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13章続き

264 鍛冶屋

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ウラボン 視点

昨日は街を見る余裕は無かったがよくよく見ると、あちこちに露店が並んでいた。
店は食べ物系もあるが装飾や武器の店もあった。

「買い食いしたいが資金が少ないから無理だな。」

「そうですね、アッシュさん。早く色んな依頼を受けて稼ぎましょう!」

朝から豪華だったのにもう食い物の話かよ。
早く用事を済ませたい。

「そこの角がフェルゴートさんの紹介の鍛冶屋だ。」

ハルクが地図を片手に案内する。

カンカンカンカン…

店の前では10人の職人がハンマーを叩いていた。
そう…店の前で…

いや、普通中だろ!

「あ!?おはようございます。」

1人の職人が挨拶をした。

「おう、おは…」

「「おはようございます。」」キラン!!

他の職人が一斉にこっちを向いて挨拶して来た!
しかも白い歯を見せて…
かなりビックリする。

「あっ!?お客様やね。お越しやす。」

女狐の獣人が現れた。
今回は狐のおっさんより人間に近く、付け耳と尻尾を着けているように見える。

「あ!これ付け耳ですー。」ヒョイ!

取れるのかよ!!
というか人間か?髪は赤く目も紅い…
魔族か?

「それでどのようなご用件ですかー?」

「ああ…武器の修理を頼みたい。」

「わかりましたー。中にお入りくださーい。」

赤髪女の後に着いて行くと剣や斧の武器や盾や鎧が並んでいた。

すげー強そう…

だが値段を見て絶望した。
今の俺達には払えない金額だった。

「あの盾、いいなぁ。」

「アッシュ!駄目だ!高すぎる!」

「そうですよ。今は我慢です。」

俺達は誘惑に抗いながら赤髪女が座ったカウンターに近付いた。

「ここに修理する品を出してください。」

「おう…」

俺達はそれぞれの武器や盾を出した。すると、赤髪女はじっくり観察しだした。

「三流品やね。買い換えた方がええですよ?」

「な!?これでも店の高いヤツだぞ!」

俺の相棒を三流品呼ばわりとは腹が立った。

「気を悪くしたならすいまへん。でも、どれも手を抜いていたり、不純物が混ざっているのでうちの商品には出来ない代物だったので…」

「むっ…もういい、修理はいくらくらいかかる?」

このまま怒鳴って修理が出来なければダンジョンに支障が出ると思いこれ以上の言葉を飲み込んだ。

「そうですね…弟子クラスの請負で材料費込みで大銅貨10枚になりますね。師範クラスだと制作がメインなので受けないと思います。」

「弟子クラス…大丈夫なのか?」

「それぞれ個性が出ますがどの人も仕事は丁寧です。この中から選んでください。」

そう言って赤髪女は絵を並べた。
それには職人の顔と名前と特徴が書いてあった。
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