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12章

204 腹いせ

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キラティア 視点

森を抜け拓けた場所に着くと大きな鹿が2匹いた。
直感でわかった。
こいつらがスタンビートか!!

「あきゃー…」チラッ…

僕は背中のピコハンを確認すると突進を仕掛けた。

「むきゃー!!!」

カサカサカサカサ…

「ブォーーー!?」

鹿も危険と思ったのか魔法で木の根っこを操り攻撃してきた。
ツノが光ってるし植物を操る事に長けているようだ。

「ふっ…」

ぷっ…
毎日野菜と戯れている僕には遅く見えるよ。

スッ!

ドドドドドド…

僕は高速ハイハイをしながら最小限の移動で根っこ攻撃を躱して行った。
僕がさっきいた場所に穴が空いていた。
あとで埋めた方がいいかな?
おっと!次が来た!
早く終わらせないと!

「スチャッ!」トンッ!」

僕は迫り来る根っこの一つに乗り駆け出した。

「あきゃーー!!」

カサカサカサカサ…

木の根っこと鹿は繋がっていないので根っこから降りる。

「ふきゅ…あきゃあきゃ!!」

ヒュー…バシバシ!

僕が降りている間も根っこで攻撃をする鹿。
面倒なのでアホ毛で弾きながら降りる僕。

凝縮された攻防の中で僕は感じた。
何かを探していると…
そして揺らいだ…飲んでいいのかと…
そこで気づく、もう1匹の鹿が全く動いていない。

ふむ…
とりあえずこっちを大人しくしますか。
飲むのは後からでも出来るし…

僕は地面に着地するまでに背中のピコハンを握り…

すちゃ!シュン!

着地と同時に鹿のおでこの前に転移しピコハンを構え!

「あっきゃー!!」

ピコ!

鹿のおでこにピコハンを当てた。

「ブォーー!?」

バーーン!!

一瞬の衝撃が鹿の体に伝わり。

「グッ…」

グラッ!ドシン!!

鹿の大きな巨体が大きな衝撃と共に倒れた。

さて、そっちの鹿さん話出来る?

「ぶ…ぶるる…」

どうやらもう一体は観念したようだ。

「うきゅうーきゅ?あきゃきゃ?」

では早速なんで暴れようとしたの?
ふむふむ…子供が何者かに攫われたから街を壊して探そうとしたと…
なるほど…
そんな理由で僕達の芋掘りを邪魔するな!

僕は気絶している鹿さんに近付き…

「あっきゃーー!!!」

ピコ!ピコ!ピコ!

僕は気がすむまで叩き続ける事にした。
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