それって食べ物ですか？いいえ飲み物です。

11章

183 解決策

カグリア視点

ー数分後ー

「めんちゃいーめんちゃーい！！やー！」チーン…

やっと反省したようだ。

「カグリアさん、終わりました？」

ティーのお仕置きが終わったタイミングでムムイ様が声をかけて来た。

「あっ！はい。お待たせしてすいません。」

「まず、あの馬車には知識族の大人以外に5人の魔導族の子供と2匹の魔獣の子供が乗っていました。恐らく闇オークションに売られる所だったと思うわ。」

闇オークション…知識族領内で行われている合法的なオークション。
知識族領での独自の法により領内に持ち込まれたモノは自国の物として扱い売買が出来る。
つまり、檻の動物として子供達が知識族領に着いていたら保護することすら出来なかっただろう。

「そこでカグリアさん！「お断りします。」…」

「まだ言ってませんよ？」

「闇オークションの調査ですよね？」

「いえ、そっちは魔導国に報告して冒険者ギルドと商業ギルドで対応します。私が頼みたいのは子供達の送り届けです。」

「あっ！そっちですか。でも、1人づつ届けるとなると時間がかかりますね。」

「孤児院でとりあえず保護しつつ両親を探すことになるでしょう。」

「本当はすぐに親もに帰してあげたいですが…ん？ティー？」

クイクイ…

ティーがあたしの服を引っ張っていた。
どうやら復活したようだ。

「ティーどうしたの？」

「あきゃ！あきゃ！う～！」

「えーと…捕まってた子供達が帰りたいって言っているから送って来る？いってらっしゃい？」

「うきゅ！」

うん、普通なら無理だけどティーだしね。

「ちょっと待つの～！保護者の確認も必要なの！適当に転移して放置してたら困るの～！」

ムムイ様が口調が安定しなくなって来た。

「むー。」

トテトテ…

ティーは面倒くさそうな声と顔をしながら狼種の5才くらい男の子に近付き足に噛み付いた！

「なんだこいつ！？やめろよ！」

痛みは無く気持ち悪いだけのようだ。
男の子が必死に引き離そうとしたがティーは動かなかった。

しばらくして、ティーが口を離すと地面に座り目を閉じた。
お昼寝かな？と近付くとアホ毛がゆっくりと回りだしある方向で止まった。チン！

「なんなんだよこいつ！」

男の子は不満があるようだ。
まぁ、ヨダレだらけになったしね。

「あきゃ！」シュン！

「消えた！？」

目を開けたティーを突然どこかに転移したようだ。