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10章

168 ティーの天国と地獄

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ルナール 視点

「おお!デカイ!ティーより大きいわね。」

まずはリアが引き抜く。
その大きさは通常の芋の10倍を超えていた。
そして黄金に輝く芋だった。

黄金芋は通常の大きさでさえ、高額取引されている食べ物だ。
これを一個売るだけでブルーサファイア海岸に土地が買えそうだ。

「ねぇ、リアこの芋どう料理すればいいかしら?」

「さぁ?普通の芋と同じにしてみたら?」

「そうね…」

未知の食材って手に入ると困るのよね。

「うきゅ!うきゅ!うきゅ!」

ババババババババ…

ティーの可愛い掛け声が聞こえ見てみるとスコップで土をどんどん掘っていた。
クリスもスコップで遊んでいた。
リリスはずっと同じところを掘っていた。

「リリスちゃん?なんで同じところを掘っているの?」

「なんか芋が下に続いているの!」


サツマイモはそこまで深く伸びないはず…

私は不審に思い覗くと長芋だった。

「誰?長芋植えたのは!」

すると、溜池の方から長芋の葉っぱが上がった。

長芋の葉っぱの話では、どうやらいい土だから森から住み着いたらしい。
へぇ~魔獣野菜って移動して生えるんだぁ。

ポポポポポポ!

そんな事を考えてるとティーが小さな身体で蔓を掴むと自分の倍の大きさの芋が連鎖して飛び出してきた。

また、消費が大変な量だなぁ…
まぁ、ティー達の好物だし干し芋にしてあげれば喜ぶでしょう。

私の前に見上げる高さの芋の山が5山出来ていた。
そして、クリスが掘っている蔓がある。
つまり6山ということ…置けるかしら?

「あっきゃー!あっきゃー!あっっきゃー!!!」

ティーが芋を両手に持って雄叫び?を上げて立っていた。

余程嬉しいのね。

「まーま!いも!いも!」

ティーが芋を持ち直し私の所に持って来た。

「よかったわね。ティーちゃん!1週間くらい寝かして食べましょうね!」

「あ!あ!?あきゃ!?」ボトッ!

ティーは芋を落とし絶望した顔でひざまづいた。

「芋は寝かせると甘みを増して美味しくなるのよ。少し我慢しましょうね。」ナデナデ…

「…うきゅ。」

これは美味しく食べる為仕方ない。
とりあえず、ティーには芋を食料庫に転移してもらい、クリスとリリスには収穫を楽しんでもらおう。

「ティーちゃんは美味しいお芋さんを食べたいでしょう?」

こくこく!

「なら、少し我慢しましょうね。」

こくこく!

ティーは納得してくれたようだ。

「リア!食料庫にどんどん運びましょう。芋の量が多いわ!」

「そうね。そろそろ移動させないと暗くなりそうね。」

「私、ティーに芋の保管場所を教えてくるわ。」

「わかった。あたしは芋をまとめているわな。」

「ティーちゃん行くわよ。リリスちゃん達は収穫していてね。」

「はーい!」

私はティーを連れ食料庫に移動した。
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