上 下
97 / 381
7章

97 カメと乾燥した大地

しおりを挟む
キラティア 視点

今日も朝からお出かけティーちゃんです。
とはいえ日課と朝ご飯はしっかり食べたしやりました。
着替えも済んでいざ出発!

したのはいいけど…
現在ルナママに抱かれていて動けません。
動きたいと言っても…

「今移動中だから大人しくしてようね。」ニッコリ!

と、言われたらじっとするしかない。うずうず…
くーちゃんももそもそして動きたいようだ。

「リア…これってどういうことかしら?」

おや?何かあったの?うずうず…

僕はルナママからリアママに渡される。
ルナママはどうやら、ばーばとお話しするようだ。
いいなぁ…

そう考えているとリアママが僕達を連れて坂を下って行く。

「ここら辺なら大丈夫かな?」

僕とくーちゃんは地面に降ろされた。

お!これは動いていいかな?いいよね?うずうず…

そして、降ろされたのはひび割れた土の道だった。
ここをほじくり返したら面白そうだ。

ボコッ!

不意に目の前の土が盛り上がった。

「あう?」

ん?なんだろうか?

ヒョコ!

僕が頭をひねっていると手足と頭が出てきた。
これはカメさんか…

絵本ではカメが集まって一斉に水を飛ばして山火事を消した話があった。
水を飛ばす危険があるので、気を付けて話さなければ…

こんにちは!カメさん!
僕ティーちゃん!
なんでこんな所にいるの?

「ファー!」

ふむふむ!ここは川で数日前から水が流れなくなったと…
水は無くなり、地面は乾燥してひびが入ったのか。
その上荒くれ者も来て地面に隠れていたと…
そっか…まぁ、頑張れ!

僕達に関係ないことだし、今知り合ったばかりだしなぁ…

「う!」

ん?くーちゃんそこで何してんの?
カメさんの尻尾を触るの?

くーちゃんがカメさんの後ろに回りシッポを掴んだ。

ぎゅ!

「ファ!?」ピュー!

尻尾を強く握られたカメさんは驚いて僕に口から水を飛ばしてきた。

おぅ…
このままでは濡れてしまう。

今の僕には走馬灯のようにゆっくりと水が向かって来ていた。
そして、そのゆっくりとなった空間の中で考え動いた。

ぶんぶん!

アホ毛回転!

説明しようアホ毛回転とはアホ毛を素早く回転させ迫ってくるものを弾く技である?むふぅ!

サー!!

おお!霧になった!
さらに虹だ!きれい!

水が当たる瞬間にアホ毛を回転させたことで水は拡散し霧となって辺りを湿らせた。
そしてその霧に光が当たり虹が現れた。

僕は虹を見ていると…

ボコ!ボコ!ボコ!

周りの地面が次々と盛り上がった。
みんなカメさんだった。
いつの間にかカメさん達に囲まれた。

さっきのカメさんよ大きいカメさんが話しかけて来た。

癒しの水をありがとう?
そんなものあげてないよ?

どうやらアホ毛に水が当たったことでアホ毛の元気になる力が働いたみたいだ。

よくわからないがカメさん達に感謝された。
そして、お礼に美味しい暴れん坊の所に連れて行ってくれると…
お礼なの?討伐依頼の間違いじゃないの?

とりあえず、その暴れん坊の所に連れて行ってくれるらしい。
くーちゃんもノリノリでカメさんの背中にまたがっている。

「う!う!」

行け行け!って、くーちゃん!動くと汚れるよ?

僕も話しかけられたカメさんの上によじ登った。

おっ!ママ達に抱かれるより低いけど、これは中々いいね。

そうだ!リリ姉ちゃん達も乗れば?
後ろを振り返るとリリ姉ちゃんが乗ろうとするが残念ながら、リリ姉ちゃんは大きさ的に乗れないらしいのでガックリして離れてリアママと僕達を見ている。

そして、僕達は暴れん坊のもとへ移動を開始した。














しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい

恋愛 / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:3,456

侯爵夫人は子育て要員でした。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:305pt お気に入り:1,778

天使志望の麻衣ちゃん

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:1

はずれのわたしで、ごめんなさい。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:738pt お気に入り:5,730

皇子に婚約破棄されたので、悪役令嬢になりますね(今更感)

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:318

処理中です...