのがイヤらしく逃げようと暴れていた。
仕方がないのでクリスはリリスにおぶってもらおう。
しかし、リリスは状況が飲み込めず呆然と突っ立ていた。
これでは無理ね…
鳥さん?鳥さん?と呟いている。
仕方ないのでティーを前抱きにした。これなら濡れないでしょう。
しかし、私の考えは甘かった…
ふと、足元の草を見ると薬草が生えていた…
それも、最上級ポーションの材料の一つである、日輪草が生えてきているのである。
リア!早く終わって!
私の願いが通じたのか、リアが自分と同じぐらいの高さの肉のブロックを担いで戻ってきた。
「ルナ、あれはデカ過ぎて食べきれないよ。どうする?」
「とりあえずティーちゃんに任せてみます。」
「大丈夫なの?」
「時間が惜しいし私の精神持たないかも?というわけでティーちゃんGO!!」
「あ~~い!!」ぶんぶん!!
私がティーを降ろすと嬉々としてティーは魔獣に向かって行った。
こんな森から丸見えの魔獣を誰かに見られ通報されたら大騒ぎになる。
カサカサ…
ゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュ…
ティーはレインボーバードに近づき飲み始めた。
いつもよりペースが速い!?
余程お腹を空かしていたのね。
でも、朝ごはん食べていたのになぁ…
「リア、私…ティーちゃんのヨダレで服が濡れたからクリスと着替えくるわ。」
「わかった。ティーは見ておくよ。リリスも部屋に戻っていいわよ。」
「!?は~い!」
我に返ったリリスは私と共に家に入った。
さて、リリスが部屋に戻るのを見届けてから、私とクリスはお風呂場でヨダレを洗い流し着替えた。
クリスがしきりに口に手を入れるので気になって覗くと下の方にちょこんと白い歯が見えた。
「歯が生えていたのね。美味しいもの食べれるわね。」ナデナデ
「う!!」
相変わらず表情は乏しいが喜んでいるのがわかる。
早くシャーベット無しであの笑顔が見たいわね。
「笑顔!笑顔!」ムニムニ
「やー!!」ジタバタジタバタ…
クリスの顔をムニムニしていたが嫌がられてしまった…残念。
キュポン!!
あら?この音は…久しぶりに聞いたわね。
外から響く栓が抜ける音…そろそろ終わりね。
部屋から慌ててやって来たリリスをなだめつつ、外に出ると魔獣は砂のように崩れていった。
危機は去ったわ。
「あー!!SSランクの素材が~!」
目の前で絶望しているリアがいるけど、羽一つで家より大きいのに保管する場所ないからね。
さて、可愛い我が子はどこかしら?
アホ毛で降る砂を払いつつ満足そうに横たわる娘がいた。
私は軽くアホ毛に当たりながらティーを抱いた。
「ほら、寝んねの前にゲップしましょうね。」
トントン!トントン!
けぷっ!
その後、ティーはすやすやと寝てしまった。
これは当分起きないわね。
私はリアをそのままに家に入っていった。
SSランクの魔獣が出たことを父や国に報告しなければならないと思うとため息が出るわ…ハァ。
まだ昼になってないのに疲れたわ。
私は眠ったティーを寝かせに部屋に向かった。
私は今困惑しています。
何故かというと朝、玄関を開けると庭にSSランクと呼ばれる魔獣が落ちているからです。
魔獣にはランクがあり、DからAランクが一般の魔獣、Sが魔獣の森にいる討伐獣、S Sからレジェンド、神域と呼ばれる魔獣は最果ての地にいる。
つまり、本来いないはずの魔獣が庭先に落ちていたのである。
…
死因を見ると火傷と落下による打撲が原因のようだ。
一体何が原因なのかな?とある2人を見る私ルナール。
さっ!?
同時に顔を逸らすリアとティー…
どうやら昨日、お風呂でティーが発した高温蒸気が上空で積乱雲を発生させ、たまたま?魔獣の森上空を飛んでいた鳥型魔獣が下降。そして運悪く2度目のさらに温度が上がった蒸気に直撃し苦しむように死んでいったと空蜘ちゃんの1匹が証言してくれた。
なぜ昨日こんな大きな魔獣が落ちたことに気づかなかったかというと空蜘ちゃんの張った罠をゆっくり壊しながら落ちて来たため落ちた音が小さかったからである。
裏で空蜘ちゃん達が家に落ちないように頑張っていたらしい。
あとで何かあげよう。
昨日は雨が降り出したなぁと思ったけど原因は身内だった…はぁ…
ティーは討伐対象ではない魔獣を殺してしまった。
意図的に討伐したわけではないが無意味に生き物を殺したのはまずい。
魔獣の死が意味のある討伐でなければ、捕まりはしないが冒険ギルドにペナルティを課せられてしまうことがある。
ペナルティを受けると査定の金額が下がったり、親族であるリアが受けられないクエストが出てくる。
それらを回避するには食べるしかない。そうなれば意味のある死となりペナルティは受けない。
しかし、庭を半分以上占領している巨大な鳥をどうしたものかしら…
「とりあえずリア!取れるだけお肉取っちゃて!」
「了解!」
私はリアからティーを受け取りおぶった。
そして、リアはSS魔獣レインボーバードを解体し始めた。
当分は鳥肉料理ね。
残りはどうしたものか…チラッ…
私の背中には目を輝かせ、ヨダレダラダラの娘が見えてしまった。
さっきから濡れていると思ったら…はぁ…
「いい?ティーちゃん!リアママの作業が終わったら飲んでいいからね。それまでは我慢よ?」
「あ~い!!」
ティーのヨダレの量がさらに増えた…やめて…
私の足元にはヨダレの水溜りが出来ていた。
リア…急いで作業を終わらして、私の精神的にもう限界よ!
クリスも私がおぶっているが、ヨダレに濡れるのがイヤらしく逃げようと暴れていた。
仕方がないのでクリスはリリスにおぶってもらおう。
しかし、リリスは状況が飲み込めず呆然と突っ立ていた。
これでは無理ね…
鳥さん?鳥さん?と呟いている。
仕方ないのでティーを前抱きにした。これなら濡れないでしょう。
しかし、私の考えは甘かった…
ふと、足元の草を見ると薬草が生えていた…
それも、最上級ポーションの材料の一つである、日輪草が生えてきているのである。
リア!早く終わって!
私の願いが通じたのか、リアが自分と同じぐらいの高さの肉のブロックを担いで戻ってきた。
「ルナ、あれはデカ過ぎて食べきれないよ。どうする?」
「とりあえずティーちゃんに任せてみます。」
「大丈夫なの?」
「時間が惜しいし私の精神持たないかも?というわけでティーちゃんGO!!」
「あ~~い!!」ぶんぶん!!
私がティーを降ろすと嬉々としてティーは魔獣に向かって行った。
こんな森から丸見えの魔獣を誰かに見られ通報されたら大騒ぎになる。
カサカサ…
ゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュ…
ティーはレインボーバードに近づき飲み始めた。
いつもよりペースが速い!?
余程お腹を空かしていたのね。
でも、朝ごはん食べていたのになぁ…
「リア、私…ティーちゃんのヨダレで服が濡れたからクリスと着替えくるわ。」
「わかった。ティーは見ておくよ。リリスも部屋に戻っていいわよ。」
「!?は~い!」
我に返ったリリスは私と共に家に入った。
さて、リリスが部屋に戻るのを見届けてから、私とクリスはお風呂場でヨダレを洗い流し着替えた。
クリスがしきりに口に手を入れるので気になって覗くと下の方にちょこんと白い歯が見えた。
「歯が生えていたのね。美味しいもの食べれるわね。」ナデナデ
「う!!」
相変わらず表情は乏しいが喜んでいるのがわかる。
早くシャーベット無しであの笑顔が見たいわね。
「笑顔!笑顔!」ムニムニ
「やー!!」ジタバタジタバタ…
クリスの顔をムニムニしていたが嫌がられてしまった…残念。
キュポン!!
あら?この音は…久しぶりに聞いたわね。
外から響く栓が抜ける音…そろそろ終わりね。
部屋から慌ててやって来たリリスをなだめつつ、外に出ると魔獣は砂のように崩れていった。
危機は去ったわ。
「あー!!SSランクの素材が~!」
目の前で絶望しているリアがいるけど、羽一つで家より大きいのに保管する場所ないからね。
さて、可愛い我が子はどこかしら?
アホ毛で降る砂を払いつつ満足そうに横たわる娘がいた。
私は軽くアホ毛に当たりながらティーを抱いた。
「ほら、寝んねの前にゲップしましょうね。」
トントン!トントン!
けぷっ!
その後、ティーはすやすやと寝てしまった。
これは当分起きないわね。
私はリアをそのままに家に入っていった。
SSランクの魔獣が出たことを父や国に報告しなければならないと思うとため息が出るわ…ハァ。
まだ昼になってないのに疲れたわ。
私は眠ったティーを寝かせに部屋に向かった。
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